こんにゃくのおばけとおふろ
昔、あるお寺にお坊さんがいました。お寺には風呂がなくて、お坊さんは友達の作兵衛さんの家に行って風呂に入っていました。
ある夜、お坊さんが風呂に行くと、だれもいないはずの風呂から声が聞こえました。中を見ると、お坊さんと同じ顔の人が風呂に入っていました。お坊さんは、狐か狸が化けていると思いました。
お坊さんと作兵衛さんは、風呂のふたをして、上から石を置きました。火をどんどん大きくして、風呂の中の人を熱いお湯で懲らしめようとしました。風呂の中の人は大きな声を出していましたが、だんだん静かになりました。
ふたを開けると、風呂の中には、こんにゃく玉が1つだけ浮かんでいました。
次の日、作兵衛さんの畑のこんにゃく玉が1つ、なくなっていました。お坊さんと作兵衛さんは「こんにゃく玉も風呂に入りたかったんだろう」と言って、茹でたこんにゃく玉を畑に戻しました。
その後、作兵衛さんの畑では、たくさんのこんにゃく玉が出来ました。