銀行ぎんこうのシステム障害しょうがい相次あいつぐ なぜ？サイバー攻撃こうげきの可能かのう性せいは？

銀行ぎんこうのシステム障害しょうがいが相次あいついだのはなぜなのか。

関連かんれんはあるのか。

サイバー攻撃こうげきによる可能かのう性せいは？

これまでの取材しゅざいで明あきらかになったことを詳くわしくお伝おつたえします。

Q：サイバー攻撃こうげきの可能かのう性せいは？

松野まつの官房かんぼう長官ちょうかんは午後ごごの記者きしゃ会見かいけんで「金融きんゆう庁ちょうへの報告ほうこくによれば、今回こんかいの障害しょうがいの原因げんいんはサイバー攻撃こうげきの可能かのう性せいは低ひくく、『全ぜん銀ぎんシステム』と金融きんゆう機関きかんをつなぐシステムを先週せんしゅう末まつに更改こうかいしたことに伴ともない生しょうじた不具合ふぐあいと考かんがえられる」と述のべました。

また、全ぜん銀ぎんネットもサイバー攻撃こうげきの影響えいきょうではないとしています。

Q：「全ぜん銀ぎんネット」どんなシステム？

全ぜん銀ぎんネット＝「全国ぜんこく銀行ぎんこう資金しきん決済けっさいネットワーク」は、全国ぜんこく銀行ぎんこう協会きょうかいの関連かんれん組織そしきで、金融きんゆう機関きかんどうしの資金しきん取り引とりひきをオンライン処理しょりする「全ぜん銀ぎんシステム」＝全国ぜんこく銀行ぎんこうデータ通信システムで-たつうしんしすてむを運営うんえいしています。

この「全ぜん銀ぎんシステム」は全国ぜんこく1100以上いじょうの金融きんゆう機関きかんをネットワークで結むすぶ基幹きかんシステムで、1日にち平均へいきんおよそ770万まん件けん、金額きんがくにして13兆ちょう円えんあまりの取引とりひきデータを処理しょりしているということです。

システムは平日へいじつの午前ごぜん8時半じはんから午後ごご3時半じはんまでの入金にゅうきんに対応たいおうした「コアタイムシステム」と、平日へいじつの夜間やかんと土日どにちや祝日しゅくじつに対応たいおうする「モアタイムシステム」の2つのシステムで構成こうせいされ、取引とりひきデータが金融きんゆう機関きかんの間までやりとりされる振り込ふりこみなどのデータを集中しゅうちゅう的てきに処理しょりし、ほぼリアルタイムで受取うけとり人じんの口座こうざに資金しきんが入金にゅうきんされる「迅速じんそく性せい」が最大さいだいの特徴とくちょうだとうたっています。

Q：システム障害しょうがい発生はっせい その時ときに何なにが？

システムを運営うんえいする全ぜん銀ぎんネット＝「全国ぜんこく銀行ぎんこう資金しきん決済けっさいネットワーク」によりますと、今回こんかいの不ふ具合ぐあいは「全ぜん銀ぎんシステム」と各かく金融きんゆう機関きかんをつなぐ中継ちゅうけいコンピューターの部分ぶぶんで発生はっせいしたということです。

全ぜん銀ぎんネットは、9日にちまでの連休れんきゅう中ちゅうに新あたらしい中継ちゅうけいコンピューターに更新こうしんし、14の金融きんゆう機関きかんと接続せつぞくする作業さぎょうを行おこなっていたということで、10日にちの朝あさ、夜間やかんに稼働かどうするシステムから日にち中ちゅう向むけのシステムに切り替きりかえたところ、午前ごぜん8時半じはんごろ障害しょうがいが発生はっせいしたことがわかったということです。

10日にちから復旧ふっきゅう作業さぎょうを続つづけていますが、11日にち朝あさまでにシステムの正常せいじょう化かの見通みとおしが立たたたなかったため、全ぜん銀ぎんネットは他行たぎょう宛あての振り込ふりこみができなくなっている11の金融きんゆう機関きかんについて、代替だいたい手段しゅだんでの対応たいおうを続つづけています。金融きんゆう機関きかんが取り引とりひきデータをファイルで全ぜん銀ぎんシステムに直接ちょくせつ持ち込もちこんだり、送おくったりして処理しょりする方法ほうほうで、通常つうじょうの取り引とりひきより時間じかんがかかるとしています。

今回こんかいの不ふ具合ぐあいの原因げんいんについて全ぜん銀ぎんネットは、中継ちゅうけいコンピューターに整備せいびされている取り引とりひきにかかる費用ひようをチェックする機能きのうに問題もんだいがあった可能かのう性せいがあるとしています。

ただ、この機能きのうについてはシステムを利用りようする金融きんゆう機関きかんの参加さんかも得えながら稼働かどうに向むけたテストを行おこなったということで、全ぜん銀ぎんネットは、なぜ今回こんかいの不ふ具合ぐあいの復旧ふっきゅうに時間じかんがかかっているのか要因よういん分析ぶんせきを行おこなうとしています。

システムは1973年ねんに稼働かどうを始はじめましたが金融きんゆう機関きかんの顧客こきゃくの取り引とりひきに影響えいきょうを及およぼす形かたちで不ふ具合ぐあいが発生はっせいしたのはこの50年間ねんかんで初はじめてだとしています。

Q：ゆうちょ銀行ぎんこうのシステム障害しょうがいとの関係かんけいは？

ゆうちょ銀行ぎんこうは、10日にち朝あさ、インターネットやスマートフォンのサービスでシステム障害しょうがいが発生はっせいし、

▽インターネットバンキングの「ゆうちょダイレクト」と、

▽スマートフォン決済けっさいの「ゆうちょPay」は、その後そのご、復旧ふっきゅうしたものの、

▽スマートフォン上じょうで残高ざんだか確認かくにんや送金そうきんを行おこなう「ゆうちょ通帳かよいちょうアプリ」は11日にちになっても利用りようできない状態じょうたいが続つづいていました。

会社かいしゃによりますと、復旧ふっきゅう作業さぎょうを進すすめた結果けっか、11日にち午後ごご6時じごろにはこのアプリのサービスの不ふ具合ぐあいも解消かいしょうし、全面ぜんめん的てきに復旧ふっきゅうしたということです。

ゆうちょ銀行ぎんこうは、今回こんかいの障害しょうがいは社内しゃないのシステムで発生はっせいしたものであり、全ぜん銀ぎんネット＝全国ぜんこく銀行ぎんこう資金しきん決済けっさいネットワークが運営うんえいするシステムの不具合ふぐあいとは関連かんれんはないとしています。そのうえで、このアプリのサービスの不ふ具合ぐあいは、サーバーの不調ふちょうが原因げんいんとみて調査ちょうさを進すすめているということです。