Báo tiếng Nhật: 侮辱罪の法定刑の上限引き上げきょう施行背景にネットの中傷

侮辱ぶじょく罪ざいの法定ほうてい刑けいの上限じょうげん引き上ひきあげきょう施行しこう背景はいけいにネットの中傷ちゅうしょう

Jul 7, 2022 16:07

Furigana

改正かいせい刑法けいほうの一部いちぶが7日にち施行しこうされ、人ひとを侮辱ぶじょくした行為こういに適用てきようされる侮辱ぶじょく罪ざいに、新あらたに懲役ちょうえき刑けいと禁錮きんこ刑けい、罰金ばっきん刑けいが加くわわり、SNS上じょうでのひぼう中傷ちゅうしょうなど、悪質あくしつな行為こういへの対処たいしょがこれまで以上いじょうに厳きびしくなります。

先さきの国会こっかいで成立せいりつした改正かいせい刑法けいほうのうち、SNS上じょうでのひぼう中傷ちゅうしょうなど、公然こうぜんと人ひとを侮辱ぶじょくした行為こういに適用てきようされる侮辱ぶじょく罪ざいの法定ほうてい刑けいの上限じょうげんを引き上ひきあげる規定きていが、7日にち施行しこうされました。

具体ぐたい的てきには、これまでの法定ほうてい刑けいは「30日にち未満みまんの拘留こうりゅう」か「1万まん円えん未満みまんの科料かりょう」でしたが、その上限じょうげんを引き上ひきあげて「1年ねん以下いかの懲役ちょうえき・禁錮きんこ」と「30万まん円えん以下いかの罰金ばっきん」を新あらたに加くわえたことで、悪質あくしつな行為こういへの対処たいしょがこれまで以上いじょうに厳きびしくなります。

また、法定ほうてい刑けいの上限じょうげんの引き上ひきあげに伴ともない、時効じこうも1年ねんから3年ねんに延のびるため、犯罪はんざいの抑止よくし効果こうかに加くわえて、加害かがい者しゃの特定とくていに時間じかんがかかるとされるSNS上じょうでの投稿とうこうの捜査そうさに、必要ひつような時間じかんをかけられるという効果こうかも期待きたいされています。

法務省ほうむしょうは先さきに全国ぜんこくの検察庁けんさつちょうに通達つうたつを出だし、公正こうせいな論評ろんぴょうなど正当せいとうな表現ひょうげん行為こういについては、これまでどおり処罰しょばつされないことに留意りゅういし、個別こべつの事案じあんに応おうじて適切てきせつに判断はんだんすることなどを求もとめました。

背景はいけいにはネットやSNSでのひぼう中傷ちゅうしょうによる被害ひがいの深刻しんこく化か

侮辱ぶじょく罪ざいが厳罰げんばつ化かされた背景はいけいには、インターネットやSNSでのひぼう中傷ちゅうしょうによる被害ひがいが深刻しんこく化かしている現状げんじょうがあります。

おととし、民放みんぽうのテレビ番組ばんぐみに出演しゅつえんしていたプロレスラーの木村きむら花はなさんが、SNS上じょうでひぼう中傷ちゅうしょうを受うけ、22歳さいの若わかさでみずから命いのちを絶たちました。

この問題もんだいをきっかけに対策たいさくの強化きょうかに向むけた議論ぎろんが加速かそくし、去年きょねん4月つきには投稿とうこうした人物じんぶつを速すみやかに特定とくていできるよう新あらたな裁判さいばん手続てつづきを創設そうせつする「改正かいせいプロバイダ責任せきにん制限せいげん法ほう」が成立せいりつしました。

一方いっぽうで、投稿とうこうした人ひとに対にたいする刑けいの重おもさはこれまで「30日にち未満みまんの拘留こうりゅう」または「1万まん円えん未満みまんの科料かりょう」で、刑法けいほうでは最もっとも軽かるかったことから「被害ひがいの実態じったいに合あっておらず抑止よくし力りょくになっていない」という指摘してきがあり、法務省ほうむしょうは見直みなおしを検討けんとうしてきました。

木村きむら花はなさんの母親ははおやで厳罰げんばつ化かの必要ひつよう性せいを訴うったえ続つづけてきた響子きょうこさんは先月せんげつ、改正かいせい刑法けいほうの成立せいりつを受うけて「やっと、という思おもいが強つよい。ひぼう中傷ちゅうしょうは犯罪はんざいだと多おおくの人ひとに認識にんしきされることで、さらにこまやかな法ほう整備せいびにつながると期待きたいしている」と話はなしていました。

また、東京とうきょう池袋いけぶくろの暴走ぼうそう事故じこで妻つまと娘むすめを亡なくし、交通こうつう事故じこ防止ぼうしの活動かつどうを行おこなう中なかでひぼう中傷ちゅうしょうを受うけた松永まつなが拓也たくやさんは「見ず知みずしらずの人ひとからひぼう中傷ちゅうしょうを受うけ、胸むねが苦くるしくなるほど心こころが痛いたんだ。罰則ばっそくがしっかり運用うんようされ、社会しゃかいに周知しゅうちされることが抑止よくしにつながると思おもう」と話はなしました。

さらに、ネット上じょうに事実じじつと異ことなる書き込かきこみをされ、中傷ちゅうしょうや脅迫きょうはくを受うけたことがあるタレントのスマイリーキクチさんは、「ことばが犯罪はんざいになりうることを自覚じかくしないといけないと思おもう」と話はなしていました。

表現ひょうげんの自由じゆうがおびやかされないか懸念けねんの声こえも

ただ、侮辱ぶじょく罪ざいの厳罰げんばつ化かによって憲法けんぽうが保障ほしょうする表現ひょうげんの自由じゆうがおびやかされるなどと、懸念けねんする声こえもあります。

日弁連にちべんれん＝日本にっぽん弁護士べんごし連合れんごう会かいは、ことし3月つき、法ほう改正かいせいに反対はんたいする意見いけん書しょを出だし、侮辱ぶじょく罪ざいは処罰しょばつの対象たいしょうが広ひろいため、政治せいじ的てき意見いけんなどの正当せいとうな論評ろんぴょうも萎縮いしゅくさせ、表現ひょうげんの自由じゆうをおびやかすおそれがあるほか、法定ほうてい刑けいの引き上ひきあげにより逮捕たいほ・勾留こうりゅうされて長期間ちょうきかん、身体しんたい拘束こうそくされることになると指摘してきしました。

こうした指摘してきも踏ふまえ、改正かいせい法ほうの付則ふそくには、施行しこうから3年ねんが経過けいかした時点じてんで「ネット上じょうのひぼう中傷ちゅうしょうに適切てきせつに対処たいしょできているか、表現ひょうげんの自由じゆうなどに対にたいする不当ふとうな制約せいやくになっていないかという観点かんてんから外部がいぶの有識者ゆうしきしゃを交まじえて検証けんしょうを行おこない、必要ひつような措置そちを講こうじる」ことが盛り込もりこまれました。