日本新聞: ウクライナ“反転攻勢は順調” ロシアは空爆で地上部隊支援か

ウクライナ“反転はんてん攻勢こうせいは順調じゅんちょう” ロシアは空爆くうばくで地上ちじょう部隊ぶたい支援しえんか

Jun 15, 2023 07:06

Furigana

ロシアからの領土りょうど奪還だっかんを目指めざすウクライナは東部とうぶや南部なんぶで部分ぶぶん的てきな成功せいこうを収おさめているとして反転はんてん攻勢こうせいが順調じゅんちょうに進すすんでいると強調きょうちょうする一方いっぽう、ロシア軍ぐんは空爆くうばくで地上ちじょう部隊ぶたいへの支援しえんを強化きょうかしているとの指摘してきもあり、戦闘せんとうが激はげしくなっているとみられます。

ウクライナ国防省こくぼうしょうのマリャル次官じかんは14日にちに、SNSで、軍ぐんの部隊ぶたいがウクライナ東部とうぶドネツク州しゅうのバフムト方面ほうめんで200メートルから500メートル、南部なんぶザポリージャ州しゅう方面ほうめんで300メートルから500メートル前進ぜんしんしたとして「部分ぶぶん的てきな成功せいこうを収おさめている」と強調きょうちょうしました。

これに対にたいしてロシア国防省こくぼうしょうは14日にち、ドネツク州しゅうやザポリージャ州しゅうなどでウクライナ軍ぐんを撃退げきたいし、兵士へいし1000人にん以上いじょうを殺害さつがいしたと主張しゅちょうしました。

イギリス国防省こくぼうしょうは14日にち、過去かこ2週間しゅうかん、ロシア軍ぐんの戦闘せんとう機きの出撃しゅつげき回数かいすうがウクライナ南部なんぶで増ふえているとしたうえで、反転はんてん攻勢こうせいを撃退げきたいするために空爆くうばくで地上ちじょう部隊ぶたいを支援しえんするのが目的もくてきだと指摘してきし、戦闘せんとうが激はげしくなっているものとみられます。

また、ロシアのプーチン大統領だいとうりょうは13日にちに行おこなわれたロシア軍ぐんに従軍じゅうぐんする記者きしゃを集あつめた会合かいごうで、ウクライナの反転はんてん攻勢こうせいは失敗しっぱいしていると主張しゅちょうしたうえで「われわれは状況じょうきょうに応おうじて措置そちをとる。あらゆる計画けいかくを立たてている」と述のべ、ウクライナ軍ぐんを撃退げきたいし侵攻しんこうを継続けいぞくしていく姿勢しせいを示しめしました。

また、ロシア国内こくないで無人むじん機きによる攻撃こうげきが相次あいついでいることについて「伝統でんとう的てきに防空ぼうくうシステムはミサイルや大型おおがたの戦闘せんとう機きを対象たいしょうに設定せっていされている。無人むじん機きを探知たんちするのは非常ひじょうに難むずかしい」と述のべ、防空ぼうくうシステムが無人むじん機きに対応たいおうしきれていないと認みとめたうえで対策たいさくを強化きょうかする考かんがえを示しめしました。

ウクライナ前線ぜんせんで戦たたかうアゾフ旅団りょだんの兵士へいし「大おおきな転換てんかん点てんだ」

ウクライナの前線ぜんせんで戦たたかっている「アゾフ旅団りょだん」の下士官かしかんの1人にんで兵士へいしの訓練くんれんなどを行おこなっているアナトリー・イエホロフさん（31歳さい）は、ウクライナ軍ぐんによる大だい規模きぼな反転はんてん攻勢こうせいが始はじまったことについて「われわれはこのために準備じゅんびしてきたし、この戦たたかいが大おおきな転換てんかん点てんになると考かんがえている。ウクライナにとってこの100年ねんで最もっとも重要じゅうような戦たたかいだ」と述のべ、兵士へいしの士気しきは高たかいと強調きょうちょうしました。

また、旅団りょだんがいる前線ぜんせんの戦況せんきょうについて具体ぐたい的てきな場所ばしょは明あきらかにしなかったものの「いまはまだ主おもに偵察ていさつ部隊ぶたいによる前哨ぜんしょう戦せんという段階だんかいだが、これからより大おおきな戦たたかいが始はじまることになる」との見方みかたを示しめしました。そのうえで「攻撃こうげき側がわは防御ぼうぎょ側がわの3倍ばいの戦力せんりょくが必要ひつようになる」と述のべ、欧米おうべい諸国しょこくなどに対にたいし、より多おおくの戦車せんしゃや装甲車そうこうしゃを供与きょうよしてほしいと訴うったえました。

イエホロフさんは去年きょねん5月つきにマリウポリが陥落かんらくした際さいにロシア軍ぐんの捕虜ほりょとなり4か月かげつ後ごに捕虜ほりょ交換こうかんで解放かいほうされましたが、ロシアに捕とらえられている仲間なかまはいまもおよそ600人にんいるということで「1年ねん以上いじょうも厳きびしい状況じょうきょうに置おかれている仲間なかまがいる。すべてのウクライナ人じんの自由じゆうのためにわれわれは戦たたかい続つづける」と話はなしていました。

「アゾフ旅団りょだん」はロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこう当初とうしょ、東部とうぶの要衝ようしょうマリウポリなどの防衛ぼうえいに関かかわった準じゅん軍事ぐんじ組織そしき「アゾフ大隊だいたい」が元もとになっていて、兵力へいりょくは7000人にん規模きぼで、内務省ないむしょう傘下さんかの部隊ぶたいとして前線ぜんせんで戦たたかっています。