生物の
遺伝情報を
自在に
書き換えられ、
病気の
治療などへの
応用が
期待される「ゲノム
編集」をめぐり、
アメリカでの
特許争いが
注目されていましたが、
裁判所は、
基本的な
仕組みを
開発した
研究者ではなく、
最初にヒトの
細胞に
応用した
研究者の
側に
特許が
あるという
判断を
示しました。ゲノム
編集は、
6年前、
従来より
簡単で
正確に
遺伝情報を
書き換えられる「CRISPRーCas
9」という
方法が
開発され、
病気の
治療や
食物の
品質改良などへの
応用を
目指す研究が
世界各地で
進められています。
ゲノム編集は、6年前、従来より簡単で正確に遺伝情報を書き換えられる「CRISPRーCas9」という方法が開発され、病気の治療や食物の品質改良などへの応用を目指す研究が世界各地で進められています。
しかし、この手法を動植物の細胞に応用することをめぐっては、基本的な仕組みを開発したカリフォルニア大学などの研究者と、マウスやヒトの細胞で初めて成功したマサチューセッツ州にあるブロード研究所の研究者が特許を争ってきました。
これについて、連邦控訴裁判所は10日「研究を進めた証拠が十分に認められる」として、ブロード研究所側に特許があるという判断を示しました。
ゲノム編集は、ノーベル賞の受賞が有力視されていて、その技術を利用する企業からの特許料も巨額になると見込まれるため、アメリカを代表する研究機関どうしの特許争いが注目されていました。
カリフォルニア大学側は、さらに法的な対応をとることも検討していますが、連邦最高裁が上訴を受け付けるかは不透明で、特許争いに決着がつくのではないかと受け止められています。