重おもい病気びょうきの子こどもたちが必要ひつようとしている支援しえんは 初はつの全国ぜんこく調査ちょうさへ

小児しょうにがんや心臓しんぞう病びょうなどの命いのちに関かかわる重おもい病気びょうきの子こどもは、長期ちょうき間かんの入院にゅういんや治療ちりょうできる病院びょういんへの遠距離えんきょりの通院つういんなどによって、自由じゆうに遊あそぶことや継続けいぞくして学まなぶことができないなどの制限せいげんのある生活せいかつを余儀よぎなくされています。

病気びょうきの子こどもの生活せいかつや学習がくしゅうを支援しえんする活動かつどうは民間みんかん団体だんたいを中心ちゅうしんに各地かくちで広ひろがりつつありますが、当事者とうじしゃである子こどもが何なにを求もとめているのかを国くにが十分じゅうぶんに把握はあくできていないことが課題かだいとして指摘してきされていました。

このためこども家庭かてい庁ちょうは、闘病とうびょう中ちゅうや治療ちりょう後ごの子こどもたちがどのような支援しえんを必要ひつようとしているかを把握はあくするため新しん年度ねんど、子こどもを対象たいしょうにした初はじめての全国ぜんこく調査ちょうさを実施じっしする方針ほうしんを固かためました。

調査ちょうさは子こども本人ほんにんへの直接ちょくせつの聞き取ききとりやアンケートなどを通をつうじて行おこなわれ、入院にゅういん中ちゅうや退院たいいん後ごの生活せいかつでどのような悩なやみや困こまりごとがあったかのほか、どのような支援しえんが必要ひつようかなど、具体ぐたい的てきに把握はあくしたいとしています。

さらに、こうした命いのちに関かかわる重おもい病気びょうきの子こどもは全国ぜんこくに2万まん人にんいると推計すいけいされていますが正確せいかくな数かずは分わかっていないため、どの地域ちいきにどれだけいるのかを詳細しょうさいに把握はあくする方法ほうほうも検討けんとうするなどして、全国ぜんこく的てきな支援しえん体制たいせいの整備せいびにつなげていくことにしています。

小児しょうにがんの闘病とうびょう経験けいけんがある高校生こうこうせいは

重おもい病気びょうきの子こどもたちへの支援しえんについての調査ちょうさが行おこなわれることについて、小児しょうにがんの闘病とうびょう経験けいけんがある16歳さいの高校生こうこうせいは、「話はなさないと伝つたえられないこともあるので、一いち人にん一いち人にんの声こえを聴きいてほしい」と期待きたいを寄よせました。

都内とないに住すむ高校こうこう1年生ねんせいの石井いしい優衣ゆいさんは、中学ちゅうがく2年生ねんせいの時ときに小児しょうにがんの1つである横よこ紋もん筋肉きんにく腫しゅと診断しんだんされました。

1年ねんにわたる入院にゅういん生活せいかつではさまざまな面めんで不安ふあんを感かんじていたといいますが、当時とうじを振り返ふりかえって「入院にゅういんした当初とうしょは自分じぶんだけつらい状況じょうきょうにあって自分じぶんが置おいていかれてるような感かんじがしていましたが、お母おかあさんとかにも心配しんぱいかけちゃうかなと思おもって話はなせなかったりで、人ひとに言いえなくてつらかったです」と話はなしています。

また、当時とうじはオンラインなどで院内いんない学級がっきゅうの授業じゅぎょうが行おこなわれていましたが、治療ちりょうの影響えいきょうで体調たいちょうがすぐれないと欠席けっせきせざるをえなかったほか、あまり授業じゅぎょうを受うけることができなかった教科きょうかもあり、特とくに学習がくしゅう面めんでの不安ふあんが大おおきかったといいます。

復学ふくがくしておよそ1年ねんがたつ今いまも学校がっこうの授業じゅぎょうに追おいつくことができず、大学だいがく受験じゅけんまでに遅おくれを取り戻とりもどせるのか今いまも不安ふあんがあるといい、入院にゅういん中ちゅうや退院たいいん後ごに一いち人にん一いち人にんの状況じょうきょうに応おうじて学習がくしゅうをサポートする手助てだすけが必要ひつようだと感かんじているということです。

今回こんかい、国くにが重おもい病気びょうきの子こども本人ほんにんの声こえを聞きく調査ちょうさを行おこなうことについて、優衣ゆいさんは「入院にゅういんしたり治療ちりょうを受うけたりするのは子こども本人ほんにんなので、子こどもの声こえを聴きくことは大事だいじだと思おもいます。周まわりが子こどもを見みて思おもうことと本人ほんにんが思おもっていることは結構けっこう違ちがうし、ちゃんと話はなさないと伝つたえられないこともあるので、一いち人にん一いち人にんの声こえを聴きいてほしいと思おもいます」と話はなしていました。

そのうえで「学校がっこうや幼稚園ようちえん、保育園ほいくえんに戻もどった時ときも周まわりの人ひとに理解りかいしてもらえていれば、当事者とうじしゃの子こどもが生活せいかつしやすくなるのではないかと思おもいます」と話はなし、調査ちょうさをきっかけに社会しゃかいの理解りかいが広ひろまることへの期待きたいを示しめしました。