夕方には、シシ大統領と首脳会談を行うことになっていて、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐって意見を交わし、法の支配に基づく国際秩序を維持・強化していく重要性を伝えたい考えです。
また、エジプトがアフリカ諸国に大きな影響力を持っていることも踏まえ、武力衝突が続く隣国、スーダンの情勢など、情報の共有を図る方針です。
さらに、「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国などを重視する岸田総理大臣としては、その一つとも言えるエジプトとの間で、投資拡大や貿易促進についても意見を交わし、両国の連携を強化したい考えです。
そして両首脳は会談のあと共同記者発表を行い、その成果を公表することにしています。
ウクライナ情勢など、国際社会が直面する課題をめぐって意見が交わされます。 ▽最初の訪問国、エジプトは、人口が1億人を超え、アフリカ諸国の中でも経済成長が著しい国の1つです。 中東にも影響力を持つことから日本政府は「中東とアフリカの安定のかなめ」にも位置づけていて、今回の会談では、悪化するスーダン情勢のほか、パレスチナ情勢なども取り上げられる見通しです。 ▽次に訪れるガーナは、1993年の民政移管後、安定的な民主主義のもとで成長を続け、西アフリカの大国とも呼ばれています。 ことしは日本とともに国連安全保障理事会の非常任理事国を務めていて、国連機能の強化や安保理改革などをめぐっても意見が交わされるとみられます。 ▽3つ目のケニアは、東アフリカの経済大国です。 民主主義などの価値観を重視していて、ウクライナ情勢をめぐっても、法の支配の重要性を訴えています。 インド洋に面していることから、「自由で開かれたインド太平洋」実現へのかぎとなる国の1つに位置づけていて、さらなる連携を確認したい考えです。 ▽最後に訪れるモザンビークは、天然ガスなどの資源が豊富な国です。 ロシアのウクライナ侵攻の長期化を背景に不安定化するエネルギー問題などが、会談の焦点の1つになりそうです。 また、北朝鮮と国交があることから、北朝鮮の核・ミサイル開発についても意見が交わされる見通しです。 このほか、アフリカ諸国には、中国が返済できないほどの貸し付けを行って影響力を増す「債務のわな」の問題に直面する国も少なくないとされていて、透明で公正な開発金融の重要性などをめぐっても議論が行われそうです。
日程と訪問する4か国の特徴