25回目を迎えたこの大会は、NHKとNHK学園が毎年開いていて、ことしは4歳から107歳までおよそ3万8000の作品が寄せられ、大賞には3人の俳句が選ばれました。
このうち、神奈川県の佐藤直哉さん(38)の作品、「太陽は平凡な星ふきのたう」は、広大な宇宙を思うとかけがえのない太陽も平凡な恒星のひとつだということに気付き、その太陽の光で小さなふきのとうが命をつないでいる様子を詠んだ句です。
「平凡な人間でも一人一人がかけがえのない存在なのだという連想も働く」と評価されました。
北海道の木下美奈子さん(70)の作品、「大海に溶けゆく雨を泳ぐかな」は、海水浴をしていて突然、雨が降ってきた際、天から降る雨と、受け入れる海、そして自分が一体となったように感じ、その時の歓喜を詠んだ句です。
「『泳ぐかな』という力強い詠嘆が、孤独ながらもしっかりと前を向いた人物の姿を想像させる」と評価されました。
埼玉県の石原惟夫さん(81)の作品、「食べることこんなに楽し燕の子」は、友人の家に毎年やってくるツバメたちの食事の様子を見て愉快な気持ちになり、そんな情景を詠んだ句です。
「生きようとする精いっぱいの命。しかもそれが楽しそうだと捉えたところがこの句のポイントです」と評価されました。
大会の模様は、4月28日、午後2時半からEテレで放送されます。