大だい相撲すもう夏場なつば所しょ 照あきらノ富士ふじが優勝ゆうしょう 貴き景勝けいしょうとの決定けってい戦せん制せいし2場所ばしょ連続れんぞく

千秋楽せんしゅうらくのきょうは、まず結むすび前まえに遠藤えんどうが大関おおぜき 正代しょうだいに敗やぶれて4敗はい目めを喫きっし、結むすびの一番いちばんでは照あきらノ富士ふじが貴き景勝けいしょうに敗やぶれ、12勝しょう3敗はいで大関おおぜき2人にんが並ならびました。

優勝ゆうしょう決定けってい戦せんでは、照あきらノ富士ふじが貴き景勝けいしょうにはたき込こみで勝かって、2場所ばしょ連続れんぞく4回かい目めの優勝ゆうしょうを果はたしました。

大関おおぜきに復帰ふっきした場所ばしょでの優勝ゆうしょうは昭和しょうわ以降いこうでは初はじめてで、2場所ばしょ連続れんぞくでの優勝ゆうしょうは平成へいせい30年ねんの春場所はるばしょと夏場なつば所しょを制せいした横綱よこづな 鶴つる竜りゅう以来いらいです。

大関おおぜき復帰ふっき1場所ばしょ目めの照あきらノ富士ふじは、今こん場所ばしょ、大おおきな体からだを生いかして相手あいてを組くみ止とめ前まえに出でる盤石ばんじゃくの相撲すもうで初日しょにちから10連勝れんしょうしましたが、11日にち目めに平幕ひらまくの妙義みょうぎ龍りゅうとの対戦たいせんでまげをつかんで引っ張ひっぱる反則はんそく負まけで、初はつ黒星くろぼしを喫きっしました。

翌よく12日にち目めは過去かこ1勝しょう4敗はいと合い口あいくちの悪わるい、平幕ひらまくの阿武あぶ咲さきとの対戦たいせんでしたが、前まえまわしをつかむ万全ばんぜんの相撲すもうで退しりぞけて連敗れんぱいせず、14日にち目めに遠藤えんどうに敗やぶれたものの最後さいごまで集中しゅうちゅう力りょくを保たもち続つづけ精神せいしん面めんも充実じゅうじつしていました。

白はく鵬ほうの休場きゅうじょうで横綱よこづな不在ふざいとなった今こん場所ばしょは、大関おおぜきに復帰ふっきした照あきらノ富士ふじが番付ばんづけどおりの力ちからを見みせつけました。

照あきらノ富士ふじは土俵どひょう下かで行おこなわれた優勝ゆうしょうインタビューで「うれしい。優勝ゆうしょう決定けってい戦せんになると、いつも負まけてきたので一生いっしょう懸命けんめい頑張がんばってよかった」と喜よろこびを語かたりました。

本ほん割わりで貴き景勝けいしょうに敗やぶれたあと、優勝ゆうしょう決定けってい戦せんに向むかう際さいの心境しんきょうについては「いつもどおり、やってきたことを信しんじて土俵どひょうに上あがった。それだけです」と話はなしていました。

また大関おおぜきとしての初はじめての優勝ゆうしょうについて「そんなに変かわった感覚かんかくはないがいつもよりうれしい感かんじはする」と率直そっちょくな心境しんきょうを話はなしました。

次つぎが「綱つなとり」の場所ばしょになることについては「横綱よこづなになりたいからと言いってなれるわけではないからこそ経験けいけんしてみたい。今いままでどおりやってもだめだと思おもうので、これまで以上いじょうに努力どりょくしていきたい」と力ちからを込こめました。

その一方いっぽうで「横綱よこづなになれたらいいが、なれなかったらなれなかったでいい」とも話はなし、いさぎよい言い回いいまわしに会場かいじょうからは笑い声わらいごえも聞きこえていました。

日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいの八角はっかく理事りじ長ちょうは、本ほん割わりで敗やぶれたものの優勝ゆうしょう決定けってい戦せんを制せいした照あきらノ富士ふじについて「相手あいての出足であしを止とめたところがよかった。足あしを送おくっていたし集中しゅうちゅう力りょくがあった。こんなに苦くるしむとは思おもわなかっただろう。大たいしたものだ」と高たかく評価ひょうかしました。

また、この1年ねん、たびたび優勝ゆうしょうを争あらそってきた照あきらノ富士ふじと貴き景勝けいしょうについて「この2人にんが今いま、引っ張ひっぱっている感かんじがする」としたうえで「2人にんともよくやりました」と横綱よこづな不在ふざいの場所ばしょで責任せきにんを果はたした二に大関おおぜきをねぎらっていました。

平成へいせい23年ねん5月つきの技量ぎりょう審査しんさ場所ばしょで若わか三さん勝しょうのしこ名しこなで初はつ土俵どひょうを踏ふみ、間ま垣かき部屋へやの閉鎖へいさに伴ともなって伊勢いせヶ濱はま部屋へやに移籍いせきしたあとしこ名しこなを今いまの照あきらノ富士ふじに改あらためました。

体重たいじゅうおよそ180キロの恵めぐまれた体格たいかくを生いかした力強ちからづよい四つ相撲よつずもうでぐんぐん番付ばんづけを上あげ、平成へいせい26年ねんの春場所はるばしょに新しん入幕にゅうまくを果はたし、関脇せきわけだった平成へいせい27年ねん夏場なつば所しょに12勝しょう3敗はいで初はつ優勝ゆうしょうしました。

初はつ土俵どひょうから25場所ばしょ目めでの優勝ゆうしょうは、年とし6場所ばしょ制せいとなった昭和しょうわ33年ねん以降いこう、幕下まくした付け出つけだしの力士りきしを除のぞいて、歴代れきだい3位いのスピード記録きろくで場所ばしょ後ごに大関おおぜきに昇進しょうしんし横綱よこづな候補こうほとして期待きたいされました。

しかし、ひざのケガや糖尿とうにょう病びょうなどから稽古けいこのできない状態じょうたいとなり、平成へいせい29年ねん名古屋なごや場所ばしょから4場所ばしょ連続れんぞくで休場きゅうじょうし、その年としの九州きゅうしゅう場所ばしょに2年間ねんかん務つとめた大関おおぜきの地位ちいから陥落かんらくしました。

さらに平成へいせい30年ねん夏場なつば所しょからも5場所ばしょ連続れんぞくで休場きゅうじょうし、平成へいせい31年ねんの春場所はるばしょには序じょ二に段だんにまで番付ばんづけを下さげました。大関おおぜき経験けいけん者しゃが幕下まくした以下いかに陥落かんらくするのは昭和しょうわ以降いこうでは初はじめてのことで、一時いちじは引退いんたいも考かんがえました。

それでも師匠ししょうの伊勢いせヶ濱はま親方おやかたに説得せっとくされて思おもいとどまり、けがや病気びょうきの回復かいふくに伴ともなって少すこしずつ稽古けいこを再開さいかいし、再ふたたび番付ばんづけを上あげていきました。

前頭まえがしら17枚まい目め「幕まく尻しり」で幕内まくうちに復帰ふっきした去年きょねん7月つき場所ばしょには、およそ5年ねんぶりとなる2回かい目めの優勝ゆうしょうを果はたして復活ふっかつを強つよく印象いんしょうづけました。

ことし3月つきの春場所はるばしょでは12勝しょうを挙あげて3回かい目めの優勝ゆうしょうを果はたし、21場所ばしょぶりに大関おおぜきに復帰ふっきしていました。