【随時ずいじ更新こうしん】ロシア ウクライナに軍事ぐんじ侵攻しんこう（30日にちの動うごき）

このためことし7月つき、ウクライナとロシア、それに仲介ちゅうかい役やくを務つとめたトルコと国連こくれんの4者しゃが協議きょうぎを行おこない、輸出ゆしゅつ再開さいかいに向むけて合意ごういしました。

合意ごういを受うけてロシア側がわは、船舶せんぱくを安全あんぜんに航行こうこうさせるため貨物かもつ船せんの追跡ついせきや積み荷つみにの検査けんさなどをウクライナとトルコ、それに国連こくれんとともに共同きょうどうで行おこなってきました。

トルコのイスタンブールに設置せっちされた船舶せんぱくの安全あんぜんな航行こうこうを監視かんしする機関きかん、共同きょうどう調整ちょうせいセンターによりますと、ことし8月つきの輸出ゆしゅつ再開さいかいから今月こんげつ24日にちまでに延のべ83隻せきが、合あわせて860万まんトン余あまりの農産物のうさんぶつを輸出ゆしゅつしてきたということです。

しかし、ロシアのプーチン大統領だいとうりょうは9月つき、輸出ゆしゅつされた農産物のうさんぶつは多おおくがヨーロッパ向むけで、貧まずしい国くにに届とどいていないと主張しゅちょうし、ウクライナやヨーロッパ諸国しょこくの対応たいおうを批判ひはんしました。

一方いっぽう、ウクライナ外務省がいむしょうは、ロシア側がわが意図いと的てきに積み荷つみにの検査けんさを遅おくらせ、多おおくの船ふねが、イスタンブールの沖合おきあいにとどまっているとしてロシアを批判ひはんしていました。

輸出ゆしゅつ再開さいかいに関にかんする合意ごういは11月つき19日にちが期限きげんとなっていますが、ロシアとウクライナが互たがいの対応たいおうを批判ひはんするなか、合意ごういが継続けいぞくされ安定あんていした輸出ゆしゅつが続つづけられるか不透明ふとうめいな状況じょうきょうになっていました。

そして、9月つきからこれまでに合あわせて176隻せきの貨物かもつ船せんが予定よていの航路こうろを進すすむことができず沖合おきあいで待機たいきを余儀よぎなくされていてウクライナの農作物のうさくもつなど200万まんトン以上いじょうを輸出ゆしゅつできていないと明あきらかにしました。

そのうえで、ゼレンスキー大統領だいとうりょうは「国際こくさい的てきな強つよい対応たいおうが必要ひつようだ。国連こくれんやほかのレベルでもそうだが、特とくにG20において必要ひつようだ。意図いと的てきに飢餓きがをもたらそうとしているロシアがなぜG20の一員いちいんでいられるのか、ばかげている。G20にロシアの居場所いばしょはない」と述のべ、来月らいげつインドネシアで開ひらかれるG20の首脳しゅのう会議かいぎでも各国かっこくがロシアに対にたいして一層いっそう強つよい姿勢しせいで臨のぞむよう訴うったえました。

また、アメリカ・ホワイトハウスのNSC＝国家こっか安全あんぜん保障ほしょう会議かいぎの報道ほうどう官かんは声明せいめいを発表はっぴょうし、「ロシアは、食料しょくりょうを武器ぶき化かするための口実こうじつとしてまたしてもみずから始はじめた戦争せんそうを利用りようしようとしている。食料しょくりょうを必要ひつようとしている国々くにぐにや世界せかい的てきな食料しょくりょう価格かかくに直接ちょくせつ影響えいきょうを及およぼし、すでに差し迫さしせまっている人道じんどう危機ききや食料しょくりょう不安ふあんを悪化あっかさせようとしている」と強つよく非難ひなんしました。

これに対にたいしてイギリス国防省こくぼうしょうは29日にち、SNSで「ロシアは違法いほうな軍事ぐんじ侵攻しんこうから注目ちゅうもくをそらそうと、壮大そうだいな虚偽きょぎの主張しゅちょうに訴うったえている」と否定ひていし、強つよく反発はんぱつしました。

ノルドストリームの2本ほんのパイプラインの合あわせて4か所かしょで確認かくにんされた大だい規模きぼなガス漏もれをめぐって、捜査そうさを進すすめているスウェーデンの治安ちあん当局とうきょくは、爆発ばくはつが原因げんいんと断定だんていしたほか、欧米おうべい各国かっこくは破壊はかい工作こうさくという見方みかたを強つよめていて、一部いちぶのメディアはロシアが関与かんよした可能かのう性せいを指摘してきしています。

この中なかで「標的ひょうてきとなったロシアの艦船かんせんはウクライナの港みなとから農産物のうさんぶつを輸出ゆしゅつする船舶せんぱくの安全あんぜん確保かくほに関かかわっていた」と強調きょうちょうしたうえで攻撃こうげきにはイギリスが関与かんよしていたと主張しゅちょうしています。

またクレバ外相がいしょうも29日にち、ツイッターに「モスクワは、何なん百ひゃく万まん人にんもの人々ひとびとの食料しょくりょう安全あんぜん保障ほしょうを担保たんぽする穀物こくもつの輸出ゆしゅつに必要ひつような輸送ゆそうルートを封鎖ふうさするため偽いつわりの口実こうじつを使つかっている。ロシアに対にたいして飢餓きがを利用りようしたゲームをやめさせるようすべての国くにに呼よびかける」と投稿とうこうしました。

これに先立さきだってロシア国防省こくぼうしょうは、一方いっぽう的てきに併合へいごうしたウクライナ南部なんぶクリミアに駐留ちゅうりゅうするロシア軍ぐんの黒海こっかい艦隊かんたいがウクライナ軍ぐんの無人むじん機きによる攻撃こうげきを受うけたと主張しゅちょうしていて、外務省がいむしょうの声明せいめいでは、合意ごういの履行りこうを停止ていしする理由りゆうとして「船舶せんぱくの安全あんぜんな航行こうこうが保証ほしょうできないこと」を挙あげています。

ウクライナでは、ロシア軍ぐんによる封鎖ふうさで黒海こっかいに面めんする南部なんぶの港みなとからの農産物のうさんぶつの輸出ゆしゅつが滞とどこおっていましたが、ことし7月つきにトルコと国連こくれんの仲介ちゅうかいでロシアとウクライナが合意ごういし、輸出ゆしゅつが再開さいかいされていました。

世界せかい的てきな食料しょくりょう危機ききへの懸念けねんが続つづく中なか、ロシアによる合意ごういの履行りこう停止ていしによって、輸出ゆしゅつが再ふたたび滞とどこおるおそれがでています。国連こくれんのデュジャリック報道ほうどう官かんは29日にち、コメントを出だし、「合意ごういは世界中せかいじゅうの人々ひとびとへの食料しょくりょう確保かくほにつながる人道じんどう上じょう、重要じゅうような取り組とりくみだ。すべての当事者とうじしゃがこれを危あやうくするような行動こうどうを控ひかえることが極きわめて重要じゅうようだ」と訴うったえました。