能登町寺分でしいたけを生産する農事組合法人「のとっこ」の上野誠治さんは、農業用ハウスの中で菌床のブロックを使ってしいたけを育てていますが、今回の地震でブロックが棚ごと倒れるなどの被害を受けました。
これまでは1日およそ200キロのしいたけを東京の料理店や金沢市のスーパーなどに出荷していましたが、トラックでの運送ができず、通常どおりに出荷ができない状態が続いています。
このため、上野さんは当面の資金を確保するため、地震のあと、収穫時期を過ぎて育ちすぎたしいたけを「復興しいたけ」と名付けて、インターネットで3キロ5000円で販売したところ、わずか数日で完売したということです。
反響が大きかったことから、今後はハウスの片付けをしながらしいたけを収穫し、全国から届いた寄付に対するお礼などとして送ることにしています。
上野さんは「農家として、傘の開いたしいたけを提供することに迷いもありましたが、反響の大きさに驚き、うれしく思っています。商品を通じて、自分たちが少しずつ動き出していることをわかっていただきたいです」と話していました。