日本新闻: 覚醒剤使用の罪の男性無罪「採尿前に警察官が混入の可能性」

覚醒剤かくせいざい使用しようの罪つみの男性だんせい無罪むざい「採尿さいにょう前まえに警察官けいさつかんが混入こんにゅうの可能かのう性せい」

Mar 19, 2021 17:03

Furigana

覚醒剤かくせいざいを使用しようした罪つみに問とわれた45歳さいの被告ひこくの男性だんせいに、名古屋なごや地方ちほう裁判所さいばんしょは「採尿さいにょう前まえに警察官けいさつかんが提供ていきょうした飲み物のみものに覚醒剤かくせいざいが混入こんにゅうされていた可能かのう性せいがある」などとして無罪むざいを言い渡いいわたしました。愛知あいち県けん東海とうかい市しに住すんでいた派遣はけん社員しゃいんの45歳さいの男性だんせいはおととし12月つき、尿にょうから覚醒剤かくせいざいの成分せいぶんが検出けんしゅつされ覚醒剤かくせいざいを使用しようしたとして逮捕たいほ・起訴きそされました。

男性だんせいは裁判さいばんで起訴きそ内容ないようを否認ひにんしたうえで、逮捕たいほ前まえに警察けいさつ署しょで採尿さいにょうを求もとめられ警察官けいさつかんから提供ていきょうされたお茶おちゃや水みずを紙かみコップで20杯はいから30杯はいほど飲のんだ際さいに「お茶おちゃの濃こさが毎回まいかい違ちがっていて1度どすごく苦にがいことがあった」と証言しょうげんし、弁護士べんごしはお茶おちゃに覚醒剤かくせいざいが混入こんにゅうされた可能かのう性せいがあるとして無罪むざいを主張しゅちょうしました。

19日にちの判決はんけつで名古屋なごや地方ちほう裁判所さいばんしょの板津いたつ正道せいどう裁判さいばん長ちょうは「採尿さいにょうを促うながす際さいには未み開封かいふうのペットボトルで飲み物のみものを提供ていきょうするという警察けいさつの要綱ようこうに従したがっておらず、異物いぶつが混まざるのを防ふせぐ対策たいさくが十分じゅうぶんされていなかった」として、飲み物のみものの提供ていきょう方法ほうほうに問題もんだいがあったと指摘してきしました。

また、捜査そうさにあたった警察官けいさつかんが勾留こうりゅう中ちゅうの男性だんせいに

▽合あわせて2万まん円えんの現金げんきんを送おくっていたことや、

▽携帯けいたい電話でんわを使つかわせていたことなどをあげて、

「不当ふとうな便宜べんぎ供与きょうよがあり捜査そうさが適正てきせいに行おこなわれなかったことを疑うたがわせる事情じじょうが複数ふくすう存在そんざいしている」と指摘してきしました。

さらに男性だんせいに現金げんきんを送おくったことについて警察官けいさつかんが当初とうしょ「送おくっていない」とうその証言しょうげんをしていたことから、警察官けいさつかんの証言しょうげんは信用しんようできないとしたうえで「警察官けいさつかんが男性だんせいに提供ていきょうした飲み物のみものに覚醒剤かくせいざいが混入こんにゅうされていた可能かのう性せいは相当そうとうな確たしからしさを持もっており、男性だんせいが自分じぶんの意思いしで覚醒剤かくせいざいを使つかったと認みとめるには合理ごうり的てきな疑うたがいが残のこる。有罪ゆうざいに持ち込もちこむための決定けってい的てきな証拠しょうこを得えるために混入こんにゅうさせる動機どうきがなかったとは言いえない」として無罪むざいを言い渡いいわたしました。