日本新聞: 福島第一原発処理水放出設備建設工事完了で公開東京電力

福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつ処理しょり水すい放出ほうしゅつ設備せつび建設けんせつ工事こうじ完了かんりょうで公開こうかい東京とうきょう電力でんりょく

Jun 26, 2023 18:06

Furigana

福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょにたまる処理しょり水すいを薄うすめて海うみに放出ほうしゅつする計画けいかくをめぐり、東京とうきょう電力でんりょくは26日にち、建設けんせつ工事こうじが完了かんりょうした放出ほうしゅつのための設備せつびを報道ほうどう陣じんに公開こうかいしました。

政府せいふは、福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつにたまるトリチウムなどの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを含ふくむ処理しょり水すいについて、基準きじゅんを下回したまわる濃度のうどに薄うすめてことし夏なつごろまでに海うみへの放出ほうしゅつを始はじめる計画けいかくで、東京とうきょう電力でんりょくが去年きょねん8月つきから放出ほうしゅつのための設備せつびの建設けんせつ工事こうじを行おこなっていました。

一連いちれんの工事こうじが26日にち、完了かんりょうし、東京とうきょう電力でんりょくは報道陣ほうどうじんに設備せつびを公開こうかいしました。

このうち、5号機ごうきと6号機ごうきの前まえに設置せっちされた直径ちょっけいおよそ2メートル、長ながさおよそ7メートルの巨大きょだいな配管はいかんは、処理しょり水すいを大量たいりょうの海水かいすいと混ぜ合まぜあわせる装置そうちで海水かいすいを送おくる配管はいかんの直径ちょっけいは処理しょり水すいの配管はいかんの9倍ばいの大おおきさがあります。

また、何なんらかのトラブルが発生はっせいした場合ばあいに処理しょり水すいの放出ほうしゅつを停止ていしする「緊急きんきゅう遮断しゃだん弁べん」という装置そうちは、定さだめられた量りょうの処理しょり水すいや海水かいすいが流ながれなかった場合ばあいや、水中すいちゅうの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつの量りょうに異常いじょうを検知けんちした際さいに、自動じどう的てきに水みずの流ながれを止とめる仕組しくみです。

東京とうきょう電力でんりょくは現在げんざい、設備せつびのシミュレーターを使つかった操作そうさ員いんの訓練くんれんを行おこなっていて、安全あんぜんな運用うんように努つとめるとしています。

政府せいふ処理しょり水すい放出ほうしゅつ「廃はい炉ろにあたって避さけて通とおれない課題かだい」

処理しょり水すいを薄うすめて海うみに流ながす計画けいかくについて、政府せいふは「福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの廃はい炉ろを進すすめるにあたって避さけて通とおれない課題かだいだ」として地元じもとをはじめ、広ひろく国内外こくないがいに理解りかいを求もとめています。

福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつでは、事故じこで溶とけ落おちた核かく燃料ねんりょうデブリを冷却れいきゃくしている水みずや原子げんし炉ろ建屋たきのやへ流れ込ながれこむ雨水あまみずや地下ちか水すいなどが高たかい濃度のうどで放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを含ふくむ汚染おせん水すいとなり、ここから放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつの大半たいはんを取り除とりのぞいたあとに残のこるトリチウムなどを含ふくむ処理しょり水すいが増ふえ続つづけています。

敷地しきち内ないの1000基き余あまりのタンクで保管ほかんしていますが、その量りょうは、今月こんげつ15日にち時点じてんで容量ようりょうの98％にあたるおよそ134万まんトンに達たっしています。

政府せいふはおととし、東京とうきょう電力でんりょくが翌年よくねんの夏なつごろにはタンクが満杯まんぱいになる見通みとおしを示しめしていたことを踏ふまえ、基準きじゅんを大おおきく下回したまわる濃度のうどに薄うすめて海うみに放出ほうしゅつする方針ほうしんを決定けっていしました。その後そのご、汚染おせん水すいの発生はっせい量りょうを抑おさえる対策たいさくが進すすんだことや、降水こうすい量りょうが見込みこみを下回したまわったことなどから、現在げんざいは、タンクが満杯まんぱいになる時期じきは、来年らいねん2月つきから6月つきごろと見直みなおされています。