人やモノが自由に移動できた環境が一変したことで物流などに混乱が起きています。イギリスはちょうど1年前にEUから離脱し、ことしから自由貿易協定などに基づいた新たな関係が始まりました。
双方の貿易には通関手続きが発生して中身や数量の申告が必要になるなど、手間やコストがかかるようになりました。
企業の間ではEUへの輸出を見直す動きが出ていて、このうちイギリス南部にある化学製品を扱う会社はことしから、EUの顧客向けの配送をイギリスからでなくEU加盟国のポーランドの拠点からに切り替えました。
水産業では、手続きに時間がかかり魚介類を新鮮な状態で届けられなくなるとしてEUへの輸出を中断するケースも出ていて、今月中旬には水産業者たちがロンドン中心部に集まって大型トレーラーでデモを行い、政府に改善を求めました。
イギリス政府は、時間がたてば物流の混乱は解消すると強調していますが、変異した新型コロナウイルスの感染拡大で企業活動への制限が長引く中、経済へのさらなる打撃になるとの懸念が出ています。