일본어 뉴스: 「不適切な保育」保育所で去年914件施設全体では1316件確認

全国ぜんこくの保育ほいく施設しせつで園児えんじへの暴行ぼうこうや虐待ぎゃくたいといった「不適切ふてきせつな保育ほいく」が相次あいついだことを受うけて、こども家庭かてい庁ちょうは全国ぜんこく調査ちょうさを行おこない、去年きょねん4月つきから12月つきの間まに、保育ほいく所しょでは914件けんの「不適切ふてきせつな保育ほいく」が確認かくにんされたと明あきらかにしました。

認定にんていこども園えんなどを含ふくめた保育ほいく施設しせつ全体ぜんたいでは1316件けんで、これを受うけ、不適切ふてきせつな保育ほいくに対応たいおうするためのガイドラインを策定さくていし、対策たいさくを強化きょうかするとしています。

この調査ちょうさは、去年きょねん、静岡しずおか県けん裾野すその市しの認可にんか保育ほいく所しょで元もと保育ほいく士し3人にんが園児えんじの足あしをつかんで宙ちゅうづりにするなど「不適切ふてきせつな保育ほいく」が全国ぜんこくで相次あいついだことを受うけ、こども家庭かてい庁ちょうなどが行おこなったものです。

それによりますと、去年きょねん4月つきから12月つきにかけて全国ぜんこくの市区しく町村ちょうそんが把握はあくした保育ほいく所しょで行おこなわれた子こどもの人格じんかくを尊重そんちょうしない「不適切ふてきせつな保育ほいく」は914件けんで、このうち「虐待ぎゃくたい」に当あたると確認かくにんしたのは、90件けんあったとしています。

保育ほいく所しょ以外いがいの認定にんていこども園えん、認可にんか外がい保育ほいく施設しせつなどを含ふくめた保育ほいく施設しせつ全体ぜんたいでは「不適切ふてきせつな保育ほいく」は1316件けん、このうち「虐待ぎゃくたい」は122件けん確認かくにんされたということです。

保育ほいく施設しせつの職員しょくいんによる虐待ぎゃくたいについては通報つうほうや公表こうひょうの義務ぎむがなく、件数けんすうが公表こうひょうされたのは初はじめてです。

一方いっぽう「不適切ふてきせつな保育ほいく」については明確めいかくな定義ていぎがなく、保育ほいく施設しせつへの調査ちょうさでは園えんごとの回答かいとう内容ないようにばらつきがあったということです。

こうした結果けっかを受うけ、こども家庭かてい庁ちょうは「不適切ふてきせつな保育ほいく」とは「虐待ぎゃくたいなどが疑うたがわれる事案じあん」と定さだめるとともに、防止ぼうしや対応たいおうについてのガイドラインを設もうけ、12日にち、公表こうひょうしました。

この中なかでは、静岡しずおか県けん裾野すその市しの事案じあんで園えんや自治体じちたいの対応たいおうが遅おくれたことを受うけ、園内えんないで虐待ぎゃくたいなどが疑うたがわれる事案じあんが発生はっせいしたときは、自治体じちたいに速すみやかに相談そうだんすることや、相談そうだんや通報つうほうを受うけた自治体じちたいは迅速じんそくに対応たいおうするとともに組織そしき全体ぜんたいとして情報じょうほうを共有きょうゆうすることなどを求もとめています。

こども家庭かてい庁ちょうは、今後こんご、保育ほいく施設しせつの職員しょくいんによる虐待ぎゃくたいについて、通報つうほうや公表こうひょうを義務ぎむづけるよう児童じどう福祉ふくし法ほうの改正かいせいについても検討けんとうすることにしています。

全国ぜんこくの施設しせつで「不適切ふてきせつな保育ほいく」相次あいつぐ

こども家庭かてい庁ちょうが、不適切ふてきせつな保育ほいくについて調査ちょうさ結果けっかをまとめ、ガイドラインを示しめした背景はいけいには、去年きょねん、全国ぜんこくの保育ほいく施設しせつで暴行ぼうこうや虐待ぎゃくたいなどが相次あいついだことがあります。

静岡しずおか県けん裾野すその市しの認可にんか保育ほいく所しょでは、去年きょねん、元もと保育ほいく士し3人にんが園児えんじの足あしをつかんで宙ちゅうづりにするなどの虐待ぎゃくたいをしたとして、暴行ぼうこうの疑うたがいで逮捕たいほされ、このうち1人にんが略式りゃくしき起訴きそされています。

この問題もんだいでは、市しが事態じたいを把握はあくしながら公表こうひょうまで3か月かげつかかるなど対応たいおうが遅おくれたことも指摘してきされました。

また、富山とやま市しの認定にんていこども園えんでは、園児えんじの両足りょうあしをつかんで体からだを引ひきずるなどの暴行ぼうこうをした疑うたがいで去年きょねん12月つき、20代だいの元もと保育ほいく士しなど2人にんが書類しょるい送検そうけんされました。

仙台せんだい市しの認可にんか外がい保育ほいく施設しせつでも、保育ほいく士しが園児えんじに下着したぎ姿すがたのまま食事しょくじをさせたり、体からだをさかさまにして持ち上もちあげたりするなどしたとして、ことし1月つき、市しから行政ぎょうせい指導しどうを受うけています。

保育園ほいくえん長ちょう「余裕よゆうある人員じんいんの配置はいちが大切たいせつ」

「不適切ふてきせつ保育ほいく」につながりかねない場面ばめんに接せっしたことがあるという保育園ほいくえん長ちょうに話はなしを聞ききました。

千葉ちば県けん八千代やちよ市しにある勝田かつた保育園ほいくえんで園長えんちょうを務つとめる丸山まるやま純じゅんさんは、トイレに行いきたくないと言いう園児えんじと、行おこなってもらいたい保育ほいく士しとの間まで、大おおきな声こえでのやりとりになっている場面ばめんに出会であったことがあるということです。

その時ときは、丸山まるやまさんが園児えんじを引き受ひきうける形かたちをとり、保育ほいく士しから離はなしたことで落ち着おちついたということです。

丸山まるやまさんは「不適切ふてきせつ保育ほいく」はあってはならないとしたうえで「子こどもと1対たい1で対応たいおうする時ときは、どうしても気分きぶんが高たかぶってしまうことがある。その時とき、保育ほいく士し1人にんに任まかせるのではなく、周まわりの保育ほいく士しとお互おたがいにフォローし合あえるような関係かんけい性せいがあれば不適切ふてきせつな対応たいおうになるのを未然みぜんに防ふせげると思おもう」と話はなしていました。

そのうえで「そのためにも今いまの保育ほいく士しの人数にんずうの基準きじゅんでは一いち人にん一いち人にんの子こどもの主体しゅたい性せいを大切たいせつにした保育ほいくを行おこなうことは難むずかしいのではないか。保育ほいく士したちがお互おたがいに助け合たすけあえるように余裕よゆうある人員じんいんの配置はいちが大切たいせつだ」と指摘してきしていました。

専門せんもん家か「社会しゃかい全体ぜんたいで子こどもの存在そんざいに関心かんしんを」

保育ほいく学がくが専門せんもんの中村なかむら学園がくえん大学だいがくの那須なす信樹のぶき教授きょうじゅは「『不適切ふてきせつな保育ほいく』が起おこる背景はいけいには、忙いそがしさのあまり保育ほいく士しの間までの会話かいわが不足ふそくしていることや研修けんしゅうに出でかけることさえできない実態じったいがある。保育ほいく士しに時間じかん的てきなゆとりを持もたせるとともに、技能ぎのう向上こうじょうのために研修けんしゅうに行いくことを後押あとおしするなど支援しえんが必要ひつようなのではないか」と指摘してきしました。

そのうえで「保育園ほいくえんは保護ほご者しゃや子こどもとの関係かんけい性せいの中なかで成り立なりたつものなので、保護ほご者しゃも園えんの実情じつじょうにもっと関心かんしんをもって接せっしていくことが必要ひつようではないか。また、街まちで子こどもたちと先生せんせいが散歩さんぽをしている様子ようすを見みたらひと言ひとことかけたり温あたたかく見守みまもるなど、社会しゃかい全体ぜんたいで子こどもの存在そんざいに関心かんしんを寄よせていくことも求もとめられている」と話はなしていました。

小倉おぐらこども政策せいさく担当たんとう相しょう「虐待ぎゃくたいなどあってはならない」

不適切ふてきせつ保育ほいくの調査ちょうさ結果けっかについて、小倉おぐらこども政策せいさく担当たんとう大臣だいじんは「虐待ぎゃくたいなどはあってはならないことで、1件けんでも望のぞましくない。政府せいふとしても未然みぜんに防止ぼうしするための対策たいさくを速すみやかに講こうじていきたい」と述のべました。

そのうえで「大半たいはんの保育ほいく所しょでは保育ほいく士しが子こどもの成長せいちょうに真摯しんし（しんし）に寄り添よりそって適切てきせつな保育ほいくを行おこなっている。今後こんご、子こどもや保護ほご者しゃが不安ふあんを感かんじることなく保育ほいく所しょに通かよえるようにするとともに、保育ほいく士しの皆みなさんが安心あんしんして保育ほいくを担になえるよう対策たいさくしていきたい」と述のべました。