日本新聞: 高校野球センバツ開幕谷村新司さんを追悼「今ありて」の作曲

ことし開場かいじょうから100周年しゅうねんを迎むかえる甲子園こうしえん球場きゅうじょうでセンバツ高校こうこう野球やきゅうが18日にち、開幕かいまくし、開会かいかい式しきで、出場しゅつじょう32校こうの選手せんしゅたちが力強ちからづよく行進こうしんしました。

記事きじ後半こうはんでは青森あおもり山田やまだ高校こうこうのキャプテン、橋場はしば公こう祐ゆう選手せんしゅが務つとめた選手せんしゅ宣誓せんせいの全文ぜんぶんもお伝おつたえしています。

センバツ開会かいかい式しき 32校こうが入場にゅうじょう行進こうしん

センバツは、ことしで96回かい目めを迎むかえ、18日にちは午前ごぜん9時じから開会かいかい式しきが行おこなわれました。

式しきでは、ことしの入場にゅうじょう行進曲こうしんきょくに決きまった、あいみょんさんの「愛あいの花はな」の演奏えんそうに合あわせて、去年きょねんの優勝ゆうしょう校こうで、史上しじょう4校こう目めの大会たいかい連覇れんぱを目指めざす山梨やまなし学院がくいんを先頭せんとうに出場しゅつじょう32校こうの選手せんしゅたちが南みなみから北きたの順じゅんに力強ちからづよく行進こうしんしました。

能登のと半島はんとう地震じしんで被災ひさいした石川いしかわ県けんから出場しゅつじょうする日本にっぽん航空こうくう高校こうこう石川いしかわと星稜せいりょう高校こうこうの選手せんしゅたちも甲子園こうしえんの土どを力強ちからづよく踏ふみしめ、スタンドからひときわ大おおきな拍手はくしゅが送おくられました。

続つづいて、選手せんしゅたちが外野がいやに整列せいれつしたあと地震じしんで犠牲ぎせいになった人ひとたちに黙もくとうがささげられました。

そして、青森あおもり山田やまだ高校こうこうのキャプテン、橋場はしば公こう祐ゆう選手せんしゅが「私わたしたちにできることは目めの前まえの白球はっきゅうをがむしゃらに追おいかけ続つづけること、そして、全力ぜんりょくで野球やきゅうを楽たのしむことです。センバツを次つぎの100年ねんに向むけた新あらたな一いち歩ほとするべく、全身ぜんしん全霊ぜんれいをかけて戦たたかい抜ぬくことを誓ちかいます」と力強ちからづよく選手せんしゅ宣誓せんせいしました。

大会たいかいは、2日にちの休養きゅうよう日びを含ふくめて、13日間にちかんの日程にっていで開ひらかれ、順調じゅんちょうに進すすめば決勝けっしょうは今月こんげつ30日にちに行おこなわれます。

【選手せんしゅ宣誓せんせい全文ぜんぶん】青森あおもり山田やまだ橋場はしば公こう祐ゆう主将しゅしょう

青森あおもり山田やまだのキャプテン、橋場はしば公こう祐ゆう選手せんしゅが務つとめた選手せんしゅ宣誓せんせいの全文ぜんぶんです。

今いまありて、未来みらいも扉とびらを開ひらく。

今いまありて、時代じだいも連つらなり始はじめる。

1924年ねん、第だい1回かい全国ぜんこく選抜せんばつ中等ちゅうとう学校がっこう野球やきゅう大会たいかいとして、春はるのセンバツ大会たいかいが開催かいさいされました。あの日ひから100年ねん。われわれ高校こうこう球児きゅうじの甲子園こうしえん大会たいかいに対にたいする夢ゆめや憧あこがれは、長年ながねんの時ときを超こえても変かわることなく、今いまもなお、夢ゆめ舞台ぶたいであり続つづけています。

夢ゆめにまで見みたここ甲子園こうしえん球場きゅうじょうに立たち、これまでの先輩せんぱい方かたが築き上きずきあげられた歴史れきしと伝統でんとうの重おもさを身みにしみて感かんじています。同時どうじに、私わたしたちは唯一ゆいいつ無二むにの仲間なかまとともに大好だいすきな野球やきゅうに打ち込うちこめる今いまに、喜よろこびをかみしめています。

ことしの元日がんじつに、能登のと半島はんとう沖おきで大おおきな地震じしんが発生はっせいしました。家族かぞく団だんらんを過すごしている中なかでの激はげしい揺ゆれに私わたしたちは恐怖きょうふと深ふかい悲かなしみに襲おそわれました。被災ひさい地ちでは現在げんざいも苦くるしみと困難こんなんの多おおい生活せいかつを余儀よぎなくされています。

私わたしたちにできることは目めの前まえの白球はっきゅうをがむしゃらに追おい続つづけること、そして、全力ぜんりょくで野球やきゅうを楽たのしむことです。

きょうから始はじまるセンバツ大会たいかいを次つぎの100年ねんへ向むけた新あらたな一いち歩ほとするべく、全身ぜんしん全霊ぜんれいをかけて戦たたかい抜ぬくことを誓ちかいます。

きょうまでの100年ねん、きょうからの100年ねん。

谷村たにむら新司しんじさんを追悼ついとう「今いまありて」の作曲さっきょく

開会かいかい式しきの前まえには、センバツ高校こうこう野球やきゅうの大会たいかい歌か「今いまありて」の作曲さっきょくを手てがけ、去年きょねん10月つきに亡なくなった谷村たにむら新司しんじさんを追悼ついとうしようと、甲子園こうしえん球場きゅうじょうで歌うたう谷村たにむらさんの映像えいぞうが大型おおがたビジョンに流ながされました。

1993年ねんに発表はっぴょうされたセンバツ高校こうこう野球やきゅうの大会たいかい歌か「今いまありて」は作詞さくしした阿久あく悠ゆうさんの要望ようぼうで谷村たにむらさんが作曲さっきょくを手てがけました。

「ああ、甲子園こうしえん」という印象いんしょう的てきなフレーズは、谷村たにむらさんが歌詞かしに入いれることを望のぞんだということで、春はるの訪おとずれを感かんじさせる曲きょくとして、長年ながねん、高校こうこう球児きゅうじや高校こうこう野球やきゅうファンに親したしまれています。

谷村たにむらさんは2008年ねんの開会かいかい式しきで地元じもとの高校こうこうの生徒せいとや卒業そつぎょう生せいとともに甲子園こうしえんに歌声うたごえを響ひびかせていて、18日にちはこの時ときの映像えいぞうがおよそ4分ふん、放送ほうそうされました。2018年ねんには「今いまありて」が開会かいかい式しきの入場にゅうじょう行進曲こうしんきょくに選えらばれました。

《開会かいかい式しき後ご選手せんしゅなど談話だんわ》

選手せんしゅ宣誓せんせい青森あおもり山田やまだ橋場はしば公こう祐ゆう主将しゅしょう「最後さいごまで言いえて良よかった」

選手せんしゅ宣誓せんせいを務つとめた青森あおもり山田やまだ高校こうこうのキャプテン、橋場はしば公こう祐ゆう選手せんしゅは「宣誓せんせいをすることが決きまってから、毎日まいにち夕食ゆうしょく後ごに3回かい、練習れんしゅうしていました。めったにあることではないので誇ほこりに思おもいますし、すごく達成たっせい感かんがあってやってよかったなと思おもいます。お客おきゃくさんがたくさんいて、頭あたまが真っ白まっしろになるのではないかと思おもったけど、最後さいごまで言いえて良よかった」と話はなしていました。
また、去年きょねん10月つきに亡なくなった谷村たにむら新司しんじさんが作曲さっきょくを手てがけたセンバツ高校こうこう野球やきゅうの大会たいかい歌か「今いまありて」の歌詞かしを宣誓せんせいのはじまりに入いれた理由りゆうについては「谷村たにむらさんの思おもいや、甲子園こうしえんの歴史れきしが曲きょくに込こめられてると思おもうので使つかわせてもらいました」と話はなしました。そのうえで「高校生こうこうせいらしい全力ぜんりょくプレーが大事だいじだと思おもうのでグラウンドで全力ぜんりょくで戦たたかっている姿すがたを見みせたい」と決意けついを語かたりました。

日本にっぽん航空こうくう石川いしかわ寳たから田た一いち慧とし主将しゅしょう「被災ひさい地ちの人ひとたちに何なにかを届とどけたい」

開会かいかい式しきを終おえた日本にっぽん航空こうくう高校こうこう石川いしかわのキャプテンの寳たから田た一いち慧とし選手せんしゅは「やっとこの日ひが来きたなと実感じっかんしています。入場にゅうじょうしながら大おおきな拍手はくしゅが聞きこえ、支ささえてくれたたくさんの人ひとたちの思おもいが浮かび上うかびあがりました」と振り返ふりかえりました。そして「感謝かんしゃの気持きもちを持もって自分じぶんたちの野球やきゅうをし、被災ひさい地ちの人ひとたちに何なにかを届とどけたい」と意気込いきごんでいました。

連覇れんぱ目指めざす山梨やまなし学院がくいん中原なかはら義虎よしとら主将しゅしょう「一いち戦せん一いち戦せん全力ぜんりょくで」

去年きょねんのセンバツで山梨やまなし県けん勢ぜいとして初はつ優勝ゆうしょうし、史上しじょう4校こう目めの大会たいかい連覇れんぱを目指めざす山梨やまなし学院がくいんのキャプテン、中原なかはら義虎よしとら選手せんしゅは開会かいかい式しきを終おえ「選手せんしゅ宣誓せんせいを目めの前まえで聞きき、いよいよ始はじまるんだと感かんじました。自分じぶんたちはチャレンジャーだという気持きもちを持もって、一いち戦せん一いち戦せん全力ぜんりょくで臨のぞみます」と意気込いきごみを語かたりました。