雨の
多い季節と
なる中、
能登半島地震の
被災地では
新たな
課題が
浮かび上がっています。
石川県輪島市では
洪水の
危険から
身を
守るために
指定している「
緊急避難場所」の
うち1
か所について、
去年9
月の
豪雨災害で
被害を
受け
安全を
確保できないとして
見直しを
検討しましたが、いまも
代替の
施設が
見つかっていないことがわかりました。
在石川县轮岛市,为了防范洪水危险而指定的“紧急避难场所”中,有一处在去年九月的暴雨灾害中受到了损坏,被认为无法确保安全,因此正在考虑重新评估,但目前仍未找到替代设施。
災害から身を守るための避難先として、自治体は
▽緊急的に避難する施設や場所を「緊急避難場所」に、
▽住民を一定期間滞在させる施設などを「避難所」として指定しています。
作为防灾避难场所,自治体将用于紧急避难的设施或场所指定为“紧急避难场所”,将可供居民一定期间停留的设施等指定为“避难所”。
石川県の奥能登地域の4つの市と町では、洪水から緊急的に逃れる施設として「緊急避難場所」を152か所指定していますが、このうち輪島市の4か所では去年9月の豪雨災害で床上浸水の被害を受けました。
在石川县的奥能登地区,四个市町共指定了152处“紧急避难场所”作为洪水时紧急逃生的设施,但其中轮岛市的4处在去年9月的暴雨灾害中遭遇了地板以上的浸水损害。
NHKがこの4か所の現状について市に取材したところ、いずれの施設も現在も緊急避難場所に指定されていて
▽このうち2か所は2階への避難が可能なこと
▽1か所は実質的に周辺に利用者がいないことから、指定が続けられていることがわかりました。
NHK就这4处的现状采访了市政府,结果了解到,这些设施目前仍被指定为紧急避难场所,其中两处可以疏散到二楼,一处由于周边实际上没有使用者,因此仍然被指定为避难场所。
一方、残りの1か所にあたる輪島市門前町の「浦上公民館」は県の浸水想定区域にあり、1階建てで安全が確保できないとして見直しを検討したものの、代替の施設が見つかっていないことがわかりました。
另一方面,唯一剩下的轮岛市门前町“浦上公民馆”位于县的浸水预想区域,由于只有一层楼,无法确保安全,虽然曾考虑重新评估,但目前尚未找到替代设施。
この公民館は、能登半島地震の被災者およそ160人が暮らす仮設住宅の団地「浦上第1団地」の緊急の避難場所になっています。
这座公民馆是作为能登半岛地震约160名受灾者居住的临时住宅小区“浦上第一小区”的紧急避难场所。
団地では被災者が自治組織を設立し独自の避難計画の作成を進めていますが、近くに避難場所が見つからず、高齢者などをどう安全に避難させるのかが課題になっています。
在住宅区,受灾者们成立了自治组织,并正在推进制定独自的疏散计划,但由于附近找不到避难场所,如何安全疏散老年人等人成为了一大课题。
この状況について輪島市は「避難が難しい高齢者などは別の避難場所までバスによる移動も検討している」としています。
关于这种情况,轮岛市表示:“对于避难较为困难的高龄者等,也在考虑用巴士将他们转移到其他避难场所。”
災害時の避難に詳しい静岡大学防災総合センターの牛山素行教授は「限られた敷地や施設の事情から、自治体が災害の危険性がある場所に緊急避難場所を指定することはやむをえない場合もある。
熟悉灾害时期避难的静冈大学防灾综合中心的牛山素行教授表示:“由于用地和设施有限,地方政府有时不得不将存在灾害风险的场所指定为紧急避难场所,这也是无可奈何的。”
必ずしも緊急避難場所だけが
災害から
逃れる場所とは
限らないので、
住民などへのリスク
情報の
周知の
ほか、ほかの
安全な
場所の
選定など
平時からの
災害への
備えが
求められている」と
話しています。
并不一定只有紧急避难场所才是躲避灾害的地方,因此除了向居民等宣传风险信息外,还需要在平时就做好灾害防范,比如选择其他安全场所等。
「浦上第1団地」避難計画作成で高齢者の避難が課題に
去年9月の豪雨災害で浸水被害を受けたものの、いまも洪水の危険から身を守る緊急避難場所に指定されている輪島市門前町の「浦上公民館」のそばには、能登半島地震の被災者およそ160人が暮らす仮設住宅の団地「浦上第1団地」があります。
在制定“浦上第一住宅区”避难计划时,高龄者的避难成为课题。去年9月的暴雨灾害导致该地区遭受了浸水损害,但位于轮岛市门前町、至今仍被指定为防范洪水危险的紧急避难场所的“浦上公民馆”附近,有一处临时住宅小区“浦上第一住宅区”,约有160名能登半岛地震的受灾者居住在那里。
豪雨災害では79戸のうち4割にあたる32戸が床上浸水の被害を受けたため、仮設住宅の住民でつくる自治組織は大雨のシーズンを前に避難計画の作成に向けた取り組みを進めています。
由于在暴雨灾害中,79户中有四成、即32户遭受了地面以上浸水的损害,因此由临时住宅居民组成的自治组织正在大雨季节来临之前,推进制定避难计划的相关工作。
緊急避難場所として指定されている「浦上公民館」は県の浸水想定区域にあるうえに豪雨災害で床上まで浸水したため、大雨などの際には安全が確保できないと考えています。
被指定为紧急避难场所的“浦上公民馆”位于县的预计淹水区域内,并且由于暴雨灾害曾经淹水至地板以上,因此我们认为在大雨等情况下无法确保安全。
このため自治組織では「土砂災害警戒情報」などが出され、早めの移動が可能な場合、いずれも3キロ余り離れた高台の「門前中学校」や川から離れた「門前公民館」に避難することにしています。
因此,自治组织会发布“泥石流灾害警戒信息”等,如果可以提前转移,大家都会避难到离这里三公里多的高地上的“门前中学”或远离河流的“门前公民馆”。
しかし、課題となるのが離れた場所へ移動する手段です。
高齢者の中には車を持っていない人がいるため、およそ160人が生活に最低限必要なものを持って、80台ほどの車に分乗して避難する必要があると考えています。
由于有些老年人没有车,因此我们认为大约有160人需要携带生活必需品,分乘大约80辆车进行避难。
それでも住民が仕事で出ている平日の日中などには、この台数を確保できない可能性もあります。
即便如此,在工作日白天居民外出工作时,也有可能无法确保这一数量的车辆。
自治組織ではできるだけ早く避難計画を作成し、仮設住宅の住民に説明や周知を行うとともに、近くの住民などにも避難への協力を呼びかけていきたいとしています。
自治组织希望尽快制定疏散计划,并向临时住宅的居民进行说明和宣传,同时也呼吁附近的居民等协助疏散。
仮設住宅に暮らす76歳の女性は「豪雨災害のあと大雨の予報が出されると恐怖を感じます。
一位住在临时住宅的76岁女性说:“在暴雨灾害之后,只要发布大雨预报,我就会感到恐惧。”
私は
脚が
悪いので、
みんなと
一緒に
避難できるか
心配です」と
話しています。
消防職員で自治組織の会長をつとめる山崎孝志さんは「仮設住宅の住民に避難計画を周知するとともに、住民どうしでふだんからコミュニケーションを取って災害に備えたい」と話しています。
担任自治组织会长的消防员山崎孝志表示:“我们不仅要向临时住房的居民宣传避难计划,还希望居民之间平时就能多沟通,以便为灾害做好准备。”
「緊急避難場所」とは 輪島市では
内閣府によりますと自治体が指定する「緊急避難場所」は、災害の危険から命を守るために緊急的に避難する場所として、土砂災害や洪水、津波や地震などの災害別に指定されます。
据内阁府称,轮岛市所指定的“紧急避难场所”是指为了在灾害危险下保护生命而紧急避难的场所,并会根据泥石流、洪水、海啸、地震等不同类型的灾害分别指定。
内閣府が市町村向けに作った手引きでは、立地の条件について「人の生命または体に危険が及ぶおそれがない」と認められる場所としていて、土砂災害警戒区域や浸水想定区域などは該当しないとしています。
内阁府为市町村制定的指南中,将选址条件规定为“被认为不会对人的生命或身体造成危险”的场所,并指出土砂灾害警戒区和预计浸水区等不属于此类地点。
輪島市の緊急避難場所は
石川県輪島市が指定した「緊急避難場所」のうち去年9月の豪雨で床上浸水の被害を受けたのは「ふれあい健康センター」「町野公民館」「西保公民館」「浦上公民館」の4施設で、いずれも洪水の危険から身を守る緊急避難場所でした。
轮岛市的紧急避难场所中,由石川县轮岛市指定的“紧急避难场所”里,去年9月因暴雨而遭受楼层以上浸水灾害的有“交流健康中心”、“町野公民馆”、“西保公民馆”、“浦上公民馆”这四处设施,这些都是为防范洪水危险而设立的紧急避难场所。
このうち「ふれあい健康センター」と「町野公民館」はいずれも2階以上ある鉄筋コンクリート造の施設で、いずれも豪雨で1階が床上浸水しました。
在这些设施中,“交流健康中心”和“町野公民馆”都是有两层以上的钢筋混凝土结构建筑,两者的一楼都因暴雨而被水淹没至地板以上。
内閣府は災害で被害を受けた「緊急避難場所」を引き続き指定し続ける場合は、別の建物の2階以上に避難する必要があることなど安全確保に向けた情報を住民に周知すべきだとしています。
内阁府表示,如果继续将因灾害受损的“紧急避难场所”指定为避难场所,应向居民宣传包括需要避难到其他建筑物二层以上等确保安全的信息。
市はハザードマップで洪水などの際は安全が確保される2階や3階に避難するよう周知しています。
市政府通过灾害地图告知市民,在发生洪水等灾害时应避难到能够确保安全的二楼或三楼。
2階以上がない緊急避難場所も
しかし「西保公民館」と「浦上公民館」は、いずれも木造1階建てで、床上浸水の被害が出た場合に2階への避難ができません。
没有二层以上的紧急避难场所,不过“西保公民馆”和“浦上公民馆”都是木结构的一层建筑,如果发生楼层以上的浸水灾害,就无法转移到二楼避难。
このうち「西保公民館」について輪島市は「ライフラインの復旧を終えておらず近くに住民が住んでいないため、指定を見直していない」としています。
其中,对于“西保公民馆”,轮岛市表示:“由于尚未完成生活基础设施的修复,附近没有居民居住,因此尚未重新指定。”
一方、「浦上公民館」について輪島市は「近くに避難場所として活用できる代替の施設がないため、やむをえず指定をしている。
另一方面,关于“浦上公民馆”,轮岛市表示:“由于附近没有可以作为避难场所利用的替代设施,因此不得已指定为避难所。”
事前に
避難が
見込まれる
場合には、
別の
避難場所を
活用することを
考えている。
如果预计需要提前避难,我会考虑利用其他的避难场所。
避難が
難しい高齢者などは
別の
避難場所まで
バスによる
移動も
検討している」としています。
对于避难困难的老年人等,也在考虑通过巴士转移到其他避难场所。