日本新聞: 衆院法務委選択的夫婦別姓立民・維新・国民の法案が審議入り

選択せんたく的てき夫婦ふうふ別姓べっせいをめぐり、立憲りっけん民主党みんしゅとう、日本にっぽん維新いしんの会かい、国民こくみん民主党みんしゅとうがそれぞれ提出ていしゅつした法案ほうあんは、衆議院しゅうぎいん法務ほうむ委員いいん会かいで趣旨しゅし説明せつめいが行おこなわれ、審議しんぎ入いりしました。

30日にちの衆議院しゅうぎいん法務ほうむ委員いいん会かいでは、選択せんたく的てき夫婦ふうふ別姓べっせいをめぐり、立憲りっけん民主党みんしゅとう、日本にっぽん維新いしんの会かい、国民こくみん民主党みんしゅとうがそれぞれ提出ていしゅつした法案ほうあんの趣旨しゅし説明せつめいを行おこないました。

立憲りっけん民主みんしゅ党とうの制度せいどの導入どうにゅうに向むけた法案ほうあんは、夫婦ふうふが別姓べっせいを選えらぶ場合ばあい、子こどもの姓せいをどちらにするかは結婚けっこんする時ときに決きめるなどとしています。

黒岩くろいわ宇洋ひろし氏しは「国民こくみんの価値かち観かんの多様たよう化かや世論せろんの動向どうこうにかんがみ、個人こじんの尊重そんちょうと男女だんじょの対等たいとうな関係かんけい構築こうちくなどの観点かんてんから制度せいどを導入どうにゅうしようとするものだ」と述のべました。

維新いしんの会かいの法案ほうあんは、制度せいどの導入どうにゅうではなく、希望きぼうする人ひとが旧姓きゅうせいを戸籍こせきに記載きさいすることなどで、結婚けっこん後ごも旧姓きゅうせいを通称つうしょうとして使用しようできるとしています。

萩原はぎはら佳けい氏しは「婚姻こんいんで氏しを改あらためた人ひとが社会しゃかい生活せいかつで不利益ふりえきを受うける事態じたいが増加ぞうかしていて解消かいしょうは急務きゅうむだ。

婚姻こんいん前まえの氏しを通称つうしょうとして使用しようする機会きかいを法制ほうせい上じょう確保かくほする」と述のべました。

国民こくみん民主みんしゅ党とうの、制度せいどの導入どうにゅうに向むけた法案ほうあんは、戸籍こせき制度せいどの存続そんぞくを前提ぜんていに、夫婦ふうふが別姓べっせいを選えらぶ場合ばあい、結婚けっこんする際さいにどちらかを戸籍こせきの筆頭ひっとう者しゃと定さだめ、子こどもは筆頭ひっとう者しゃと同おなじ姓せいにするとしています。

円まどかより子よりこ氏しは「現行げんこうの戸籍こせき制度せいどの根幹こんかんを維持いじしつつ、個人こじんのアイデンティティーの重要じゅうような要素ようそである氏しを保持ほじする人格じんかく的てき利益りえきを保護ほごするため、制度せいどを導入どうにゅうするものだ」と述のべました。

自民じみん・公明こうめい両りょう党とうは、法案ほうあんを提出ていしゅつせずに、野党やとう3党とうの法案ほうあんの審議しんぎに臨のぞむ方針ほうしんです。

衆議院しゅうぎいん法務ほうむ委員いいん会かいで選択せんたく的てき夫婦ふうふ別姓べっせいに関にかんする法案ほうあんの審議しんぎが行おこなわれるのは、1997年ねん以来いらい28年ねんぶりです。

林はやし官房かんぼう長官ちょうかん「国民こくみんの理解りかい形成けいせいが重要じゅうよう」

林はやし官房かんぼう長官ちょうかんは午後ごごの記者きしゃ会見かいけんで「夫婦ふうふの氏しのあり方ありかたについては現在げんざいも国民こくみんの間まにさまざまな意見いけんがあり、具体ぐたい的てきな制度せいどのあり方ありかたも各党かくとう、各かく議員ぎいんでさまざまな考え方かんがえかたがあると認識にんしきしている。

国会こっかいで建設けんせつ的てきな議論ぎろんが行おこなわれ、幅広はばひろい国民こくみんの理解りかいが形成けいせいされることが重要じゅうようだ」と述のべました。

鈴木すずき法相ほうしょう「情報じょうほう提供ていきょうに努つとめる」

鈴木すずき法務ほうむ大臣だいじんは、30日にちの記者きしゃ会見かいけんで「夫婦ふうふの氏しのあり方ありかたは、さまざまな意見いけんがあり、さまざまな課題かだいを解決かいけつすることは極きわめて重要じゅうようだが、同時どうじに、それぞれ思おもいを持もつ多おおくの国民こくみんがいる。

衆議しゅうぎ院いんの法務ほうむ委員いいん会かいで議論ぎろんがスタートするということで、法務省ほうむしょうとしてもさまざまな情報じょうほう提供ていきょうにしっかり努つとめてまいりたい」と述のべました。

立たつ民みん野田のだ代表だいひょう「議論ぎろん主導しゅどうし結論けつろんを」

立憲りっけん民主みんしゅ党とうの野田のだ代表だいひょうは記者きしゃ会見かいけんで「国民こくみん民主みんしゅ党とうの案あんは、立憲りっけん民主みんしゅ党とうの案あんと根幹こんかんは変かわらないと思おもっているので、意見いけんのすり合すりあわせなどができればいい。

制度せいどの実現じつげんを待まち続つづけている人ひともたくさんいるので、限かぎられた会期かいきの範囲はんい内ないで結論けつろんを得えるように議論ぎろんを主導しゅどうしていきたい」と述のべました。

公明こうめい斉藤さいとう代表だいひょう「自民じみん含ふくめ幅広はばひろい合意ごういを」

公明党こうめいとうの斉藤さいとう代表だいひょうは記者きしゃ会見かいけんで「28年ねんぶりに審議しんぎが始はじまったことは国民こくみんの理解りかいを深ふかめていく意味いみで非常ひじょうに意義いぎがある。

公明党こうめいとうは、同姓どうせいが強制きょうせいされていることは人権じんけんの立場たちばからいかがなものかという視点してんで、制度せいどの推進すいしんの議論ぎろんを進すすめている」と述のべました。

そのうえで「社会しゃかいの根幹こんかんに関かかわることで『51対たい49』で決きめるような性格せいかくのものではない。

国民こくみんの理解りかいが深ふかまるように法務ほうむ委員いいん会かいでの議論ぎろんをリードし、自民党じみんとうも含ふくめて幅広はばひろい合意ごういを得えて制度せいど化かすべきだ。法案ほうあんの採決さいけつ対応たいおうを今いまの時点じてんで申し上もうしあげるのは適切てきせつではない」と述のべました。

共産きょうさん山添やまぞえ政策せいさく委員いいん長ちょう「徹底てっていして審議しんぎすることが大事だいじ」

共産きょうさん党とうの山添やまぞえ政策せいさく委員いいん長ちょうは記者きしゃ会見かいけんで「国会こっかいで法案ほうあん審議しんぎが始はじまったことを歓迎かんげいしたい。

私わたしたちは立憲りっけん民主党みんしゅとうが提出ていしゅつした法案ほうあんに賛成さんせいする意向いこうだが、ほかの法案ほうあんも含ふくめ徹底てっていして審議しんぎすることが大事だいじだ。選択せんたく的てき夫婦ふうふ別姓べっせいが認みとめられないことで不利益ふりえきを被こうむっている当事者とうじしゃや専門せんもん的てきな知見ちけんを持もっている人ひとを参考さんこう人じんとして招まねいたり地方ちほう公聴こうちょう会かいを開ひらいたりして、さまざまな意見いけんを受け止うけとめ『国会こっかいできちんと議論ぎろんされている』と広ひろがることで、国民こくみん的てきな理解りかいもさらに広ひろがっていく」と述のべました。

今後こんごの審議しんぎ日程にってい折り合おりあわず協議きょうぎ継続けいぞくへ

衆議院しゅうぎいん法務ほうむ委員いいん会かいの理事りじ会かいで、与野党よやとうは今後こんごの審議しんぎ日程にっていについて協議きょうぎしました。

立憲りっけん民主党みんしゅとうが週しゅう明あけの6月つき3日にちに委員いいん会かいを開ひらき、法案ほうあんに対にたいする質疑しつぎを行おこないたいと改あらためて提案ていあんしたのに対にたいし、自民党じみんとうはさらに調整ちょうせいが必要ひつようだとして折り合おりあわず、与野党よやとうの筆頭ひっとう理事りじの間まで協議きょうぎを継続けいぞくすることになりました。