Japanese News: 福井 38年前の女子中学生殺害事件再審開始へ

38年ねん前まえ、福井ふくい市しで女子じょし中学生ちゅうがくせいが殺害さつがいされた事件じけんで、殺人さつじんの罪つみで服役ふくえきした59歳さいの男性だんせいの再審さいしん＝裁判さいばんのやり直やりなおしを認みとめた名古屋なごや高等こうとう裁判所さいばんしょ金沢かなざわ支部しぶの決定けっていについて、検察けんさつは異議いぎ申し立もうしたてをしないことを明あきらかにしました。これにより、男性だんせいが最初さいしょに再審さいしんを求もとめてから20年ねんを経へて、やり直やりなおしの裁判さいばんが開ひらかれることになりました。

1986年ねんに中学ちゅうがく3年ねんの女子じょし生徒せいとが福井ふくい市しの自宅じたくで殺害さつがいされた事件じけんで殺人さつじんの罪つみで懲役ちょうえき7年ねんの判決はんけつが確定かくていして服役ふくえきした前川まえかわ彰あきら司つかささん（59）について、名古屋なごや高裁こうさい金沢かなざわ支部しぶは今月こんげつ23日にち、再審さいしんを認みとめる決定けっていを出だしました。

決定けっていでは、有罪ゆうざいの決め手きめてとされた目撃もくげき証言しょうげんについて、新あらたに検察けんさつから開示かいじされた証拠しょうこなどをふまえ、「捜査そうさ機関きかんが関係かんけい者しゃに誘導ゆうどうなどの不当ふとうな働はたらきかけを行おこなって証言しょうげんが形成けいせいされた疑うたがいが払拭ふっしょく（ふっしょく）できず、信用しんようできない」などと判断はんだんしました。

この決定けっていについて検察けんさつは28日にち、異議いぎ申し立もうしたてをしないことを明あきらかにしました。

判断はんだんの理由りゆうについて名古屋なごや高等こうとう検察庁けんさつちょうの畑中はたなか良彦よしひこ次席じせき検事けんじは「決定けってい書しょの内容ないようを子細しさいに検討けんとうし、証拠しょうこ関係かんけいを総合そうごう的てきに考慮こうりょした結果けっか、異議いぎ申し立もうしたてはしないと判断はんだんした。今後こんごの手続てつづきは再審さいしん公判こうはんで行おこなうことになり、適切てきせつに対応たいおうしたい」などと説明せつめいしました。

前川まえかわさんは逮捕たいほから一貫いっかんして無実むじつを訴うったえ続つづけ、最初さいしょに再審さいしんを求もとめてから20年ねんを経へて、やり直やりなおしの裁判さいばんが開ひらかれることになりました。

この事件じけんでは、もとの裁判さいばんで1審しんが無罪むざい、2審しんが有罪ゆうざいと判断はんだんが変かわり、再審さいしん請求せいきゅうの審理しんりでも、13年ねん前まえに出だされた再審さいしんを認みとめる決定けっていが検察けんさつの異議いぎ申し立もうしたてを受うけて取り消とりけされる異例いれいの展開てんかいをたどっていました。

前川まえかわさん会見かいけん「無罪むざいを勝ち取かちとるまで浮うかれずにいたい」

前川まえかわさんは検察けんさつの対応たいおうを受うけて会見かいけんを行おこなうため、28日にち午後ごご4時じごろから弁護べんご団だんとともに福井ふくい弁護士べんごし会かいの会議かいぎ室しつにいました。

そして、午後ごご4時半じはんすぎに検察けんさつが異議いぎ申し立もうしたてをせず、やり直やりなおしの裁判さいばんが開ひらかれることになったことを伝つたえられると、笑顔えがおを浮うかべ、弁護べんご団だんと握手あくしゅしたり抱き合だきあったりしていました。

前川まえかわさんは「安あんどしました。すべての人ひとに感謝かんしゃしたい。あくまで再審さいしん開始かいしではなく、無罪むざいの確定かくていを目指めざしてやってきた。無罪むざいを勝ち取かちとるまでは浮うかれずにいたい」と話はなしていました。

弁護べんご団長だんちょう「断念だんねんは本来ほんらいあるべき判断はんだん」

弁護べんご団長だんちょうの吉村よしむら悟さとる弁護士べんごしは「異議いぎ申し立もうしたての断念だんねんは本来ほんらいあるべき判断はんだんだ。前川まえかわさんが一貫いっかんして無実むじつを訴うったえてきたのに、捜査そうさ機関きかんが関係かんけい者しゃのうその証言しょうげんや証言しょうげんの変遷へんせんを正確せいかくに見抜みぬけなかったと、裁判所さいばんしょの再審さいしん開始かいし決定けっていは叱しかっている。検察けんさつが異議いぎ申し立もうしたてをしないと判断はんだんしたということは、検察官けんさつかんも関係かんけい者しゃのうその証言しょうげんなどを見抜みぬけなかったことを、事実じじつ上じょう認みとめたのだと思おもう」と話はなしていました。