일본어 뉴스: アフガニスタン地震発生メカニズムはなぜ被害拡大最新状況

アフガニスタン東部とうぶで22日にち起おきた地震じしんで犠牲ぎせい者しゃはこれまでに1000人にんを超こえ、救援きゅうえん隊たいによる捜索そうさく活動かつどうが続つづけられていますが、現場げんばに通つうじる道路どうろが整備せいびされていないことなどから活動かつどうは難航なんこうしています。

こうした中なか、国連こくれん機関きかんや隣国りんごくパキスタン政府せいふは救援きゅうえん活動かつどうを本格ほんかく化かさせています。

アフガニスタンでは日本にっぽん時間じかんの22日にち午前ごぜん6時じ前まえ、東部とうぶのホスト州しゅうを震源しんげんとするマグニチュード5.9の地震じしんが起おきました。

現地げんちの当局とうきょく者しゃは、NHKの取材しゅざいに対にたいしこれまでにホスト州しゅうと隣となりのパクティカ州しゅうで犠牲ぎせい者しゃは、合あわせて1000人にんを超こえ、けが人けがにんは1600人にん以上いじょうになったと明あきらかにしました。

被災ひさいした地域ちいきでは、日干ひぼしレンガを積み上つみあげた家屋かおくが多おおく、今いまも多おおくの人ひとが倒壊とうかいした家屋かおくの下したに閉じ込とじこめられているとみられています。

現地げんちでは救援きゅうえん隊たいによる捜索そうさく活動かつどうが続つづけられていますが、現場げんばに通つうじる道路どうろが整備せいびされていないことなどから活動かつどうは難航なんこうしています。

こうした中なか、国連こくれんのWFP＝世界せかい食糧しょくりょう計画けいかくは23日にち、首都しゅとカブールで被災ひさい地ちへ送おくる小麦粉こむぎこをトラックに積み込つみこむ作業さぎょうを行おこないました。

送おくられるのは日本にっぽん政府せいふから提供ていきょうされた小麦粉こむぎこを含ふくむ合あわせて130トンに上のぼるということです。

WFPアフガニスタン事務所じむしょのシェリー・タックラール広報こうほう官かんは「重要じゅうようなことは緊急きんきゅう支援しえん物資ぶっしを必要ひつようとしている人ひとのもとへできるだけ早はやく届とどけることだ。　アフガニスタンの人ひとたちは辛抱強しんぼうづよいが、苦くるしんでいる人ひとたちのことを忘わすれないでほしい」と支援しえんを訴うったえました。

また、隣国りんごくパキスタン政府せいふも首都しゅとイスラマバードから簡易かんいテントや医薬品いやくひんを積つんだトラックを被災ひさい地ちに向むけて出発しゅっぱつさせ、救援きゅうえん活動かつどうを本格ほんかく化かさせています。

アフガニスタンでは去年きょねん8月つきにイスラム主義しゅぎ勢力せいりょくタリバンが再ふたたび権力けんりょくを掌握しょうあくして以降いこう、各国かっこくの大使館たいしかんが閉鎖へいさしたり、国際こくさい的てきなNGOなど支援しえん団体だんたいが撤退てったいしたりしていて、迅速じんそくな支援しえんを行おこなうことが課題かだいとなっています。

なぜ、これほど大おおきな被害ひがいとなっているのか。現地げんちの地震じしんや建物たてものに詳くわしい専門せんもん家かの見解けんかいを元もとに解説かいせつします。

プレートの衝突しょうとつが引き起ひきおこした地震じしん

現地げんちの地震じしん活動かつどうに詳くわしい同志どうし社しゃ大学だいがくの堤つつみ浩之ひろゆき教授きょうじゅは、今回こんかいの地震じしんにはプレートの運動うんどうが大おおきく関係かんけいしているといいます。

中央アジアちゅうおうあじあでは「インドプレート」と呼よばれる岩盤がんばんが年間ねんかん約やく4センチの速度そくどで北上ほくじょうして「ユーラシアプレート」に衝突しょうとつしています。

これによって隆起りゅうきしたのが“世界せかいの屋根やね”とも呼よばれるヒマラヤ山脈ひまらやさんみゃくです。

プレートどうしの衝突しょうとつにより、ヒマラヤ山脈ひまらやさんみゃくの東側ひがしがわと西側にしがわにも力ちからがかかり、ひずみがたまっていきます。

西側にしがわに位置いちするアフガニスタンやパキスタンには南北なんぼくにのびる「チャマン断層だんそう」があり、1505年ねんや1892年ねん、それに1935年ねんにマグニチュード7クラスの地震じしんが発生はっせいしているほか、周辺しゅうへんには小規模しょうきぼな活かつ断層だんそうが数多かずおおく分布ぶんぷしているということです。

この地域ちいきではプレートの動うごきにあわせて断層だんそうが左ひだり方向ほうこうに動うごくタイプの地震じしんが多おおく、今回こんかいの震源しんげんは東ひがしに百ひゃく数すう十じゅうキロ離はなれていますが、同おなじメカニズムと考かんがえられるとしています。

堤つつみ教授きょうじゅは「地震じしんの規模きぼはそれほど大おおきくないが、震源しんげんが浅あさく直下ちょっか型がたの地震じしんだったため、震源しんげん周辺しゅうへんでは強つよい揺ゆれに見舞みまわれたと思おもう。今後こんごしばらくは同おなじ程度ていどの規模きぼの地震じしんが起おこる可能かのう性せいがあるため、現地げんちでは地震じしん活動かつどうの推移すいいに十分じゅうぶん注意ちゅういしながら救援きゅうえん活動かつどうなどを進すすめる必要ひつようがある」と話はなしています。

ヒマラヤ山脈ひまらやさんみゃくの東西とうざいでは大だい地震じしんが相次あいつぐ

インドプレートとユーラシアプレートが衝突しょうとつするヒマラヤ山脈ひまらやさんみゃくの西側にしがわではこれまで規模きぼの大おおきな地震じしんが繰り返くりかえされ、大おおきな被害ひがいがたびたび発生はっせいしています。

気象庁きしょうちょうや内閣ないかく府ふのまとめによりますと、

▽2005年ねん10月つきにはパキスタンの北東ほくとう部ぶのカシミール地方ちほうでマグニチュード7.6の地震じしんが発生はっせいし、パキスタンとインド、アフガニスタンで合あわせておよそ7万まん5000人にんが死亡しぼうしたほか、

▽2015年ねん10月つきにはアフガニスタン北東ほくとう部ぶを震源しんげんとするマグニチュード7.5の地震じしんが起おき、アフガニスタンとパキスタンで合あわせて300人にん以上いじょうが死亡しぼうしました。

さらにヒマラヤ山脈ひまらやさんみゃくの東側ひがしがわや南側みなみがわでもマグニチュード8に迫せまる大だい地震じしんが発生はっせいしていて、▽8万まん7000人にん余あまりが犠牲ぎせいになった2008年ねん5月つきの中国ちゅうごくの四川しせん大だい地震じしんや▽およそ9000人にんが犠牲ぎせいになった2015年ねん4月つきのネパールの大だい地震じしんなどが起おきています。

プレートの衝突しょうとつの影響えいきょうが中央アジアちゅうおうあじあ周辺しゅうへんの広範囲こうはんいに及および、地震じしんによる被害ひがいが繰り返くりかえされる結果けっかとなっているのです。

耐震たいしん性せい低ひくく被害ひがい拡大かくだいしやすい「アドベ」住宅じゅうたく

犠牲ぎせい者しゃが1000人にんを超こえたアフガニスタンの地震じしんは、どうして被害ひがいが拡大かくだいしたのでしょうか。

隣国りんごくパキスタンの国境こっきょう付近ふきんで現地げんちを調査ちょうさしたことがある防災ぼうさい科学かがく技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょの山崎やまざき文雄ふみお主幹しゅかん研究けんきゅう員いんは「現地げんちの住宅じゅうたくは、『アドベ』と呼よばれる日干ひぼしレンガとモルタルを積み重つみかさねた構造こうぞうのものがほとんどで、耐震たいしん性せいが低ひくいことから大おおきな被害ひがいにつながったと考かんがえられる」と指摘してきしています。

山崎やまざき主幹しゅかん研究けんきゅう員いんは1991年ねんにアフガニスタンでマグニチュード6.8の地震じしんが発生はっせいした当時とうじ、大おおきな被害ひがいが出でたパキスタンの国境こっきょう付近ふきんで現地げんち調査ちょうさを行おこないました。

今回こんかいの被害ひがいの印象いんしょうについて山崎やまざき主幹しゅかん研究けんきゅう員いんは「30年ねん前まえとほとんど家いえの構造こうぞうが変かわっていない」と感かんじたといいます。

アフガニスタンやパキスタンなどでは土どや石いしを材料ざいりょうにして建たてた住宅じゅうたくが多おおく、特とくに「アドベ」と呼よばれる日干ひぼしレンガとモルタルを積み重つみかさねた建物たてものが特徴とくちょうです。

住宅じゅうたくの多おおくは鉄筋てっきんなどで補強ほきょうされておらず、耐震たいしん性せいが低ひくいことから震度しんど5強きょうレベルの揺ゆれでも大おおきく崩くずれて、人的じんてきな被害ひがいが発生はっせいしてしまうということです。

被害ひがいが拡大かくだいした要因よういんについて山崎やまざき主幹しゅかん研究けんきゅう員いんは「未明みめいの地震じしんだったためにほとんどの人ひとが寝ねていたと考かんがえられる。日本にっぽんの家いえと違ちがい、土どや石いしでできた家いえは倒壊とうかいすると“生存せいぞん空間くうかん”が失うしなわれるので被害ひがいが深刻しんこく化かするし、救助きゅうじょ活動かつどうも難むずかしくなる。地震じしんの揺ゆれで壁かべなどに亀裂きれつが入はいっている可能かのう性せいがあり今後こんご、雨あめが降ふると、そこから浸透しんとうして倒壊とうかいにつながるおそれもあるため、水みずが入はいらないようシートで覆おおうなどの対策たいさくが必要ひつようだ」と話はなしていました。

一方いっぽう、アフガニスタンに限かぎらず発展はってん途上とじょう国こくではレンガを積み重つみかさねた住宅じゅうたくが多おおく、地震じしんによる被害ひがいが拡大かくだいしやすい傾向けいこうについて触ふれ、「さまざまな国際こくさいプロジェクトが動うごいているが、具体ぐたい的てきな防災ぼうさい対策たいさくを現地げんちに実装じっそうできた例れいは少すくない。今回こんかいの地震じしんをきっかけに国際こくさい機関きかんで現地げんちの人々ひとびとに本当ほんとうに役立やくだつ支援しえんのあり方ありかたを考かんがえていく必要ひつようがある」と指摘してきしていました。