日本新闻: 日銀植田総裁首相と会談 “円安について十分注視と確認”

記録きろく的てきな円えん安やすドル高だか水準すいじゅんが続つづく中なか、日銀にちぎんの植田うえだ総裁そうさいが岸田きしだ総理そうり大臣だいじんと会談かいだんし、為替かわせの動向どうこうについて意見いけん交換こうかんしました。植田うえだ総裁そうさいは会談かいだん後ご、記者きしゃ団だんに「円えん安やすについて十じゅう分ふん、注視ちゅうししていくことを確認かくにんした」と述のべました。

外国がいこく為替かわせ市場しじょうでは先月せんげつ29日にちに円えん相場そうばが３さん４よん年ねんぶりに1ドル＝160円えん台だいまで値下ねさがりしたあと、一転いってんして154円えん台だいまで値上ねあがりしたほか、今月こんげつ2日にちにも急激きゅうげきに円えん高だか方向ほうこうに動うごき、市場しじょうでは政府せいふ・日銀にちぎんが介入かいにゅうを繰り返くりかえしたという見方みかたが強つよまっています。

こうした中なか、日銀にちぎんの植田うえだ総裁そうさいは7日にち夕方ゆうがた、総理そうり大臣だいじん官邸かんていを訪おとずれ、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんと会談かいだんしました。

会談かいだん後ご、植田うえだ総裁そうさいは記者きしゃ団だんの取材しゅざいに応おうじ、岸田きしだ総理そうり大臣だいじんと為替かわせの動向どうこうについて意見いけん交換こうかんしたことを明あきらかにしました。

この中なかで植田うえだ総裁そうさいは「一般いっぱん論ろんとして為替かわせは経済けいざい・物価ぶっかに潜在せんざい的てきに大おおきな影響えいきょうを与あたえうるものですので、円えん安やすについては、日本にっぽん銀行ぎんこうの政策せいさく運営うんえい上じょう、十分じゅうぶん注視ちゅうしをしていくことを確認かくにんさせていただいた」と述のべました。

植田うえだ総裁そうさいは先月せんげつ26日にちの記者きしゃ会見かいけんで、円えん安やすによる基調きちょう的てきな物価ぶっかへの影響えいきょうは無視むしできる範囲はんいかという質問しつもんに「はい」と答こたえるなどしたため、市場しじょうでは円えん安やすをけん制けんせいするメッセージとは受け止うけとめられず、その後そのご、円えん安やすが急速きゅうそくに進すすんでいました。

この発言はつげんについて植田うえだ総裁そうさいは「それ自体じたいに変更へんこうはないが、今後こんご、基調きちょう的てきな物価ぶっか上昇じょうしょう率りつにどういう影響えいきょうが出でてくるかについて、注意深ちゅういぶかく見みていくという姿勢しせいであるということだ」と述のべました。

経団連けいだんれん会長かいちょう「経済けいざいにマイナス影響えいきょう与あたえることに懸念けねん」

外国がいこく為替かわせ市場しじょうで記録きろく的てきな円えん安やすドル高だか水準すいじゅんとなっていることについて、経団連けいだんれんの十倉とくら会長かいちょうは7日にちの記者きしゃ会見かいけんで、輸入ゆにゅうする原材料げんざいりょう価格かかくが高騰こうとうし物価ぶっかの上昇じょうしょうが再ふたたび加速かそくするなど、経済けいざいにマイナスの影響えいきょうを与あたえることへの懸念けねんを示しめしました。

この中なかで、経団連けいだんれんの十倉とくら会長かいちょうは、円えん安やすの進展しんてんは日本にっぽんの製造せいぞう業ぎょうや観光かんこう関連かんれんなどの企業きぎょう業績ぎょうせきにとっては、プラスになるという認識にんしきを示しめす一方いっぽうで「原材料げんざいりょうの高騰こうとうなどに伴ともなうコストプッシュ型がたのインフレがようやく収おさまりかけてきたが、これに悪あく影響えいきょうを及およぼすこともある」と述のべ、円えん安やすが経済けいざいにマイナスの影響えいきょうを与あたえることへの懸念けねんを示しめしました。

また、現在げんざいの円えん相場そうばの水準すいじゅんについては「今いまの1ドル＝150円えんを超こえる円えん安やすは、安やすすぎるのではないか」と述のべました。

そのうえで「あまり急激きゅうげきに投機とうき的てきな資金しきんで為替かわせ相場そうばが上下じょうげする状態じょうたいはいずれにしても好このましくない。為替かわせは安定あんてい的てきで、中ちゅう長期ちょうき的てきには経済けいざいのファンダメンタルズ＝基礎きそ的てき条件じょうけんを反映はんえいしたものであるのが望のぞましい」と述のべ、為替かわせ相場そうばの急激きゅうげきな変動へんどうは好このましくないという考かんがえを強調きょうちょうしました。