日銀にちぎん きょうから金融きんゆう政策せいさく決定けってい会合かいごう マイナス金利きんり政策せいさく解除かいじょ検討けんとうへ

消費しょうひ者しゃ物価ぶっか指数しすうの上昇じょうしょうが続つづく中なか、日銀にちぎんは今いまの大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわ策さくを転換てんかんする条件じょうけんとして、賃金ちんぎんと物価ぶっかの好こう循環じゅんかんの実現じつげんを挙あげていて、ことしの春闘しゅんとうの動向どうこうを重視じゅうしする姿勢しせいを示しめしてきました。

こうした中なか、先週せんしゅう公表こうひょうされた連合れんごうの集計しゅうけいでは、平均へいきんの賃上ちんあげ率りつが5.28％と、33年ねんぶりの高たかい水準すいじゅんとなり、日銀にちぎん内ないでは想定そうてい以上いじょうの数字すうじだとして政策せいさくを転換てんかんする環境かんきょうが整ととのいつつあるという見方みかたが強つよまっています。

金融きんゆう政策せいさく決定けってい会合かいごう初日しょにちの18日にちは、春闘しゅんとうのデータなどを踏ふまえ、国内外こくないがいの経済けいざいや賃金ちんぎんと物価ぶっかの情勢じょうせいについて9人にんの政策せいさく委員いいんが意見いけんを交かわします。

続つづく20日にちの会合かいごうでは2％の物価ぶっか安定あんてい目標もくひょうの実現じつげんが見通みとおせるかを見極みきわめたうえで、大だい規模きぼな金融きんゆう緩和かんわ策さくの柱はしらとなってきたマイナス金利きんり政策せいさくの解除かいじょや、短期たんき金利きんりに加くわえて長期ちょうき金利きんりも抑え込おさえこむ「イールドカーブ・コントロール」という枠組わくぐみの変更へんこうなどについて検討けんとうします。

マイナス金利きんりを解除かいじょして金利きんりを引き上ひきあげれば17年ねんぶりで、経済けいざいや金融きんゆう市場しじょうへの影響えいきょうも予想よそうされることから、日銀にちぎんの判断はんだんが焦点しょうてんとなります。

遊園ゆうえん地ちでは値上ねあげと賃上ちんあげ

日銀にちぎんは賃金ちんぎんと物価ぶっかがともに上あがる経済けいざいを目指めざしています。

山梨やまなし県けんにある遊園ゆうえん地ちの運営うんえい会社かいしゃは、光熱こうねつ費ひなどが上昇じょうしょうするなか、アトラクションに乗のり放題ほうだいの「フリーパス」チケットについて最もっとも混雑こんざつする時期じきの価格かかくを去年きょねんの6800円えんからことしは7800円えんに「年間ねんかんフリーパス」は1万まん9200円えんから2万まん1300円えんへと値上ねあげしました。

新あらたなアトラクションの導入どうにゅうやコロナ禍かからの回復かいふくといった要因よういんもあるものの、入場にゅうじょう者しゃの数かずは安定あんていしているということです。

会社かいしゃでは200人にんほどいる従業じゅうぎょう員いんについて去年きょねん、大卒だいそつの総合そうごう職しょくの初任しょにん給きゅうを1万まん5000円えんほど、100人にんを超こえるアルバイトの時給じきゅうを50円えんから100円えん、それぞれ引き上ひきあげました。

ことしもスキルや評価ひょうかに応おうじた形かたちでの賃上ちんあげを行おこなう予定よていで、従業じゅうぎょう員いん全体ぜんたいで見みた場合ばあいの賃上ちんあげ率りつは5％ほどになる見込みこみだということです。

富士急ふじきゅうハイランドの松村まつむら武明たけあき社長しゃちょうは「賃金ちんぎんを上あげたり、待遇たいぐうを改善かいぜんしたりすることでサービスや安全あんぜんを強化きょうかして、お客様おきゃくさまにより楽たのしい思い出おもいでを持もって帰かえっていただけるように頑張がんばりたい」と話はなしていました。

商店しょうてん街がいでは消費しょうひの弱よわさも

課題かだいは消費しょうひの動向どうこうです。

去年きょねん10月つきから12月つきまでのGDP＝国内こくない総そう生産せいさんの改定かいてい値ちで「個人こじん消費しょうひ」の伸のび率りつはマイナス0.3％となりました。

日銀にちぎんの植田うえだ総裁そうさいは、今月こんげつ、国会こっかいで「食料しょくりょう品ひんや日にち用品ようひんなどに弱よわめの動うごきがうかがわれる。しかし、今後こんごの賃金ちんぎん上昇じょうしょうの期待きたいもあって緩ゆるやかに改善かいぜんしている」と述のべています。

東京とうきょう 北きた区くの商店しょうてん街がいでは、物価ぶっかの上昇じょうしょうが消費しょうひに影響えいきょうしているという声こえも聞きかれました。

青果せいか店てんではにんにくやタマネギなどが大おおきく値上ねあがりし、鮮魚せんぎょ店てんでは、この5年ねんから10年ねんほどで「さわら」や「ぶり」「いか」などが2倍ばいほどになったということです。

鮮魚せんぎょ店てんの店長てんちょうの50代だいの男性だんせいは「景気けいきが良よくなった感かんじはなく、きょうの食卓しょくたく分ぶんだけ買かう人ひとが多おおくなりました。賃上ちんあげを幅広はばひろい人ひとが実感じっかんできるのはまだ先さきではないでしょうか」と話はなしていました。

衣料いりょう品ひん店てんでも綿めんやポリエステルの価格かかくの上昇じょうしょうを受うけ、この1年ねんで靴下くつしたやパジャマなど50点てんを値上ねあげしました。

この店みせで働はたらく60代だいの女性じょせいは「以前いぜんは友達ともだち用ようの服ふくも買かう人ひとがいましたが、今いまは自分じぶんのものだけで、1度どに買かう品数しなかずが減へっていると感かんじます」と話はなしていました。

商店しょうてん街がいの買い物かいもの客きゃくも「安やすいものを探さがして必要ひつようなだけ買かうようにしています」とか「賃金ちんぎんの上昇じょうしょうよりも物価ぶっか高だかの影響えいきょうの方ほうが大おおきく、経済けいざいが良よくなっているとは感かんじません」などと話はなしていました。