オーストラリア議会ぎかい上院じょういん 16歳さい未満みまんの子こどもSNS禁止きんし法案ほうあん可決かけつ

オーストラリア議会ぎかい上院じょういんは28日にち、16歳さい未満みまんの子こどもがSNSを利用りようすることを禁止きんしする法案ほうあんを可決かけつしました。

法案ほうあんの一部いちぶが修正しゅうせいされたため29日にち、再ふたたび下院かいんで修正しゅうせい案あんが審議しんぎされ、その後そのご、連邦れんぽう総督そうとくの署名しょめいなどを経へて成立せいりつします。

この法案ほうあんは、SNSの運営うんえい会社かいしゃに16歳さい未満みまんの子こどもが利用りようできないような措置そちを講こうじることを義務ぎむづけるもので、違反いはんした場合ばあいは最大さいだいで4950万まんオーストラリアドル、日本にっぽん円えんでおよそ49億おく円えんの罰金ばっきんが科かされます。

保護ほご者しゃや子こども自身じしんへの罰則ばっそくはありません。

対象たいしょうとなるSNSは「インスタグラム」や「TikTok」「スナップチャット」「X」「フェイスブック」などで、「YouTube」など教育きょういく目的もくてきでも使つかわれるものは適用てきようが除外じょがいされる想定そうていです。

オーストラリア政府せいふは「世界せかい的てきにみても先進せんしん的てきだ」としていて、利用りよう者しゃの年齢ねんれいを効果こうか的てきに確認かくにんする方法ほうほうを検証けんしょうした上うえで、1年ねん後ごをめどに施行しこうしたい考かんがえです。

オーストラリアの世論せろん調査ちょうさでは、国民こくみんのおよそ77％がこの法案ほうあんに賛成さんせいしていますが、どのように年齢ねんれいを確認かくにんするかや個人こじん情報じょうほうの取り扱とりあつかいについて課題かだいも指摘してきされています。

各国かっこくでもSNS利用りようの規制きせい進すすむ

世界せかいでも子こどものSNS利用りようの規制きせいや、子こどもをインターネット上じょうの有害ゆうがいなコンテンツから守まもるための対策たいさくをめぐって議論ぎろんが進すすんでいます。

子こどものSNS利用りようについて、インスタグラムや「X」など、多おおくのSNSは13歳さい未満みまんの子こどもはアカウントが作つくれない措置そちをとっています。

フランスでは去年きょねん、SNSの運営うんえい会社かいしゃに対にたいして、保護ほご者しゃの同意どういがない限かぎり、15歳さい未満みまんの子こどものアクセスを制限せいげんするよう義務ぎむづける法律ほうりつが制定せいていされました。

アメリカの一部いちぶの州しゅうでも、未み成年せいねんのSNS利用りようを規制きせいする法律ほうりつを制定せいていしていて、ユタ州しゅうなどでは未み成年せいねんがSNSを利用りようする際さいには保護ほご者しゃの同意どういが必要ひつようだとしています。

ノルウェーでは現在げんざい、15歳さい未満みまんの子こどもがSNSを利用りようすることを禁止きんししようという議論ぎろんが進すすんでいます。

こうした議論ぎろんが進すすむ一方いっぽうで、子こどもの権利けんり擁護ようごの団体だんたいなどは国連こくれんの「子こどもの権利けんり条約じょうやく」で定さだめる、子こどもの表現ひょうげんの自由じゆうや情報じょうほうを得える権利けんりを妨さまたげることにもつながるとして、SNSへのアクセスを完全かんぜんに禁止きんしすることには問題もんだいがあると指摘してきしています。

このほか、子こどもがSNSなどで有害ゆうがいなコンテンツをみられないように規制きせいしている国くにや地域ちいきもあります。

EU＝ヨーロッパ連合れんごうは、おととし、SNSの運営うんえい会社かいしゃなどに対にたいして、未み成年せいねんを対象たいしょうにした閲覧えつらん履歴りれきをもとに広告こうこくを表示ひょうじするいわゆる「ターゲティング広告こうこく」などを禁止きんしする法律ほうりつを制定せいていしています。

イギリスでは去年きょねん、インターネット上じょうの有害ゆうがいな情報じょうほうから子こどもを守まもろうという法律ほうりつが成立せいりつしました。

子こどもに対にたいしてアルゴリズムを使つかって、中毒ちゅうどく性せいの高たかいコンテンツをSNSに表示ひょうじさせることを禁止きんしするなどとしていて来年らいねんにも施行しこうされる予定よていです。

アメリカのニューヨーク州しゅうなどではSNSの運営うんえい会社かいしゃなどが18歳さい未満みまんの利用りよう者しゃに対にたいし関心かんしんが高たかそうな内容ないようを自動的じどうてきに配信はいしんするには、保護ほご者しゃの同意どういが必要ひつようだとする法律ほうりつが成立せいりつしています。