「NauNau」230万まん人にん以上いじょう 位置いち情報じょうほうなど外部がいぶから閲覧えつらん可能かのうな状態じょうたいに

会社かいしゃ側がわは事実じじつを認みとめ、アプリのサービス提供ていきょうを21日にちから一時いちじ、停止ていしするとともに、今後こんご、第三者だいさんしゃ機関きかんによる調査ちょうさを行おこなう考かんがえを示しめしました。

230万まん人にん分ぶん以上いじょうの位置いち情報じょうほうやチャット履歴りれきが

友人ゆうじんなどの居場所いばしょをリアルタイムで共有きょうゆうし、チャット機能きのうなども利用りようできる位置いち情報じょうほう共有きょうゆうアプリ「NauNau」は、去年きょねん9月つきにサービスを開始かいしし、開発かいはつした会社かいしゃの「Suishow」によりますと、現在げんざいはダウンロード数すうが450万まん件けんを超こえる若わかい世代せだいなどに人気にんきのアプリです。

しかし、複数ふくすうの関係かんけい者しゃによりますと、このアプリはサービス開始かいしの時点じてんからセキュリティー対策たいさくが不十分ふじゅうぶんで、少すくなくとも230万まん人にん分ぶん以上いじょうのユーザーの位置いち情報じょうほうやチャット上じょうのやりとりの履歴りれきなどが一時いちじ、一定いっていのITの知識ちしきがあれば外部がいぶから閲覧えつらん可能かのうな状態じょうたいになっていたことがわかりました。

開発かいはつした「Suishow」は、去年きょねん12月つきから複数ふくすう回かいにわたって指摘してきを受うけ、事態じたいを認識にんしきしていましたが、チャットの履歴りれきはことし3月つきまで、位置いち情報じょうほうの履歴りれきは少すくなくとも4月つき末まつまで外部がいぶから閲覧えつらん可能かのうな状態じょうたいが続つづいていたということです。

また、国くにの個人こじん情報じょうほう保護ほご委員いいん会かいなどへの報告ほうこくや利用りよう者しゃへの通知つうちも行おこなっていなかったということです。

サービス提供ていきょうを一時いちじ停止ていし 第だい三さん者しゃ機関きかんの調査ちょうさへ

「Suishow」はことし6月つき、モバイルゲーム事業じぎょうなどを手てがける「モバイルファクトリー」に会社かいしゃを売却ばいきゃくし、現在げんざい、子会社こがいしゃとして運営うんえいを続つづけています。

NHKの取材しゅざいに対にたいし会社かいしゃ側がわは事実じじつを認みとめ、親会社おやがいしゃの「モバイルファクトリー」はアプリのサービス提供ていきょうを21日にちから一時いちじ、停止ていしするとともに、今後こんご、システムの改修かいしゅうを行おこなったうえで第だい三さん者しゃ機関きかんによる調査ちょうさを行おこなう考かんがえを示しめしました。

モバイルファクトリーは「皆様みなさまに多大ただいなるご迷惑めいわくとご心配しんぱいをお掛かけしていることを深ふかくお詫おわび申し上もうしあげます。現在げんざい、漏洩ろうせつの可能かのう性せいを含ふくめ事実じじつ確認かくにんを行おこなっていて、今後こんご、公表こうひょうすべき内容ないようが発生はっせいした場合ばあいには速すみやかに開示かいじします」とコメントしています。

またアプリを開発かいはつし運営うんえいする「Suishow」は、「関係かんけい者しゃの皆みなさまに深ふかくお詫おわび申し上もうしあげます。今回こんかい、個人こじん情報じょうほうの不正ふせい利用りようや2次じ被害ひがいは報告ほうこくされていませんが、今後こんごは外部がいぶの専門せんもん家かと検討けんとうの上うえ継続けいぞく的てきにセキュリティーを強化きょうかいたします」とコメントしています。

若わかい世代せだいに人気にんきのアプリ「NauNau」とは

「NauNau」は「Suishow」が開発かいはつした位置いち情報じょうほう共有きょうゆうアプリで、GPSの位置いち情報じょうほうを家族かぞくや友人ゆうじんなどとリアルタイムで共有きょうゆうできるほか、チャット機能きのうなども備そなえられています。

スマートフォンなどにアプリをインストールして、同おなじアプリを使つかっている人ひとを「友達ともだち」として承認しょうにんすると、相手あいてが今いまいる場所ばしょをリアルタイムで知しることができるほかどこにどのくらいの時間じかん滞在たいざいしていたかなどの情報じょうほうも共有きょうゆうできるということです。

会社かいしゃによりますと、ダウンロード数すうは現在げんざい、450万まん件けん以上いじょうとなっていて、若わかい世代せだいを中心ちゅうしんに人気にんきを集あつめています。

「Suishow」はことし6月つきにモバイルゲーム事業じぎょうなどを手てがける会社かいしゃの「モバイルファクトリー」に10億おく円えんで会社かいしゃを売却ばいきゃくし、現在げんざいは「モバイルファクトリー」の子会社こがいしゃとして「NauNau」の運営うんえいを続つづけています。

開発かいはつの関係かんけい者しゃ「『サービス中止ちゅうしだけはできない』と言いわれた」

「NauNau」の開発かいはつに携たずさわった関係かんけい者しゃがNHKのインタビューに応おうじ、「外部がいぶから閲覧えつらんできる状態じょうたいになっていたことに気付きづいた時ときはすでにユーザー数すうもかなりの数かずに上のぼっていたのでとても驚おどろいた。社内しゃないではサービスの提供ていきょうを一時いちじ中止ちゅうしすべきだという声こえも上あがったが、『サービスの中止ちゅうしだけはできない』と言いわれた。結局けっきょく、システムの改修かいしゅうを始はじめてから完了かんりょうするまでに1か月かげつ以上いじょうかかってしまった」と話はなしました。

その上うえで「当時とうじ、他社たしゃとの競合きょうごうがあり、サービスを中止ちゅうしするとユーザーが離はなれてしまうという懸念けねんがあったのだと思おもう。自分じぶんも、もっと早はやい段階だんかいから説得せっとくするなど、できることがあったのではないかと後悔こうかいしている」と話はなしていました。

専門せんもん家か “行政ぎょうせい指導しどうや処分しょぶんの可能かのう性せい高たかいケース”

個人こじん情報じょうほうの保護ほごやインターネットに関にかんする法律ほうりつ問題もんだいに詳くわしい森もり亮二りょうじ弁護士べんごしは「ユーザーのGPSの位置いち情報じょうほうを安全あんぜんに管理かんりできていなかったとすれば、個人こじん情報じょうほう保護ほご法ほう上じょうの安全あんぜん管理かんり措置そちの義務ぎむ違反いはんになり得える。チャットの履歴りれきもプライバシー性せいが高たかい通信つうしんの秘密ひみつとして法的ほうてきに強つよく保護ほごされていて、今回こんかいの事案じあんは件数けんすうも大だい規模きぼなことから行政ぎょうせいによる指導しどうや処分しょぶんが行おこなわれる可能かのう性せいが高たかいケースだと思おもう」と指摘してきしています。

その上うえで「GPSの位置いち情報じょうほうをずっと記録きろくしているということは、数すう日にち分ぶんを見みればユーザーの自宅じたくや勤め先つとめさき、学校がっこうもわかり、完全かんぜんに個人こじんを特定とくていできてしまう。非常ひじょうにセンシティブな個人こじん情報じょうほうという扱あつかいになり、本来ほんらいであれば特とくにしっかりと守まもる必要ひつようがある情報じょうほうだ」と話はなしています。