NATO 米べいの関与かんよ低下ていかを懸念けねん 今後こんごのあり方ありかたやロシアへの対応たいおうは

そのなかで各国かっこくの注目ちゅうもくはアメリカの次期じき大統領だいとうりょうが「誰だれになるか」です。

もし、トランプ氏しが返り咲かえりざいたら…。

NATOのあり方ありかたを見直みなおす？ロシアやウクライナへの対応たいおうは？

トランプ氏しをよく知しるアメリカの元もと大使たいしやヨーロッパ側がわで対応たいおうした元もと大使たいしに取材しゅざいしました。

トランプ氏し 「負担ふたん軍事ぐんじ費ひが十分じゅうぶんでないなら防衛ぼうえいしない」

トランプ氏しは2月つき、南部なんぶサウスカロライナ州しゅうで開ひらかれた選挙せんきょ集会しゅうかいで。西洋せいよう文明ぶんめいにとって最大さいだいの脅威きょういはロシアではない」と述のべ、NATOのあり方ありかたを見直みなおすと強調きょうちょうしています。

NATOは国防こくぼう費ひ増ぞうでアピール

NATO加盟かめい各国かっこくは、NATOの軍事ぐんじ態勢たいせいを確保かくほし続つづけるため、GDP＝国内こくない総そう生産せいさんの少すくなくとも2％を国防こくぼう費ひにあてることを2014年ねんの首脳しゅのう会議かいぎで正式せいしきに合意ごういしました。

NATOによりますと、2014年ねんの時点じてんで目標もくひょうを達成たっせいしたのは3か国かこくでしたが、2024年ねんは32か国かこくのうち、23か国かこくが達成たっせいする見通みとおしです。

NATOのストルテンベルグ事務じむ総長そうちょうは6月つき、ワシントンで記者きしゃ団だんに対にたいし「ことしは23か国かこくがGDPの2％以上いじょうを国防こくぼう費ひにあてた。これは4年ねん前まえの2倍ばいで、より多おおくの国くにが安全あんぜん保障ほしょうに投資とうししていることの証明しょうめいだ」と述のべ、ヨーロッパは集団しゅうだん防衛ぼうえいへの関与かんよを強つよめているとアピールしました。

NATO国防こくぼう費ひをめぐって

米べい元もと大使たいし「トランプ氏し望のぞむのは欧州おうしゅうがより多おおくの軍事ぐんじ費ひ使つかうこと」

もしトランプ氏しが大統領だいとうりょうに返り咲かえりざいたらどうなるのか。

トランプ前ぜん大統領だいとうりょうをよく知しるアメリカのソンドランド元もとEU大使たいしがNHKのインタビューに応おうじました。

ソンドランド氏しは2017年ねんのトランプ氏しの大統領だいとうりょう就任しゅうにんに向むけて多額たがくの資金しきん援助えんじょを行おこなった有力ゆうりょくな支援しえん者しゃの1人にんで、トランプ政権せいけんで2018年ねんから20年ねんまでEU大使たいしを務つとめました。

トランプ氏しがNATOのあり方ありかたを見直みなおすと訴うったえていることについて「トランプ氏しは、ヨーロッパには、これまでアメリカが背負せおってきた多おおくの負担ふたんを背負せおうだけの力ちからがあると信しんじていて、その負担ふたんの多おおくをヨーロッパに移うつしたいと考かんがえている。だ」と述のべました。

さらに、NATO23か国かこくが国防こくぼう費ひの負担ふたん目標もくひょうを達成たっせいする見通みとおしとなっていることについて「ヨーロッパが必要ひつようとしているすべてのものや、起おきているさまざまなことを考かんがえれば、トランプ氏しが2％で満足まんぞくすることはない。彼かれはヨーロッパに圧力あつりょくをかけ続つづける」と述のべ、さらなる負担ふたんを求もとめるという見方みかたを示しめしました。

独どく元もと大使たいし “トランプ氏し さらなる国防こくぼう費ひの増額ぞうがく求もとめる可能かのう性せいも”

増額ぞうがくの予想よそうはヨーロッパ側がわでも出でています。

インタビューしたのは2023年ねんまでドイツの駐米ちゅうべい大使たいしを務つとめていたエミリー・ハーバー氏しです。トランプ氏しについて「大統領だいとうりょうの任期にんき中ちゅう、安全あんぜん保障ほしょう上じょうの利益りえきと経済けいざい問題もんだいという直接ちょくせつ関係かんけいがない2つのものを結むすびつけてきて非常ひじょうに対応たいおうが難むずかしかった」と述のべ、トランプ氏しが再ふたたび大統領だいとうりょうになればヨーロッパは対応たいおうに苦慮くりょするという見方みかたを示しめしました。

そのうえで「」と述のべ、トランプ氏しが国防こくぼう費ひのさらなる増額ぞうがくを求もとめる可能かのう性せいがあると指摘してきしました。

ドイツ 第だい2次じ世界せかい大戦たいせん後ご初はじめて軍ぐん派遣はけん 防衛ぼうえい強化きょうかアピール

国防こくぼう費ひの増額ぞうがくの可能かのう性せいも指摘してきされるなか、防衛ぼうえいに貢献こうけんする姿勢しせいを強調きょうちょうしているのがドイツです。トランプ氏しが大統領だいとうりょう在任ざいにん中ちゅうには、国防こくぼう費ひの負担ふたんが少すくないと名指なざしで批判ひはんされていました。

ドイツ政府せいふは2023年ねん、NATOに加盟かめいするバルト三さん国こくのリトアニアの防衛ぼうえいを担になうため5000人にん規模きぼの部隊ぶたいの駐留ちゅうりゅうを決きめ、来年らいねんから本格ほんかく的てきな派遣はけんを始はじめる予定よていです。ドイツ軍ぐんの外国がいこくでの常駐じょうちゅうは第だい2次じ世界せかい大戦たいせん後ご、初はじめてです。

リトアニアには、安全あんぜん保障ほしょう上じょうの懸念けねんから「NATOのアキレスあきれすけん」とも呼よばれるロシアの飛び地とびちのカリーニングラードとベラルーシに挟はさまれた長ながさ100キロほどの国境こっきょう地帯ちたい「スバウキ回廊かいろう」があり、防衛ぼうえいの重要じゅうよう性せいが増ましています。

ドイツ軍ぐんは5月つきにリトアニアでロシアによる攻撃こうげきへの対処たいしょを想定そうていしたとみられる大だい規模きぼな軍事ぐんじ演習えんしゅうを報道ほうどう陣じんに公開こうかいしました。演習えんしゅうではドイツ軍ぐんの主力しゅりょく部隊ぶたいが敵てきと交戦こうせんして後退こうたいするリトアニア軍ぐんの救援きゅうえんにかけつけ、主力しゅりょく戦車せんしゃの「レオパルト2」や最さい新鋭しんえいの歩兵ほへい戦闘せんとう車しゃ「プーマ」などが一斉いっせい射撃しゃげきを行おこない、撃退げきたいしていきました。

ドイツ軍ぐんトップのブロイヤー総監そうかんは、NATOの集団しゅうだん防衛ぼうえいについて「ヨーロッパ側がわがもっと責任せきにんを持もたなければならない」と述のべヨーロッパの加盟かめい国こくがいっそう貢献こうけんする必要ひつようがあると強調きょうちょうしました。その一方いっぽうでNATOの集団しゅうだん防衛ぼうえいは「共ともに成し遂なしとげるもの」とも述のべアメリカの関与かんよが不可欠ふかけつだという認識にんしきも示しめしました。

ロシアとウクライナの動うごきへの対応たいおうは

米べい元もと大使たいし「トランプ氏しはプーチン氏しに対にたいし強つよい姿勢しせいで臨のぞんできた」

ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうについて、トランプ氏しをよく知しるアメリカのソンドランド元もとEU大使たいしは、個人こじん的てきな意見いけんだと断ことわったうえで「トランプ氏しは、両りょう大統領だいとうりょうと協議きょうぎに入はいるだろう。プーチン大統領だいとうりょうに対にたいしては、『ゼレンスキー大統領だいとうりょうとの取り引とりひきに応おうじるか、アメリカがゼレンスキー大統領だいとうりょうが望のぞむあらゆる武器ぶきを与あたえるか、どちらかだ』という厳きびしいメッセージを送おくるだろう」と述のべました。

またトランプ氏しが、プーチン氏しを「賢かしこい」と評価ひょうかしてきたことなどから、「独裁どくさい者しゃに魅了みりょうされているのではないか」との指摘してきが出でていることについて』というものだ」と述のべ、トランプ氏しはプーチン氏しに対にたいし強つよい姿勢しせいで臨のぞんできたと明あきらかにしました。

独どく元もと大使たいし「“露ろ勝利しょうりでも米べい覇権はけんに影響えいきょう及およばない”と考かんがえる懸念けねんが」

ドイツの駐米ちゅうべい大使たいしを務つとめていたエミリー・ハーバー氏しは、ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうについて「ヨーロッパ諸国しょこくがいかに自国じこくの防衛ぼうえいに多額たがくの投資とうしをしなければいけないかを示しめすものだった」と述のべ、としています。

その一方いっぽう、トランプ氏しがロシアは最大さいだいの脅威きょういではないとか、交渉こうしょうでウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうを終おわらせると主張しゅちょうしていることについて「。われわれはロシアへの非常ひじょうに明確めいかくな姿勢しせいから後退こうたいすることの結果けっかを説明せつめいし、世界せかいのほかの地域ちいきに与あたえる長期ちょうき的てきな影響えいきょうについて指摘してきする」と述のべ、アメリカがNATOの集団しゅうだん防衛ぼうえいで中核ちゅうかく的てきな役割やくわりを果はたし続つづけるよう働はたらきかけが欠かかせないという考かんがえを示しめしました。