日本新闻: “肉の厚み”も表現「大豆ミート」がより身近に

“肉にくの厚あつみ”も表現ひょうげん「大豆だいずミート」がより身近みぢかに

Jul 7, 2022 20:07

Furigana

大豆だいずを原料げんりょうに肉にくのような味あじや食しょく感かんを出だした「大豆だいずミート」に代表だいひょうされる、植物しょくぶつ由来ゆらいの原料げんりょうで作つくられた食品しょくひん。健康けんこう志向しこうや環境かんきょう意識いしきの高たかまりを背景はいけいに、日本にっぽんでも市場しじょうが徐々じょじょに拡大かくだいしています。

最近さいきんでは、ホテルのレストランで大豆だいずミートを使つかった料理りょうりが提供ていきょうされたり、大豆だいずミートを作つくるメーカーが“肉にくの厚あつみ”を表現ひょうげんする新あらたな技術ぎじゅつを開発かいはつするなど、その存在そんざいは私わたしたちの生活せいかつにより身近みぢかなものになろうとしています。

バイキングのメニューに大豆だいずミート

大阪おおさか中心ちゅうしん部ぶにあるホテルのレストラン。

営業えいぎょうが始はじまる午前ごぜん11時半じはんになると、バイキング目当めあての客きゃくが次々つぎつぎに訪おとずれます。

およそ80種類しゅるいのメニューが並ならぶ豪快ごうかいなバイキングの中なかで、訪おとずれた客きゃくが物珍ものめずらしそうに見みるのは、揚あげなすに、大豆だいずミートで作つくったそぼろ味噌みそをかけた一品いっぴん。

このレストランではこれまでも大豆だいずミートを使つかった麻あさ婆ばば豆腐とうふやロールキャベツなども提供ていきょうし、客きゃくの反応はんのうは上々じょうじょうだといいます。

レストランの客きゃく

「言いわれないと分わからなかったです。おいしくしっかり食しょく感かんもあります」

「すごく消化しょうかによさそうなので、小ちいさい子こどもさんや年配ねんぱいの方ほうでもおいしくいただけるなと」

このホテルのグループでは、牛うしの飼育しいくと比くらべて環境かんきょうへの負荷ふかが小ちいさい大豆だいずに着目ちゃくもく。

環境かんきょう問題もんだいへの関心かんしんを高たかめてもらおうと、大豆だいずミートを去年きょねん12月つきに導入どうにゅうしました。

今後こんご、客きゃくの反応はんのうも見みながら、メニューを増ふやすことも検討けんとうすることにしています。

阪急はんきゅう阪神はんしんホテルズ SDGs推進すいしん部ぶ鳥井とりい由佳ゆか部長ぶちょう

「食しょくの選択肢せんたくしを広ひろげながら社会しゃかい問題もんだいや環境かんきょう問題もんだいへの関心かんしんを高たかめてもらいたいという思おもいから、大豆だいずミートの提供ていきょうを始はじめました。今後こんごも食しょくを通をつうじて環境かんきょう問題もんだいの解決かいけつにつながるような取り組とりくみを続つづけていきたいです」

大豆だいずミート市場しじょう規模きぼは拡大かくだい

「大豆だいずミート」に代表だいひょうされる植物しょくぶつ由来ゆらいの原料げんりょうで作つくった食品しょくひんが注目ちゅうもくを集あつめる背景はいけいには、健康けんこう志向しこうや環境かんきょう意識いしきの高たかまりがあります。

日本にっぽんは、欧米おうべいと比くらべれば普及ふきゅうが遅おくれてきましたが、ここ数すう年ねん、食品しょくひんメーカーや外食がいしょくチェーンなどが相次あいついで参入さんにゅうし、市場しじょうが拡大かくだいしてきました。

日本にっぽん能率のうりつ協会きょうかい総合そうごう研究所けんきゅうじょがまとめた調査ちょうさによると、「大豆だいずミート」の市場しじょう規模きぼは2019年度ねんどには15億おく円えんでしたが、品質ひんしつの改善かいぜんや商品しょうひん数すうの増加ぞうかによって、今年度こんねんど（2022年度ねんど）には25億おく円えん、そして2025年度ねんどには40億おく円えんに拡大かくだいすると予測よそくしています。

食品しょくひんメーカーも開発かいはつ強化きょうかメニュー増ふやし “肉にくの厚あつみ”も

こうした市場しじょう拡大かくだいの好機こうきを捉とらえようと、大阪おおさかの食品しょくひんメーカー「不ふ二に製油せいゆ」が7日にち、東京とうきょう都内とないのホテルで戦略せんりゃく説明せつめい会かいを開ひらきました。

この中なかで、会社かいしゃ側がわは、自社じしゃでの植物しょくぶつ由来ゆらいの食品しょくひんについて、国内こくない外がいでの売り上うりあげを2030年ねんに1000億おく円えんまで拡大かくだいさせる方針ほうしんを明あきらかにしました。

売り上うりあげ拡大かくだいに向むけて鍵かぎを握にぎるのが「メニュー」の数かずです。

説明せつめい会かいに合あわせて行おこなわれた試食ししょく会かい。

会場かいじょうとなった「ニュー・オータニ」の料理りょうり人じんが考案こうあんした、えびかつ風かぜバーガーやミートシチュー、マーボー豆腐とうふ丼どんぶりなど、10品目ひんもく以上いじょうが並ならべられました。

取材しゅざいした記者きしゃがミートシチューとえびかつ風かぜバーガーを試食ししょくしてみましたが、味あじや食しょく感かんは本物ほんものの肉にくに近ちかい印象いんしょうを持もちました。

この会社かいしゃでは、大豆だいずの加工かこうを工夫くふうして肉にくの厚あつみを表現ひょうげんする技術ぎじゅつの実用じつよう化かにめどが立たったことから、8月つきから新あたらしいタイプの大豆だいずミートを販売はんばいするということです。

そして、開発かいはつ体制たいせいを強化きょうかして食材しょくざいの数かずをさらに増ふやしていく考かんがえです。

不ふ二に製油せいゆ大森おおもり達司たつじ社長しゃちょう

「地球ちきゅうの人口じんこうが2050年ねんに100億おくになるというふうに言いわれています。選択肢せんたくしの一ひとつとして植物しょくぶつ性せいの食品しょくひんをある程度あるていど選択せんたくいただくことが、持続じぞく可能かのうな地球ちきゅう環境かんきょうにも人ひとにも優やさしいと、信念しんねんを持もって進すすめていきたいと考かんがえております」