日本新闻: 福島茨城で震度4の地震津波心配なし気象庁「異常震域」確認

福島ふくしま茨城いばらきで震度しんど4の地震じしん津波つなみ心配しんぱいなし気象庁きしょうちょう「異常いじょう震域しんいき」確認かくにん

Nov 14, 2022 18:11

Furigana

14日にち午後ごご5時じ9分ふんごろ福島ふくしま県けんと茨城いばらき県けんで震度しんど4の揺ゆれを観測かんそくする地震じしんがありました。この地震じしんによる津波つなみの心配しんぱいはありません。

各地かくちの震度しんどは▽震度しんど4が福島ふくしま県けんの双葉ふたば町まちと浪江なみえ町まち、それに茨城いばらき県けんつくばみらい市しです。

また、▽震度しんど3が宮城みやぎ県けん岩沼いわぬま市し、福島ふくしま県けんいわき市し、茨城いばらき県けん水戸みと市し、栃木とちぎ県けん宇都宮うつのみや市し、群馬ぐんま県けん板倉いたくら町まち、埼玉さいたま県けん熊谷くまがや市し、千葉ちば市し花見川はなみがわ区く、東京とうきょう千代田ちよだ区く、横浜よこはま市し中なか区くなどでした。

このほか▽震度しんど2や1の揺ゆれを北海道ほっかいどうから四国しこく・中国ちゅうごく地方ちほうにかけての広ひろい範囲はんいで観測かんそくしました。

気象庁きしょうちょうの観測かんそくによりますと、震源しんげん地ちは三重みえ県けん南東なんとう沖おきで震源しんげんの深ふかさは350キロ、地震じしんの規模きぼを示しめすマグニチュードは6.1と推定すいていされています。

気象庁きしょうちょうは震源しんげんが非常ひじょうに深ふかかったため、震源しんげんから離はなれた広ひろい範囲はんいで揺ゆれが観測かんそくされる「異常いじょう震域しんいき」と呼よばれる現象げんしょうだとしています。

地震じしんそのものが異常いじょうだということではなく、これまでも、同おなじような現象げんしょうが確認かくにんされています。

「異常いじょう震域しんいき」とは

気象庁きしょうちょうによりますと、地震じしんが非常ひじょうに深ふかい場所ばしょで発生はっせいすると、震源しんげんに近ちかい場所ばしょより遠とおい場所ばしょの方ほうが強つよく揺ゆれる場合ばあいがあり、こうした現象げんしょうは「異常いじょう震域しんいき」と呼よばれています。

通常つうじょう、地震じしんの揺ゆれは震源しんげんから遠とおくになるほど減衰げんすいしますが、陸りくの下したに沈しずみ込こむ海うみ側がわのプレートには地震じしんの揺ゆれを減衰げんすいしにくい性質せいしつがあります。

このため、日本にっぽん周辺しゅうへんの海うみ側がわのプレートの深ふかい場所ばしょで地震じしんが発生はっせいすると、震源しんげんの真上まうえではほとんど揺ゆれていないのに、プレートの内部ないぶを揺ゆれが伝つたわって震源しんげんから遠とおく離はなれた東北とうほくや関東かんとうで揺ゆれることがあるということです。

「異常いじょう震域しんいき」と呼よばれていますが現象げんしょう自体じたいは「異常いじょう」ではなく、これまでもたびたび同おなじような現象げんしょうが確認かくにんされています。

ことし5月つき9日にち、遠州灘えんしゅうなだの深ふかさ341キロを震源しんげんとするマグニチュード5.2の地震じしんが起おきた際さいには、東京とうきょう千代田ちよだ区くや福島ふくしま県けん白河しらかわ市し水戸みと市し、宇都宮うつのみや市しなどで震度しんど2の揺ゆれを観測かんそくしました。

また、2015年ねんに発生はっせいした小笠原おがさわら諸島しょとう西方せいほう沖おきの深ふかさ682キロを震源しんげんとするマグニチュード8.1の地震じしんでは遠とおく離はなれた関東かんとうでも震度しんど5強きょうや5弱じゃくの揺ゆれを観測かんそくしました。

茨城いばらき県警けんけい地震じしんによる被害ひがい情報じょうほうなし午後ごご5時じ20分ふん現在げんざい

茨城いばらき県けん警察けいさつ本部ほんぶによりますと、午後ごご5時じ20分ふん現在げんざい、この地震じしんによる被害ひがいの情報じょうほうは入はいっていないということで引き続ひきつづき情報じょうほう収集しゅうしゅうを進すすめています。

東海道とうかいどう新幹線しんかんせん運転うんてん再開さいかい

JR東海とうかいによりますと、地震じしんの影響えいきょうで東海道とうかいどう新幹線しんかんせんは新富しんとみ士しと名古屋なごやの間まの上下じょうげ線せんで一時いちじ、運転うんてんを見合みあわせましたが、午後ごご5時じ22分ふん、運転うんてんを再開さいかいしたということです。

福島ふくしま第だい一いち・第だい二に原発げんぱつ異常いじょうなし

東京とうきょう電力でんりょくによりますと、福島ふくしま県けんの▽大熊おおくま町まちと双葉ふたば町まちにある福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょと、▽楢葉ならは町まちと富岡とみおか町まちにある福島ふくしま第だい二に原子力げんしりょく発電はつでん所しょでは、これまでのところ先さきほどの地震じしんによる異常いじょうは確認かくにんされていないとしています。

また、原発げんぱつ周辺しゅうへんの放射線ほうしゃせん量りょうを測定そくていするモニタリングポストの値ねにも変化へんかはないということです。先さきほどの地震じしんでは、双葉ふたば町まちでは震度しんど4、大熊おおくま町まちと楢葉ならは町まちで震度しんど3、富岡とみおか町まちで震度しんど2の揺ゆれをそれぞれ観測かんそくしています。

東海とうかい第だい二に原発げんぱつ異常いじょうなし

先さきほどの地震じしんで震度しんど3の揺ゆれを観測かんそくした茨城いばらき県けん東海とうかい村むらにある東海とうかい第だい二に原子力げんしりょく発電はつでん所しょは現在げんざい、運転うんてんを停止ていししていて、日本にっぽん原子力げんしりょく発電はつでんによりますと今いまのところ今回こんかいの地震じしんによる異常いじょうはないということです。

また、原発げんぱつ周辺しゅうへんの放射線ほうしゃせん量りょうを測定そくていするモニタリングポストの値ねにも変化へんかはないということです。

専門せんもん家か「離はなれた場所ばしょで揺ゆれが強つよくなるおそれ注意ちゅういを」

福島ふくしま県けんと茨城いばらき県けんで震度しんど4を観測かんそくした地震じしんについて、東京とうきょう大学だいがく地震じしん研究所けんきゅうじょの古村こむら孝志たかし教授きょうじゅは「震源しんげんから遠とおく離はなれた関東かんとうや東北とうほくでやや強つよく揺ゆれた。これは『異常いじょう震域しんいき』として知しられる現象げんしょうで、三重みえ県けん南東なんとう沖おきの太平洋たいへいようプレートの中なかの深ふかい場所ばしょで起おきた地震じしんの揺ゆれがプレートの中なかを伝つたわって離はなれた場所ばしょでも揺ゆれが強つよくなる特徴とくちょうがある。深ふかい場所ばしょで起おきる『深ふか発地ほつち震しん』だったので、マグニチュードのわりにそれほど震度しんどは大おおきくなかったが、揺ゆれがプレートの中なかを長ながく伝つたわることで、小刻こきざみな揺ゆれが長ながく続つづいた。今回こんかいの震源しんげん付近ふきんではマグニチュード6クラスの深ふか発はつ地震じしんが数すう年ねんに1回かい程度ていどは起おきているのでけっして珍めずらしいものでもないが、地震じしんが起おきた際さいには震源しんげんに近ちかいところだけでなく、今回こんかいのように異常いじょう震域しんいきで離はなれた場所ばしょで揺ゆれが強つよくなるおそれがあることにも十分じゅうぶん注意ちゅういしてほしい」と話はなしていました。