珠洲市飯田町にある居酒屋「ろばた焼あさ井」の店主、浅井誠さん(48)は先月1日、食材の仕入れに出かけた石川県七尾市からの帰り道に地震に遭いました。店に帰ると、床に食器や酒などが足の踏み場がないほど散らばっていたということです。
その後しばらくは、金沢市の親戚のもとで避難生活を送っていましたが、「市民の希望になりたい」と先月27日に店を再開させました。
断水が続き、十分な水がないため、食器は紙皿やプラスチックのコップなどで代用し、汁物が出せないことから、メニューもふだんの3分の1程度に限られるということです。
それでも、揚げ物や店の自慢の刺身や串焼きなどを提供していて、2日夜も地元の常連客などでにぎわっていました。
常連の40代の男性は「地震があった先月から働きづめでしたが、息抜きをする場があってとてもいいです」と話していました。
浅井さんは「復興が見通せないからこそいち早く店を開き、町を盛り上げることが大事だと思っています。温かい料理やお酒を被災者にも仕事で来た人にも楽しんでもらいたいです」と話していました。