植物などが
行う「
光合成」で、
水の
分子から
酸素の
分子が
作り出されるときのプロセスの
一部を
特殊なX
線を
使って
捉えることに
成功したと
岡山大学などの
研究グループが
発表しました。
光合成の
反応の
詳しいメカニズムの
解明につながり、クリーンな
エネルギー源として
注目が
集まる「
人工光合成」の
研究への
応用が
期待されるとしています。
これは岡山大学の沈建仁教授らの研究グループが国際的な科学雑誌「ネイチャー」に発表しました。
光合成で水から酸素が作り出される反応が起きる際にはマンガンなどの原子が「ゆがんだイス」のような形に結合した物質が触媒となって水を取り込むことが知られていますが、今回、研究グループは特殊なX線を使ってこの触媒に水の分子が取り込まれる様子を1億分の2秒から1000分の5秒までという極めて短時間で観測しました。
その結果、光を当ててから100万分の1秒後に触媒の構造が変化し始め、徐々に水の分子を取り込んでいく様子を立体的に捉えることに成功したということです。
太陽光を利用して水と二酸化炭素から水素や酸素を作り出す「人工光合成」の研究開発はクリーンなエネルギー源として世界で注目されていますが、研究グループでは今回の成果は「人工光合成」の触媒の開発に貢献することが期待されるとしています。
沈教授は「5年間かけてやっとたどりついた研究成果だ。今後は最後のステップである酸素が生成されるメカニズムを解明していきたい」と話していました。