覚醒剤を
使用した
罪に
問われた45
歳の
被告の
男性に、
名古屋地方裁判所は「
採尿前に
警察官が
提供した
飲み物に
覚醒剤が
混入されていた
可能性がある」
などとして
無罪を
言い渡しました。
愛知県東海市に
住んでいた
派遣社員の45
歳の
男性は
おととし12
月、
尿から
覚醒剤の
成分が
検出され
覚醒剤を
使用したとして
逮捕・
起訴されました。
男性は裁判で起訴内容を否認したうえで、逮捕前に警察署で採尿を求められ警察官から提供されたお茶や水を紙コップで20杯から30杯ほど飲んだ際に「お茶の濃さが毎回違っていて1度すごく苦いことがあった」と証言し、弁護士はお茶に覚醒剤が混入された可能性があるとして無罪を主張しました。
19日の判決で名古屋地方裁判所の板津正道裁判長は「採尿を促す際には未開封のペットボトルで飲み物を提供するという警察の要綱に従っておらず、異物が混ざるのを防ぐ対策が十分されていなかった」として、飲み物の提供方法に問題があったと指摘しました。
また、捜査にあたった警察官が勾留中の男性に
▽合わせて2万円の現金を送っていたことや、
▽携帯電話を使わせていたことなどをあげて、
「不当な便宜供与があり捜査が適正に行われなかったことを疑わせる事情が複数存在している」と指摘しました。
さらに男性に現金を送ったことについて警察官が当初「送っていない」とうその証言をしていたことから、警察官の証言は信用できないとしたうえで「警察官が男性に提供した飲み物に覚醒剤が混入されていた可能性は相当な確からしさを持っており、男性が自分の意思で覚醒剤を使ったと認めるには合理的な疑いが残る。有罪に持ち込むための決定的な証拠を得るために混入させる動機がなかったとは言えない」として無罪を言い渡しました。