ウクライナ政府せいふ “ゼレンスキー大統領だいとうりょう 訪日ほうにちしサミット出席しゅっせきへ”

また、その場合ばあい、原爆げんばく資料しりょう館かんを視察しさつする方向ほうこうで調整ちょうせいを進すすめているということです。

そのうえで、ゼレンスキー大統領だいとうりょうが広島ひろしまを訪問ほうもんした際さいには、アメリカのバイデン大統領だいとうりょうと首脳しゅのう会談かいだんを行おこなうことになるだろうと伝つたえています。

また、インドのモディ首相しゅしょうやブラジルのルーラ大統領だいとうりょうなどもG7広島ひろしまサミットに招待しょうたいされていることを踏ふまえ「ゼレンスキー大統領だいとうりょうがG7に出席しゅっせきすることで、インドやブラジルなどの指導しどう者しゃらがウクライナ支援しえんに対にたいして消極しょうきょく的てきな姿勢しせいをとり続つづけることをより難むずかしくする可能かのう性せいがあると、アメリカの政府せいふ関係かんけい者しゃは指摘してきしている」と報ほうじています。

また、サミットを通をつうじてロシアへの圧力あつりょくが一層いっそう強つよまり、ロシアを国際こくさい的てきに孤立こりつさせることを期待きたいしています。

広島ひろしまでの会合かいごうには、グローバル・サウスと呼よばれる新興しんこう国こくや途上とじょう国こくも出席しゅっせきし、中間ちゅうかん的てきな立場たちばをとっている国くにも少すくなくないことから、幅広はばひろく支援しえんを訴うったえたいとの考かんがえもあるものとみられます。

また、核かくをめぐる議論ぎろんも重要じゅうようなテーマととらえています。

ロシアのプーチン大統領だいとうりょうは、核かく戦力せんりょくの使用しようも辞じさない構かまえを繰り返くりかえし示しめしています。

そして、ロシア軍ぐんが占拠せんきょを続つづける南部なんぶのザポリージャ原子力げんしりょく発電はつでん所しょでは安全あんぜん性せいへの懸念けねんが強つよまっていて、ゼレンスキー大統領だいとうりょうは4月つきには「ロシアが原発げんぱつの施設しせつを利用りようして世界せかいを脅おどす機会きかいを与あたえてはならない」と強調きょうちょうしています。

このため被爆ひばく地ち・広島ひろしまで、核かくの脅おどしを許ゆるさないという強つよい姿勢しせいを示しめすねらいもあるとみられます。

岸田きしだ総理そうり大臣だいじんがことし3月つきにウクライナを訪問ほうもんし、ゼレンスキー大統領だいとうりょうと会談かいだんした際さいに出だした共同きょうどう声明せいめいの中なかでも、ロシアによる核兵器かくへいき使用しようの威嚇いかくが国際こくさい社会しゃかいの平和へいわと安全あんぜんに対にたいする深刻しんこく、かつ容認ようにんできない脅威きょういだとして非難ひなんしています。

そのうえで、過去かこ77年間ねんかんの核兵器かくへいき不ふ使用しようの歴史れきしをロシアが壊こわしてはならないと強調きょうちょうする内容ないようが声明せいめいに盛り込もりこまれました。

さらに、ゼレンスキー大統領だいとうりょうとしてはサミットを通をつうじて、自身じしんが提唱ていしょうするロシア軍ぐんの撤退てったいやウクライナの領土りょうどの一体いったい性せいの回復かいふくなどを含ふくむ10項目こうもくの和平わへい提案ていあんへの支持しじも取り付とりつけたい考かんがえです。

そのうえで、「ゼレンスキー大統領だいとうりょうには、ウクライナでは今いまも女性じょせいや子こどもたちをはじめ、多おおくの命いのちが失うしなわれ続つづけているという現実げんじつを世界せかいに訴うったえ、戦争せんそうを止とめるための具体ぐたい策さくを決きめてほしいです。世界せかいのリーダーたちとの協議きょうぎが実みのりあるものとなり、人々ひとびとが、また幸しあわせな日常にちじょうを取り戻とりもどすことを期待きたいしています」と話はなしていました。

ウクライナ東部とうぶのドニプロペトロウシク州しゅう出身しゅっしんで、もともとはコメディアンや俳優はいゆうとして活動かつどうする人気にんきタレントでした。

大統領だいとうりょうの役やくで出演しゅつえんしたドラマが大だいヒットしたことを受うけて、4年ねん前まえ、政治せいじ経験けいけんがないまま大統領だいとうりょう選挙せんきょに立候補りっこうほすると、若者わかものを中心ちゅうしんに幅広はばひろい支持しじを集あつめ、決選けっせん投票とうひょうでは70％を超こえる得票とくひょう率りつで、現職げんしょくを破やぶりました。

この年とし、天皇てんのう陛下へいかの即位そくいの礼れいに参列さんれつするため、オレーナ夫人ふじんとともに日本にっぽんを訪おとずれ、当時とうじの安倍あべ総理そうり大臣だいじんと会談かいだんも行おこないました。

ウクライナ東部とうぶでは、当時とうじすでに親しんロシア派は武装ぶそう勢力せいりょくとの戦闘せんとうが続つづいていて、ゼレンスキー氏しは東部とうぶの安定あんてい化かを目指めざすとともに、ロシアとの対話たいわも重視じゅうしする姿勢しせいを示しめしていましたが、ロシアの圧力あつりょくが強つよまる中なか、ウクライナ国内こくないでは「弱腰よわごしだ」と批判ひはんする声こえも上あがっていました。

ロシアによる軍事ぐんじ侵攻しんこう後ご、ゼレンスキー大統領だいとうりょうは首都しゅとキーウの大統領だいとうりょう府ふに残のこって、ロシアに屈くっしないという意志いしをSNSなどで積極せっきょく的てきに発信はっしんしました。

連日れんじつ、ウクライナの国くに章しょうをあしらった服ふくなどに身みを包つつみ、SNSの動画どうがで国民こくみんに語かたりかけて結束けっそくを訴うったえたり、国際こくさい社会しゃかいに対にたいして支援しえんを呼よびかけたりしています。

また、欧米おうべい各国かっこくの要人ようじんとの会談かいだんや国際こくさい会議かいぎでの演説えんぜつを重かさね、プーチン政権せいけんに軍事ぐんじ侵攻しんこうの継続けいぞくを断念だんねんさせる追加ついかの強力きょうりょくな経済けいざい制裁せいさいを科かすよう訴うったえるとともに、ウクライナに対にたいする軍事ぐんじ的てき・人道的じんどうてきな支援しえんを求もとめてきました。

ウクライナ軍ぐんが領土りょうどの奪還だっかんを目指めざしてロシア側がわへの抗戦こうせんを続つづける中なか、積極せっきょく的てきに現場げんばに赴おもむき、4月つきには東部とうぶドネツク州しゅうの激戦げきせん地ちの一ひとつのアウディーイウカを訪おとずれ、現地げんちの司令しれい官かんから報告ほうこくを受うけたうえで「望のぞむことは勝利しょうりだけだ」として戦闘せんとうを続つづける兵士へいしらを激励げきれいしました。

毎年まいとし、世界せかいに最もっとも影響えいきょうを与あたえた「ことしの人ひと」を発表はっぴょうしているアメリカの雑誌ざっし「タイム」は、去年きょねん、ゼレンスキー大統領だいとうりょうと「ウクライナの精神せいしん」を選えらんでいます。

ことし3月つきには、G7広島ひろしまサミットを前まえに首都しゅとキーウを訪おとずれた岸田きしだ総理そうり大臣だいじんとも会談かいだんし、日本にっぽんが議長ぎちょう国こくとして果はたす役割やくわりに期待きたいを示しめしていました。

ワシントンでバイデン大統領だいとうりょうと首脳しゅのう会談かいだんを行おこなったほか、連邦れんぽう議会ぎかいで演説えんぜつし「皆みなさんの支援しえんは慈善じぜん行為こういではない。世界せかいの安全あんぜん保障ほしょうと民主みんしゅ主義しゅぎへの投資とうしだ」と述のべ、支援しえんの継続けいぞくと、さらなる兵器へいきの供与きょうよを求もとめました。

ゼレンスキー大統領だいとうりょうは、5月つきに入はいって外国がいこくへの訪問ほうもんを相次あいついで行いっていて、初旬しょじゅんにはフィンランドとオランダ、5月つき13日にちから15日にちにかけては、イタリア、バチカン、ドイツ、フランス、イギリスを訪問ほうもんしました。

これまでゼレンスキー大統領だいとうりょうは軍事ぐんじ侵攻しんこう以降いこう、欧米おうべい各国かっこく以外いがいに訪問ほうもんしたことはなく、日本にっぽんを訪おとずれた場合ばあい、アジアでは初はじめての訪問ほうもん先さきとなります。