昔、和歌山の小倉村に、たいそう偉いお坊さんと小僧さんが住んでいました
從前,在和歌山的小倉村住著一位非常偉大的和尚和一位小和尚。
お坊さんと
小僧さんは、
修行をしたり
田んぼを
耕したりして
過ごしていました
ちょうど田植えが
終わった
頃、
田んぼのカエルたちの
大合唱がはじまりました
和尚さんたちが
住む
庵(いおり)は、
田んぼに
囲まれた
場所に
あるので、
それは
もう大変な
騒音でした
(和尚們住的庵(いおり)因為被稻田包圍,所以噪音非常大。)
当初は、
和尚さんも「
鳴くのもカエルの
仕事だから」と
我慢していましたが、
今年は
鳴き
声の
規模が
大きすぎました
起初,和尚也忍耐著,認為「鳴叫也是青蛙的工作」,但今年的鳴叫聲規模太大了。
ある晩、
和尚さんは
田んぼにいるカエルたちに「もう
少し
静かにしてもらえるか?」と、
相談しました
有一天晚上,和尚向田裡的青蛙們商量說:「能不能稍微安靜一點?」
するとカエルたちは「
自分たちも
人間のように
二本足で
歩けるようにしてくれたら、
鳴くのをやめても
良い」と、
和尚さんに
言いました
然後青蛙們對和尚說:「如果能讓我們像人類一樣用兩條腿走路的話,我們就不再叫了。」
和尚さんは
少々
考えましたが、
念力パワーを
使ってカエルたちの
望む
通りにしてあげました
二本足で
歩けるようになったカエルたちは、
大喜びして「
これからは
鳴かない」と
約束しました
能用兩條腿走路的青蛙們非常高興,並承諾「從今以後不再叫了」。
ところが、
二本足で
立ち
上がったカエルの
目は、
ちょうど真後ろをみる
格好になってしまい、まともに
前に
歩くことができなくなりました
然而,站立在兩條腿上的青蛙的眼睛正好變成了看向正後方的樣子,無法正常向前走。
とても不自由になったカエルたちは「
やっぱり元の
格好に
戻してほしい」と
和尚さんにお
願いしました
變得非常不方便的青蛙們請求和尚「果然還是希望能恢復原來的樣子」
和尚さんの
念力で、
無事カエルたちは
元に
格好に
戻りましたが、
和尚さんとの
約束は
残ってしまいました
(在和尚的念力下,平安無事的青蛙們恢復了原來的模樣,但與和尚的約定仍然存在。)
こうして小倉のカエルは
鳴きたい
時に、キュッとも
鳴く
事ができなくなりました
(於是小倉的青蛙在想叫的時候,也無法發出叫聲了。)
このことから、
和歌山の
小倉あたりでは、
肝心な
時に
何も
言えない
人の
事を「あいつは
小倉のかわずだ」と
言うようになった
そうです
從這件事來看,在和歌山的小倉附近,關鍵時刻什麼也說不出來的人被稱為「那傢伙是小倉的青蛙」。