バレーボール女子じょし アメリカにストレート負まけ 五輪ごりんへ課題かだい残のこす

バレーボールの国際こくさい大会たいかい『ネーションズリーグ』は16日にち夜よる、北九州きたきゅうしゅう市しでの予選よせんラウンドの最終さいしゅう戦せんが行おこなわれ、日本にっぽんは東京とうきょう大会たいかいの金メダルきんめだるチームでパリ大会たいかい出場しゅつじょうを決きめているアメリカと対戦たいせんしました。

日本にっぽんは第だい1セット、高たかさのある相手あいての攻撃こうげきに苦くるしんで15対たい25で先取せんしゅされ、続つづく第だい2セットは序盤じょばんこそ競り合せりあったものの、サーブレシーブが立て続たてつづけに乱みだれるなどミスも重かさなり、18対たい25と2セット続つづけて失うしないました。

第だい3セットは和田わだ由紀子ゆきこ選手せんしゅの強烈きょうれつなバックアタックやエースの古賀こが紗しゃ理り那選手せんしゅのコースをついたスパイクで接戦せっせんに持ち込もちこみました。

終盤しゅうばんには20対たい24と先さきにセットポイントとされたところから石川いしかわ真しん佑たすく選手せんしゅや古賀こが選手せんしゅのスパイクなどで4連続れんぞくポイントを奪うばって追おいつく粘ねばりを見みせましたが、24対たい26でこのセットも落おとし、セットカウント0対たい3でストレート負まけしました。

日本にっぽんはこの大会たいかいの予選よせんラウンドを8勝しょう4敗はいで終おえ、オリンピックの出場しゅつじょう権けんは獲得かくとくしましたが、高たかさとパワーのある相手あいてへの対応たいおうや、ここ一番いちばんでの勝負しょうぶ強つよさには課題かだいを残のこしました。

パリオリンピックのバレーボール女子じょしの予選よせんリーグの組み合くみあわせ抽選ちゅうせんは今月こんげつ19日にちに行おこなわれます。

キャプテン 古賀こが「決きめきるための工夫くふう 足たりなかったのが反省はんせい」

キャプテンの古賀こが選手せんしゅは「チームとしてきょうはサーブで崩くずしても高たかさのあるトスで決きめられる場面ばめんが多おおかったので、そこはオリンピックに向むけて修正しゅうせいしないといけない課題かだいになる。個人こじんとしてはスパイクをもっと厳きびしいコースに打うつとか、決きめきるための工夫くふうが足たりなかったのが反省はんせいで、今後こんごも対戦たいせん国こくは日本にっぽんの対策たいさくをしてくると思おもうがそれでもしっかり決きめきれるように準備じゅんびしたい」と話はなしました。

そのうえで、この大会たいかいの予選よせんラウンド全体ぜんたいを振り返ふりかえり「去年きょねんより効果こうか的てきなサーブを打うてるようになって勝かつときはサーブが特とくによくなった。勝敗しょうはいがかかるセットの後半こうはんも落ち着おちついてプレーできていて、成長せいちょうを感かんじられた」と手応てごたえを話はなしていました。

眞まこと鍋なべ監督かんとく「残り少のこりすくない時間じかんだが修正しゅうせいしながら練習れんしゅうに取り組とりくむ」

眞まこと鍋なべ政義まさよし監督かんとくは高たかさとパワーがある相手あいてに攻守こうしゅで力負ちからまけした16日にちの試合しあいについて「セッターからのトスのスピードが少すこし遅おそくなるとアメリカのブロックにシャットアウトされてしまった。安全あんぜんにいくとこんな展開てんかいになってしまう。きょうはアメリカのブロックが常つねに2枚まいだった」と課題かだいを話はなしました。

そのうえでオリンピックに向むけて「われわれが目指めざすのはスピードと正確せいかく性せい、そして失点しってんを少すくなくするということにつきる。残り少のこりすくない時間じかんだがそれを修正しゅうせいしながら練習れんしゅうに取り組とりくんでいきたい」と話はなしていました。

“手応てごたえ”と“課題かだい”の見みえた12試合しあい

連日れんじつ満員まんいんとなった北九州きたきゅうしゅう市しのファンの前まえで6大会たいかい連続れんぞくのオリンピック出場しゅつじょうを決きめたバレーボール女子じょしの日本にっぽん代表だいひょう。『ネーションズリーグ』の予選よせんラウンドは8勝しょう4敗はい、手応てごたえと課題かだいの見みえた12試合しあいとなりました。

まず収穫しゅうかくはこれまでチームが課題かだいとしてきたセット終盤しゅうばんの勝負しょうぶ強つよさ、特とくに20点てん以降いこうの点てんの取とり方かたに手応てごたえを得えたことです。

パリオリンピック出場しゅつじょうを目指めざし、3年ねん前まえに2回かい目めの監督かんとく就任しゅうにんとなった眞まこと鍋なべ監督かんとくは「オリンピック本戦ほんせんよりも出場しゅつじょう権けんを得えるための予選よせんのほうが難むずかしい」と話はなし、本来ほんらいであれば去年きょねん9月つきのオリンピック予選よせんで出場しゅつじょう権けんを獲得かくとくできるのがベストだと話はなしていました。

しかし、その予選よせんで露呈ろていしたのがセット終盤しゅうばんの“勝負しょうぶ弱よわさ”でした。5勝しょう1敗はいで迎むかえ、勝かてばオリンピック出場しゅつじょうが決きまる最後さいごのブラジル戦せん。日本にっぽんは第だい1セット、21対たい21と終盤しゅうばんまで競り合せりあいますが、ここから4連続れんぞくポイントを奪うばわれて最初さいしょのセットを落おとします。

第だい2セットは取り返とりかえしましたが、第だい3セットは先さきにセットポイントをとったところから逆転ぎゃくてんで奪うばわれ、2対たい2で迎むかえた最終さいしゅうセットでも10対たい10から5連続れんぞく失点しってんで敗やぶれて予選よせん大会たいかいでの出場しゅつじょう権けん獲得かくとくを逃のがしました。

眞まこと鍋なべ監督かんとくは「数字すうじ的てきには本当ほんとうに紙一重かみひとえな試合しあいだったが、勝負しょうぶどころ、特とくに20点てん以降いこうの点てんの取とり方かたはかなり違ちがうと感かんじた。20点てん以降いこう、勝負しょうぶ強つよい選手せんしゅが何なん人にんコートにいられるか、そこは世界せかいとの間まにある壁かべかなと感かんじた」と話はなしました。

このあとチームは終盤しゅうばんの勝負しょうぶ強つよさの強化きょうかに重点じゅうてんを置おき、練習れんしゅうでは18対たい18など試合しあいの後半こうはんを想定そうていした段階だんかいから片方かたほうのチームが3ポイント連続れんぞくで奪うばわないと得点とくてんが入はいらない「ウォッシュゲーム」と呼よばれる実戦じっせん形式けいしきを繰り返くりかえしました。高たかい集中しゅうちゅう力りょくが必要ひつようで、ミスが許ゆるされないプレッシャーに打ち勝うちかつ精神せいしん力りょくも磨みがいたのです。

さらに、ことしのチームの立たち上あげ以降いこう、終盤しゅうばんの行き詰いきづまった場面ばめんでの攻撃こうげきの幅はばを広ひろげることにも取り組とりくんできました。今こん大会たいかいではその取り組とりくみの成果せいかが随所ずいしょに見みられました。

12日にちの韓国かんこく戦せんでは第だい3セットで相手あいてに粘ねばられ、23対たい23と終盤しゅうばんまで競り合せりあう展開てんかいとなるなかエースの古賀こが選手せんしゅが連続れんぞくでスパイクを決きめて勝かちきりました。

15日にちのセルビア戦せんでも第だい1セット、19対たい15とリードしたところからミスが出でて1点てん差さまで詰め寄つめよられましたが、古賀こが選手せんしゅや石川いしかわ選手せんしゅが確実かくじつに決きめて引き離ひきはなし、最後さいごは相手あいてが2人にんを警戒けいかいするなか、山田やまだ二に千せん華はな選手せんしゅが決きめて勝かちきるという、攻撃こうげきのバリエーションが生うまれました。

眞まこと鍋なべ監督かんとくも「予選よせん大会たいかいの悔くやしさを選手せんしゅたちが忘わすれずに、半年はんとし間かん継続けいぞくして練習れんしゅうに取り組とりくみ去年きょねんから比くらべると20点てん以降いこうのミスが本当ほんとうに少すくなくなってオリンピックの出場しゅつじょう権けんを獲得かくとくできた」と手応てごたえを話はなしました。

一方いっぽうで、高たかさのある相手あいてと対戦たいせんしたときの技術ぎじゅつ面めんや戦術せんじゅつ面めんは課題かだいが見みえました。

北九州きたきゅうしゅう市しでの第だい2戦せん、カナダとの試合しあいでは、身長しんちょうが1メートル90センチ近ちかい2人にんのアタッカーを止とめることができず、2人にんだけで60点てん近ちかい得点とくてんを挙あげられて敗やぶれました。

16日にちのアメリカ戦せんでは、古賀こが選手せんしゅや石川いしかわ選手せんしゅなど日本にっぽんのアタッカー陣じんのスパイクがことごとく相手あいてのブロックにかかり得点とくてんを取り切とりきれませんでした。

平均へいきん身長しんちょうの低ひくい日本にっぽんは、攻撃こうげき面めんではバックアタックを有効ゆうこうに使つかうことや、セッターのトスからアタッカーが打うつまでの時間じかんを短みじかくすることで高たかいブロックをかわす練習れんしゅうを繰り返くりかえしていて、オリンピックに向むけてはその精度せいどの向上こうじょうが勝利しょうりの鍵かぎを握にぎります。

「オリンピックまで時間じかんはないが修正しゅうせいしながら練習れんしゅうに取り組とりくんでいきたい」と話はなす眞まこと鍋なべ監督かんとく。2012年ねんのロンドン大会たいかい以来いらいのメダル獲得かくとくを目指めざす、バレーボール女子じょし日本にっぽん代表だいひょう。限かぎられた時間じかんでどれだけ進化しんかできるか注目ちゅうもくです。