日本新聞: 「核のごみ」処分地選定「文献調査」報告書の原案まとまる

「核かくのごみ」処分しょぶん地ち選定せんてい「文献ぶんけん調査ちょうさ」報告ほうこく書しょの原案げんあんまとまる

Feb 11, 2024 06:02

Furigana

原子力げんしりょく発電はつでんに伴ともなって発生はっせいする高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ、いわゆる「核かくのごみ」の最終さいしゅう処分しょぶん地ちの選定せんていに向むけて、全国ぜんこくで初はじめて北海道ほっかいどうの2つの町村ちょうそんを対象たいしょうに行おこなわれてきた文献ぶんけん調査ちょうさの報告ほうこく書しょの原案げんあんがまとまり、寿都すっつ町まちの全域ぜんいきと神恵内かもえない村むらの火山かざんの周辺しゅうへんを除のぞいた一部いちぶ地域ちいきが、次つぎの段階だんかいの調査ちょうさの候補こうほ地ちとして示しめされることが関係かんけい者しゃへの取材しゅざいでわかりました。

核かくのごみは、地下ちか300メートルより深ふかくに埋うめて最終さいしゅう処分しょぶんを行おこなうことが法律ほうりつで決きまっていて、処分しょぶん地ちの選定せんていに向むけた第だい1段階だんかいの「文献ぶんけん調査ちょうさ」が、全国ぜんこくで初はじめて、2020年ねん11月つきから北海道ほっかいどうの寿都すっつ町まちと神恵内かもえない村むらを対象たいしょうに行おこなわれています。

事業じぎょう主体しゅたいのNUMO＝原子力げんしりょく発電はつでん環境かんきょう整備せいび機構きこうは、これまでに2つの町村ちょうそんの地質ちしつや火山かざん、活かつ断層だんそうに関にかんする論文ろんぶんなど860点てん余あまりの文献ぶんけん資料しりょうを分析ぶんせきし処分しょぶん場じょうを建設けんせつするうえで「明あきらかに適切てきせつでない場所ばしょ」がないか調査ちょうさしてきました。

その結果けっかをまとめた報告ほうこく書しょの原案げんあんがまとまり、寿都すっつ町まちでは全域ぜんいきが、神恵内かもえない村むらでは火山かざんの積丹しゃこたん岳だけの半径はんけい15キロを除のぞいた村むらの南端なんたんの一部いちぶが、現地げんちでボーリングなどを行おこなう第だい2段階だんかいの「概要がいよう調査ちょうさ」の候補こうほ地ちとして示しめされることが、関係かんけい者しゃへの取材しゅざいでわかりました。

これらの地域ちいきの大半たいはんは、2017年ねんに政府せいふが作成さくせいした、「科学かがく的てき特性とくせいマップ」で、好このましい特性とくせいが確認かくにんできる可能かのう性せいが相対そうたい的てきに高たかいとされた範囲はんいと重かさなっています。

ただ、寿都すっつ町まちでは断層だんそうがある地域ちいきが「科学かがく的てき特性とくせいマップ」で、好このましくない特性とくせいがあると推定すいていされていましたが、今回こんかいの原案げんあんでは留意りゅういすべきとしたものの、「概要がいよう調査ちょうさ」の候補こうほ地ちからは除外じょがいしませんでした。

報告ほうこく書しょの原案げんあんは、13日にちに開ひらかれる国くにの審議しんぎ会かいで報告ほうこくされ、複数ふくすう回かいにわたる審議しんぎを経へて正式せいしきにまとめられる予定よていで、2年ねん程度ていどとされた見込みこみが大幅おおはばに長引ながびいてきた文献ぶんけん調査ちょうさはひとつの節目ふしめを迎むかえることになります。