日本選手2人目のNBAプレーヤーとして6シーズンプレーし、千葉に加入した渡邊選手は、5日に行われた宇都宮との今シーズン初戦に先発メンバーとして出場しました。
渡邊選手は第1クオーターからスリーポイントシュートや、ゴール下のリバウンドで持ち味を発揮すると、チームが新たな本拠地とする船橋市のアリーナに詰めかけた10000人近いファンの大声援にも後押しされ、千葉が26対7と大きくリードしました。
渡邊選手は第2クオーター、ファウルを受けながらシュートを決め、その後のフリースローも沈めて3点プレーで会場を盛り上げました。
対する宇都宮は、昨シーズンのMVPに選ばれたD.J・ニュービル選手の個人技で追い上げ、第3クオーターを終えて56対59と3点差に迫ります。
そして、第4クオーターの残り3秒でニュービル選手がスリーポイントを決め、77対77の同点に追いついて試合は延長に入りました。
延長では、ホームの大声援を受けた千葉が、渡邊選手のゴール下からの得点などで再び流れをつかみ、91対84で宇都宮に競り勝ちました。
渡邊選手は39分余りプレーし、2本のスリーポイントなどで16得点を挙げ、リバウンドも8つをマークし、チームの今シーズンのリーグ戦初勝利に貢献しました。
宇都宮は、ニュービル選手がスリーポイント7本を含む35得点をマークして粘りましたが、及びませんでした。
渡邊雄太「本当に光栄」
1万人近いファンが詰めかけたリーグ開幕戦で初勝利を挙げた千葉ジェッツの渡邊雄太選手は「自分にとってのBリーグのデビュー戦はきょうしかないので、1分1秒かみしめながらプレーしたいと思っていた。11年前に自分が日本にいた時は、これだけのお客さんが入るということは、なかなか想像できなかった。すばらしいお客さんの前でプレーできたことは本当に光栄だ」と話していました。
千葉のキャプテンで、日本代表としてともにオリンピックにも出場した富樫勇樹選手は「特に前半、アシストや得点、ディフェンス面でも存在感を発揮してくれた。今までNBAで戦ってきた以上の役割が必ずこのチームではあるので、そこをうまく引き出していけるようにやっていければ」と渡邊選手の存在の大きさを指摘しました。
同じく日本代表で、宇都宮ブレックスの比江島慎選手は「渡邊選手と対戦できることは個人的にもすごく楽しみにしていたが、なかなか自分の持ち味を出せなかった。彼はチームに貢献していたのでさすがだと思った。あすの試合は自分がやり返すという気持ちで切り替えてやりたい」と悔しさをにじませていました。
渡邊雄太 新たな挑戦「NBAの経験 還元できたら」
29歳の渡邊選手は、ディフェンスとスリーポイントシュートを持ち味に、平均在籍年数が4年半と言われるNBAで6シーズンプレーしました。
今シーズンからBリーグの千葉ジェッツに加入した渡邊選手は、開幕を前にNHKのインタビューに応じ「リーダーシップや技術的なことなど、NBAの6年間は勉強になった。経験してきたことをチームや日本のバスケットボール全体に還元できたらいいと思う」と自身の役割を話しました。
そのうえで、「自分たちがいいプレーをするかどうかが、見ている人を楽しませることができるかだと思っているので、そこはしっかり自覚と責任を持ってやっていければ」と新たな挑戦への思いを語りました。
Bリーグは昨シーズン、過去最多の450万人を超える観客動員数を記録し、4年後までには1.5倍以上の700万人の観客動員を目標に掲げています。
千葉ジェッツが今シーズンから本拠地とする新しいアリーナは、収容人数がリーグ最大級のおよそ10000人を誇り、昨シーズン東地区で1位だった宇都宮ブレックスとの開幕戦のチケットは、わずか2日で完売しました。
渡邊選手は「初戦に勝つかどうかでシーズンの勢いや流れに乗れるかも変わってくる。宇都宮は強豪だが、しっかり勝っていいシーズンにつなげていきたい」と話していました。
ワールドカップの日本代表の活躍で注目されたBリーグに渡邊選手が加わることで、バスケットボールの人気をさらに高めることにつながるのか、新たなシーズンにも注目が集まります。