日本新聞: ニシンの群れによる「群来」解明へ実験開始北海道函館

ニシンの群むれによる「群来くき」解明かいめいへ実験じっけん開始かいし北海道ほっかいどう函館はこだて

Apr 22, 2022 21:04 1

Furigana

ニシンの群むれが産卵さんらんしたあとに海うみが白しろく濁にごる「群来くき（くき）」と呼よばれる現象げんしょうの詳くわしいメカニズムを解明かいめいしようと、北海道ほっかいどう函館はこだて市しで大型おおがたの水槽すいそうを使つかった実験じっけんが始はじまりました。

「群来くき」はニシンのメスの群むれが沿岸えんがんの海藻かいそうに産卵さんらんしたあとオスが精子せいしをかけることで海うみが白しろく濁にごる現象げんしょうで、春先はるさきに見みられることが多おおく、3月つき、北海道ほっかいどう乙部おとべ町まちでおよそ100年ねんぶりに確認かくにんされました。

北海道ほっかいどう大学だいがくの研究けんきゅうチームは群来くきの詳くわしいメカニズムを解明かいめいしようと、22日にちから函館はこだて市しで大型おおがたの水槽すいそうを使用しようして本格ほんかく的てきに実験じっけんを始はじめました。

水槽すいそうでは北海道ほっかいどう標津しべつ町まちでとれたおよそ700匹ひきのニシンの群むれを飼育しいくしていて、卵たまごを産み付うみつけるための人工じんこうの海藻かいそうが設置せっちされています。

そして水槽すいそう内ないの海水温かいすいおんを変化へんかさせたり、海水かいすいの量りょうを増減ぞうげんさせることでニシンの群むれの密度みつどを調整ちょうせいしたりして、どのような環境かんきょうで産卵さんらんが行おこなわれやすいのかを調しらべるということです。

また、ニシンに取り付とりつけられた小型こがたのセンサーから産卵さんらんが行おこなわれた時間じかんなどについても分析ぶんせきを行おこない、将来しょうらい的てきにはニシンの資源しげん予測よそくにもつなげたいとしています。

北海道ほっかいどう大学だいがく北方ほっぽう生物せいぶつ圏けんフィールド科学かがくセンターの宮下みやした和かず士し教授きょうじゅは「北海道ほっかいどうの沿岸えんがんでは最近さいきんニシンの群来くきが多おおく見みられている。群来くきがどうやって起おこるのか、メカニズムを解明かいめいしたい」と話はなしていました。