松尾まつおのせどさく

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Oct 17, 2023 07:10 143
Furigana
日本报纸

昔四国むかししこく松尾まつおあたりにせどさくといううでのいい猟師りょうしがいた。

あるいつものようにいぬのシロとりょう出掛でかけ、さわでひとやすみしていると、さわこうおおきないのししがいた。立派りっぱいのししだったのでせどさくはしとめてやろうと、シロに反対側はんたいがわまわりこんでこちらさそいこむよう指示しじした。
が、なぜかシロは気乗きのしない様子ようすごうをにやしたせどさくはそのゆみいのししはなった。

するといのしし命中めいちゅうしたが、なにあたまたってかえり、いのししそのままげていった。シロがひろって矢尻やじりてせどさくはおどろいた。矢尻やじりにはあぶらがべっとりとついている。このいのしし大変歳たいへんとし身体しんたいのヤニでかためられており、それでかよらなかったのだ。せどさくはますますこのいのししをしとめたくなり、またっていった。

正面しょうめんからはしとめられないとったせどさくは、おかうえからいのしししりめがけてはなった。しかしはな寸前すんぜん、シロが突然猪とつぜんいのししかってえ、それ気付きづいたいのししをかわしまたげてしまった。せどさくはこんなときえるやつがあるかとシロをしかりつけたが、シロはそのままどこかへってしまった。シロの行動こうどう不審ふしんおもいながらも、せどさくはいのししけた。

するといのししはせどさくがのを予想よそうしていたのか真正面まっしょうめんあたまけて身構みがまえている。せどさくはこうなったらいのししやわらかいはらいてしとめる他無たむいとおもい、山刀やまがたないていのしし正身構せいみがまえた。そしていのしし突進とっしんし、せどさくにびかかった。せどさくはいのししともてんがりながら山刀やまがたないのししはらて、ようやくいのししいきめた。

そしてよる、たきをしてやすんでいるとげたシロがもどってきた。さっきことゆるからこっちめしでもえとったが、いのしし死体したいたシロは突然水とつぜんみずけてたきしてしまった。 せどさくはまたをつけたが、シロはふたたもどってきてたきしてしまった。いかったせどさくは山刀やまがたなきシロをころしてしまった。

そのときせどさくはあることに気付きづいた。このいのししは、せどさくにとって千匹目せんびきめいのししだったのだ。このあたではいのしし千匹狩せんひきかりをするとたたりがあり、狩人かりゅうど寿命じゅみょうきるわれていた。シロはそのことをっていて、いのししのをいやがったのだ。せどさくはシロに わることをしたとび、シロをめてやった。

しかしなぜシロがたきをかきしたのかからなかったが、せどさくはおもした。ものはたきあき近付ちかづいてくるのだった。とそのときなにかの気配けはい気付きづきせどさくがかえと、そこにはとてつもなく巨大きょだいものがせどさくをにらんでいた。おどろいたその瞬間しゅんかん、せどさくはものにつかまれ谷底たにそこはなまれてしまった。その、せどさくの姿すがたものだれもいない。

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