劉さんは親中派に意のままに操られていた議会を改革したいと区議会議員を志しましたが、辞職を選択した理由について「このまま宣誓したら自分の政治的な信念をつらぬくことができなくなる。それよりは議会を離れたほうがやりたいことができる」と説明しました。
これに対し地域の支持者たちは「当局に目をつけられるリスクがあるから気をつけた方がいい」とほとんどが理解を示してくれたといいます。
また区議会の在り方については「自分たちの代表の区議会議員がいなくなることに納得ができなくても抵抗することもできず無力感を感じている市民は多い。政府からの弾圧で区議会や議員のできる事はますます少なくなっており存在の意味がなくなってしまう」と話し悲観的な見方を示しました。
そのうえで劉さんは「民主化のためにまだ努力は続けたい」と話し、自分なりにできることを探したいとしています。
(※ぶん=さんずいに文)
地域の市民の暮らしが向上する活動に取り組みたいと政治家を志し、当選後はリサイクル活動などを通じて議員としてのやりがいを感じてきたといいます。 林さんは先月30日の時点ではNHKの取材に対し「地域の市民と関係を築いてきたから、残る可能性があるのならどんなことでも試したい」と述べ、宣誓する意思を示していました。 ただ宣誓したとしても自分も忠誠を尽くしていないと見なされ議員の資格を失う可能性が高いと話し「期待を抱いてはいけないと思う。その日がこんなに早くやってくるとは思わなかった」と諦めの気持ちも見せていました。 その後、香港メディアが議員資格を剥奪された場合、議員報酬の返還が求められる可能性があると伝えたことなどを受け辞意を表明する議員が相次ぎました。 こうした中、今月8日、林さんも考えを変え宣誓には応じず辞職すると表明しました。林さんは自身のフェイスブックで「この崩壊した制度のもとでは改革する望みは持てない。いつか街頭でまた会えると信じ、仲間のことは見捨てず闘うことを諦めないでほしい」などとつづり無念さをあらわにしていました。
法律では選挙に立候補したり公職についたりする際には香港の憲法にあたる基本法を守り、香港特別行政区に忠誠を尽くすことを確認する文書に署名し宣誓するよう求めています。 これに基づいてまず宣誓の手続きが進められたのが、香港に17万人以上いる公務員でした。去年12月中旬、副局長ら幹部が香港政府の庁舎に集められ宣誓しました。 集まった人たちは「宣誓は国家安全維持法を支持することを意味する」という説明を受けたあと、林鄭月娥行政長官と向かい合い中国と香港の旗を前に宣誓のことばを斉唱しました。 香港政府によりますと、こうした宣誓の手続きはすべての公務員を対象にことし5月までに行われましたが、ことし4月の時点で宣誓を拒否した人は129人に上ったほか全公務員の1%に当たる1800人余りが辞職したということです。 これはこの20年で最も多く思想統制を嫌って政府を去った人たちが多数いたと見られます。
宣誓の意思から一転 辞職を決断した区議は
公務員も宣誓対象 拒否して辞職した人も