日本新聞: 首都圏の新築マンションの平均価格２６年ぶりの高値水準に

首都しゅと圏けんで、新築しんちくマンションの平均へいきん価格かかくが、２に６ろく年ねんぶりの高値たかねの水準すいじゅんに上昇じょうしょうしています。夫婦ふうふで共働ともばたらきしている世帯せたいなどを中心ちゅうしんに今いまのところ売れ行うれゆきは好調こうちょうですが、価格かかくの高こう止どまりで購入こうにゅうを諦あきらめるファミリー層そうも増ふえているため、今後こんご、値下ねさげの動うごきが出でてくる可能かのう性せいがあると指摘してきする専門せんもん家かもいます。民間みんかんの調査ちょうさ会社かいしゃ、不動産ふどうさん経済けいざい研究所けんきゅうじょの調査ちょうさによりますと、首都しゅと圏けんの新築しんちくマンション１いち戸こ当あたりの平均へいきん価格かかくは、４よん年ねん前まえから上昇じょうしょう傾向けいこうが続つづいています。おととしには５ご５ご１いち８はち万まん円えんまで上昇じょうしょうし、平均へいきん価格かかくは、バブル景気けいきのあとの平成へいせい４よん年ねん以降いこうで見みると最もっとも高たかくなりました。ことしに入はいっても新築しんちくマンションの価格かかくは高こう止どまりが続つづき、６月ろくがつまでの半年はんとし間かんの平均へいきん価格かかくは５ご８はち８はち４よん万まん円えんと、上半期かみはんきとして平成へいせい３さん年ねん以来いらい、２に６ろく年ねんぶりの高値たかねとなっています。

不動産ふどうさん各社かくしゃは、東京とうきょうオリンピック・パラリンピック関連かんれんの工事こうじが増ふえ、人件じんけん費ひや建設けんせつ資材しざいなどのコストが上あがっていることや、マンション建設けんせつに適てきしたまとまった用地ようちは、マンションやホテルの業者ぎょうしゃ間かんで取り合とりあいになっていることなどを価格かかく上昇じょうしょうの理由りゆうに挙あげています。

共働ともばたらき世帯せたいが需要じゅよう支ささえる

価格かかくが高こう止とまりする中なかでも、販売はんばいは今いまのところ堅調けんちょうで、不動産ふどうさん大手おおて各社かくしゃによりますと、通勤つうきんなどに便利べんりな立地りっちの物件ぶっけんを探さがす夫婦ふうふで共働ともばたらきする世帯せたいが需要じゅようを支ささえていると話はなしています。

野村のむら不動産ふどうさんが江東こうとう区くで建築けんちく中ちゅうのマンションのモデルルームには、この週末しゅうまつも多おおくの見学けんがく者しゃが訪おとずれていました。このマンションは１いち５ご階かい建だてで、分譲ぶんじょう数すう３さん０ぜろ０ぜろ戸こ余あまりの大だい規模きぼマンションで、都心としんのオフィス街がいに近ちかく、敷地しきちの中なかに認可にんか保育ほいく所しょを併設へいせつしたのが特徴とくちょうです。周辺しゅうへんには７なな０ぜろ０ぜろ０ぜろ万まん円えんから８はち０ぜろ０ぜろ０ぜろ万まん円えんの価格かかく帯たいのマンションが販売はんばいされていますが、ここでは広ひろさ７なな０ぜろ平方メートルへいほうめ-とる余あまりの３さんＬＤＫえるでぃ-けいの平均へいきん的てきなタイプを１いち戸こ当あたり６ろく０ぜろ０ぜろ０ぜろ万まん円えん台だいで販売はんばいする予定よていで、共働ともばたらき世帯せたいを中心ちゅうしんにすでに購入こうにゅうの希望きぼうが相次あいついでいるということです。

モデルルームを訪おとずれた夫婦ふうふで働はたらく３さん０ぜろ代だいの男性だんせいは「子こどもが生うまれたばかりですが、今いま住すんでいる地域ちいきでは保育園ほいくえんが不足ふそくしていて、妻つまの職場しょくば復帰ふっきに向むけて子育こそだてしやすい地域ちいきへ引っ越ひっこそうとマンション購入こうにゅうを検討けんとうしています。都内とないのマンションは高たかいですが、共働ともばたらきなのでなんとかしたいと思おもいます」と話はなしていました。

不動産ふどうさん会社かいしゃ側がわは、今後こんごのマンション販売はんばいはこうした共働ともばたらき世帯せたいなどのニーズにどれだけ応こたえられるかで売れ行うれゆきが左右さゆうされると見みています。野村のむら不動産ふどうさん住宅じゅうたく事業じぎょう本部ほんぶの鈴木すずき雅幸まさゆき課長かちょうは「共働ともばたらき世帯せたいを中心ちゅうしんに需要じゅようはおう盛おうせいです。今後こんごは立地りっちなどマンションの利便りべん性せいによって価格かかくが二に極きょく化かしていくのではないか」と話はなしていました。

価格かかくはピークをすぎたか

一方いっぽう、ここ数すう年ねんで新築しんちくマンションが値上ねあがりしすぎて、とても手てが届とどかないとして購入こうにゅうを諦あきらめるファミリー層そうが増ふえ、需要じゅようが郊外こうがいの戸建こだてや中古ちゅうこマンションなどに流ながれる動うごきも出でています。専門せんもん家かは、今後こんご、売れ行うれゆきが鈍にぶり新築しんちくマンションの価格かかくが徐々じょじょに下さがっていく可能かのう性せいがあると指摘してきしています。

東京とうきょうカンテイの井出いで武たけし上席じょうせき主任しゅにん研究けんきゅう員いんは「２に０ぜろ２に０ぜろ年ねんの東京とうきょうオリンピックまでを見みると価格かかくはピークを過すぎたと見みている。ことし後半こうはんから値下ねさげの動うごきも顕著けんちょになってくるのではないか。一方いっぽう、価格かかくが高たかくマンションを購入こうにゅうできなかった客きゃくがマグマのようにたまっていて、価格かかく調整ちょうせいが進すすめば再ふたたび販売はんばいが伸のびる可能かのう性せいがある」と話はなしています。