日本新聞: 時速194キロ死亡事故懲役8年判決 “危険運転”適用大分地裁

時速じそく194キロ死亡しぼう事故じこ懲役ちょうえき8年ねん判決はんけつ “危険きけん運転うんてん”適用てきよう大分おおいた地裁ちさい

Nov 28, 2024 17:11 1

Furigana

3年ねん前まえ、大分おおいた市しの県道けんどうで時速じそく194キロで車くるまを運転うんてんしたことによる死亡しぼう事故じこが危険きけん運転うんてん致死ちしの罪つみにあたるかどうかが争あらそわれた裁判さいばんで、大分おおいた地方ちほう裁判所さいばんしょは「ハンドルやブレーキのミスで進路しんろを逸脱いつだつする危険きけん性せいが想定そうていされる」として、危険きけん運転うんてんの罪つみが成立せいりつすると判断はんだんし、当時とうじ19歳さいの被告ひこくに懲役ちょうえき8年ねんの判決はんけつを言い渡いいわたしました。

2021年ねん2月つき、大分おおいた市しの当時とうじ19歳さいの被告ひこくは法定ほうてい速度そくどが時速じそく60キロの市内しないの県道けんどうで車くるまを時速じそく194キロで運転うんてんし、交差点こうさてんを右折うせつしてきた車くるまと衝突しょうとつして、運転うんてんしていた小柳こやなぎ憲けんさん（当時とうじ50）を死亡しぼうさせたとして、危険きけん運転うんてん致死ちしの罪つみに問とわれました。

裁判さいばんでは危険きけん運転うんてん致死ちし罪ざいの処罰しょばつ対象たいしょうになっている『進行しんこうを制御せいぎょすることが困難こんなんな高こう速度そくど』にあたるかどうかが主おもな争点そうてんになりました。

検察けんさつが「車くるまの制御せいぎょは困難こんなんだった」と主張しゅちょうして懲役ちょうえき12年ねんを求刑きゅうけいしたのに対にたいし、弁護べんご側がわは「道路どうろに沿そって直進ちょくしん走行そうこうできていた」として、より刑けいの軽かるい過失かしつ運転うんてん致死ちし罪ざいが適用てきようされると主張しゅちょうしていました。

28日にちの判決はんけつで大分おおいた地方ちほう裁判所さいばんしょの辛島からしま靖やすし崇たかし裁判さいばん長ちょうは「道路どうろの状況じょうきょうなどから、時速じそく194キロで車くるまが交差点こうさてんに進入しんにゅうした場合ばあい、ハンドルやブレーキのミスで進路しんろを逸脱いつだつする危険きけん性せいが想定そうていされる」などと指摘してきしました。

そのうえで今回こんかいの事故じこは「制御せいぎょ困難こんなんな高こう速度そくど」にあたると認みとめ、危険きけん運転うんてん致死ちしの罪つみが成立せいりつすると判断はんだんして懲役ちょうえき8年ねんを言い渡いいわたしました。

猛もうスピードの車くるまによる死亡しぼう事故じこをめぐっては、危険きけん運転うんてん致死ちし罪ざいが適用てきようされない事例じれいが相次あいついでいて、法定ほうてい速度そくどの3倍ばいを超こえる今回こんかいの事故じこに適用てきようされるかどうかが焦点しょうてんになっていました。

遺族いぞく「認みとめられたことは大おおきい」

判決はんけつのあと、小柳こやなぎ憲けんさんの遺族いぞくが会見かいけんを開ひらき、この中なかで姉あねの長ちょう文恵ふみえさん（58）は「危険きけん運転うんてん致死ちし罪ざいが認みとめられたことは大おおきいことだと思おもいます。ただ、量刑りょうけいについては『8年ねん』と聞きいて、その後そのごの裁判さいばん長ちょうの話はなしは全まったく耳みみに入はいりませんでした」と述のべました。

大分おおいた地検ちけん「主張しゅちょうが一部いちぶ受け入うけいれられず遺憾いかん」

判決はんけつについて、大分おおいた地方ちほう検察庁けんさつちょうの小山こやま陽一郎よういちろう次席じせき検事けんじは「検察官けんさつかんの主張しゅちょうが一部いちぶ受け入うけいれられなかったことは遺憾いかんであり、判決はんけつ内容ないようを詳細しょうさいに検討けんとうし、上級じょうきゅう庁ちょうとも協議きょうぎのうえ、適切てきせつに対応たいおうしたい」とするコメントを発表はっぴょうしました。