妊娠にんしん中ちゅうに新型しんがたコロナ感染かんせん 都内とないで200人にん超ちょう 妊婦にんぷ健けん診みに影響えいきょうも

女性じょせいは子宮しきゅう外がい妊娠にんしんのおそれがあるとされていましたが、ただ時間じかんが過すぎるのを待まつしかなかったと言いいます。

東京とうきょう都内とないに住すむ38歳さいの女性じょせいは不妊ふにん治療ちりょうで産婦人科さんふじんかのクリニックに通院つういんしていた先月せんげつ21日にちに妊娠にんしんしていることが分わかりました。

しかし、超ちょう音波おんぱ検査けんさの結果けっか「子宮しきゅう外がい妊娠にんしんのおそれもあり経過けいかを観察かんさつする必要ひつようがある」と医師いしから言いわれ、1週間しゅうかん後ごに再度さいど、妊婦にんぷ健けん診みを受うけることになりました。

「子宮しきゅう外がい妊娠にんしん」は子宮しきゅう以外いがいの部分ぶぶんに受精卵じゅせいらんが着き床ゆかする病気びょうきで、おなかの中なかで大量たいりょう出血しゅっけつが起おきるおそれがあり、最悪さいあくの場合ばあい、妊婦にんぷの命いのちにかかわるリスクもあります。

ところが、妊娠にんしんが分わかったその日ひ、女性じょせいの夫おっとは発熱はつねつの症状しょうじょうがあったためPCR検査けんさを受うけ、翌日よくじつ、陽性ようせいと判明はんめいしました。

女性じょせいもその後そのご、PCR検査けんさを受うけたところ陰性いんせいでしたが、保健所ほけんじょから濃厚のうこう接触せっしょく者しゃとして2週間しゅうかん、自宅じたく待機たいきするよう求もとめられました。

女性じょせいは妊婦にんぷ健けん診みを受うけられないかと保健所ほけんじょや通かよっていたクリニックに相談そうだんしましたが、自宅じたく待機たいきの期間きかんが終おわるまでは延期えんきするように言いわれました。

女性じょせいはほかにも複数ふくすうの医療いりょう機関きかんに電話でんわをかけて相談そうだんしましたが、濃厚のうこう接触せっしょく者しゃの妊婦にんぷを診察しんさつしてもらえる病院びょういんは見みつからなかったということです。

保健所ほけんじょや医療いりょう機関きかんからは万が一まんがいち、子宮しきゅう外がい妊娠にんしんによる腹痛はらいたが起おきた場合ばあいには救急きゅうきゅう車しゃを呼よぶよう指示しじされていたということです。

女性じょせいは2週間しゅうかんの自宅じたく待機たいきを終おえて診察しんさつを受うけ、子宮しきゅう外がい妊娠にんしんではないことが分わかりましたが、この2週間しゅうかんの間ま、とても不安ふあんな気持きもちで過すごしていたといいます。

女性じょせいは「自宅じたくで毎日まいにち泣なきながらただ時間じかんが過すぎるのを待まつことしかできませんでした。妊娠にんしんの経過けいかが順調じゅんちょうなのか分わからない中なかで、救急きゅうきゅう車しゃを呼よぶような事態じたいになるまで待まてと言いわれていることが苦くるしかったです。ほかの人ひとには同おなじような不安ふあんを持もってほしくないですし、コロナ禍かでも妊婦にんぷが安心あんしんして穏おだやかな気持きもちで過すごせるようになってほしいです」と話はなしていました。

その1つが北海道ほっかいどう大学だいがく病院びょういんです。

産科さんかの馬うま詰つめ武ぶ医師いしによりますと札幌さっぽろ市内しないでも家族かぞくが感染かんせんしたために妊婦にんぷ自身じしんも感染かんせんしたり、濃厚のうこう接触せっしょく者しゃとなったりするケースが相次あいつぎ、予定よていしていた妊婦にんぷ健けん診みを延期えんきすることも少すくなくないということです。

そこで、病院びょういんでは妊婦にんぷが自宅じたくで胎児たいじの心拍しんぱく数すうを測定そくていしてオンラインで医師いしの問診もんしんを受うけられるシステムを試験しけん的てきに活用かつようしてきました。

しかし、準備じゅんびに手間てまがかかるため、感染かんせん者しゃが増加ぞうかして入院にゅういん患者かんじゃの対応たいおうに追おわれている現在げんざいは利用りようが減へっているということです。

こうした中なか、病院びょういんが今いま進すすめている取り組とりくみは命いのちにかかわる“万が一まんがいち”の事態じたいへの備そなえです。

妊婦にんぷは出血しゅっけつや腹痛はらいたなどさまざまな理由りゆうから救急きゅうきゅう搬送はんそうが必要ひつようとなるリスクがありますが、新型しんがたコロナウイルスに感染かんせんしていたり濃厚のうこう接触せっしょく者しゃだったりした場合ばあいは、搬送はんそう先さきが決きまるまで時間じかんがかかるおそれがあります。

特とくに濃厚のうこう接触せっしょく者しゃだった場合ばあいは、感染かんせん者しゃ専用せんようの病棟びょうとうにも一般いっぱんの病棟びょうとうにも受け入うけいれてもらえず、病床びょうしょうの確保かくほが困難こんなんなケースもあるということです。

そこで命いのちにかかわるリスクのある子宮しきゅう外がい妊娠にんしんの患者かんじゃについて、スムーズに受け入うけいれるよう周辺しゅうへんの産科さんか・婦人ふじん科かの医療いりょう機関きかんと事前じぜん想定そうていを進すすめています。

今月こんげつ、オンラインで行おこなわれた話し合はなしあいには札幌さっぽろ市内しない11の医療いりょう機関きかんが参加さんかし感染かんせん者しゃと濃厚のうこう接触せっしょく者しゃのそれぞれを想定そうていして、今いまの状況じょうきょうならどの医療いりょう機関きかんで受け入うけいれられるかを確認かくにんしていきました。

北海道ほっかいどう大学だいがく病院びょういんの馬うま詰つめ医師いしは「第だい4波はで妊婦にんぷへの影響えいきょうが増まし、どんどん感染かんせん状況じょうきょうも変かわってくる中なかで対応たいおう方法ほうほうを話し合はなしあいながら考かんがえています。妊婦にんぷさんの行き場いきばがなくなるような状況じょうきょうを防ふせぐためあらゆるケースを想定そうていしていち早いちはやく対応たいおうできるようにほかの医療いりょう機関きかんや行政ぎょうせいと今いままで以上いじょうに緊密きんみつに連携れんけいし体制たいせいを整ととのえていきたいです」と話はなしていました。