Actualités japonaises: 糖尿病の病名変更を提唱へ“不正確でイメージ悪い”専門医団体

糖尿とうにょう病びょうの病名びょうめい変更へんこうを提唱ていしょうへ“不ふ正確せいかくでイメージ悪わるい”専門医せんもんい団体だんたい

Nov 20, 2022 10:11

Furigana

国内こくないに患者かんじゃがおよそ1000万まん人にんいるとされる糖尿とうにょう病びょうについて、病気びょうきの実態じったいを示しめしておらずイメージも悪わるいとして、専門せんもんの医師いしらで作つくる「日本にっぽん糖尿とうにょう病びょう協会きょうかい」は病名びょうめいの変更へんこうを求もとめる方針ほうしんを決きめました。今後こんご、新あらたな病名びょうめいを提案ていあんしたいとしています。

糖尿とうにょう病びょうはすい臓すいぞうから出でるホルモンのインスリンが不足ふそくするなどして血糖けっとう値ちが高たかい状態じょうたいが続つづき、腎臓じんぞう病びょうや失明しつめい、神経しんけい障害しょうがいなどの合併症がっぺいしょうにつながる病気びょうきで、免疫めんえきの異常いじょうや食たべ過すぎ、運動うんどう不足ふそくなどが関係かんけいして起おきるとされています。

糖尿とうにょう病びょうという病名びょうめいはもともと患者かんじゃの尿にょうに糖とうが混こんじることから名付なづけられましたが、日本にっぽん糖尿とうにょう病びょう協会きょうかいは、共通きょうつうする症状しょうじょうは高こう血糖けっとうで尿にょうに糖とうが出でない患者かんじゃも多おおく症状しょうじょうを正確せいかくに表あらわしていないうえ、「尿にょう」ということばから不潔ふけつなイメージで見みられるなどとして、病名びょうめいの変更へんこうを求もとめる方針ほうしんを決きめました。

患者かんじゃへのアンケート調査ちょうさでは、およそ1100人にんのうち、90.2％が抵抗ていこう感かんや不快ふかい感かんを抱だいていて、79.8％が病名びょうめいを変更へんこうしたほうがいいと答こたえたということです。

協会きょうかいは今後こんご、1年ねんから2年ねんのうちに新あらたな病名びょうめいについて日本にっぽん糖尿とうにょう病びょう学会がっかいとも連携れんけいして提案ていあんするとしていて、候補こうほとして共通きょうつうする症状しょうじょうの「高こう血糖けっとう」を使つかうことなどが考かんがえられるとしています。

協会きょうかいの清野きよの裕ひろし理事りじ長ちょうは「血糖けっとう値ちを計測けいそくできない時代じだいに決きまった病名びょうめいでしかたがなかったと思おもうが正確せいかくな病名びょうめいとは言いえない。これを機きに理解りかいが進すすんでほしい」と話はなしています。

「糖尿とうにょう病びょう」病名びょうめいの由来ゆらいは

日本にっぽん糖尿とうにょう病びょう協会きょうかいによりますと、糖尿とうにょう病びょうは患者かんじゃの尿にょうに糖とうが混こんじることから、その病名びょうめいがついたということです。

糖尿とうにょう病びょうは、歴史れきし上じょう紀元前きげんぜんから知しられた病気びょうきで、ラテン語らてんごは「あふれ出だす」ということばが当あてられ、英語えいごの「diabetes（ダイアビーティス）」のほか、フランス語ふらんすごやドイツ語ごでも同様どうようの意味いみの病名びょうめいが使つかわれています。

日本にっぽんでは、のどが乾かわく症状しょうじょうがあるため、古来こらいから「消渇しょうかち」と呼よばれ、平安へいあん時代じだいの貴族きぞく、藤原ふじわら道長みちながも「消渇しょうかち」だったと伝つたえられています。

江戸えど時代じだいにはオランダから医学いがくの知識ちしきが輸入ゆにゅうされ、オランダ語ごで「尿にょう」と「洪水こうずい」を意味いみする「pisvloed（ピスフルトゥ）」という病名びょうめいを翻訳ほんやくして「尿にょう崩くずれ（にょうほう）」が使つかわれるようになったということです。

その後そのごは病気びょうきを尿にょうの糖とうを検査けんさするなどして診断しんだんするようになり、1907年ねんに日本にっぽん内科ないか学会がっかいで病名びょうめいを糖尿とうにょう病びょうにすると統一とういつされたということです。

糖尿とうにょう病びょうの診断しんだんはいまでは血糖けっとう値ちを測はかることが必要ひつようになっていて、日本にっぽん糖尿とうにょう病びょう協会きょうかいは病気びょうきの実態じったいを表あらわす名前なまえにするよう見直みなおす時期じきにきているとしています。

日本にっぽん糖尿とうにょう病びょう協会きょうかいによりますと、病名びょうめいの変更へんこうは学会がっかいが提唱ていしょうし、その後そのご、法律ほうりつ上じょうの変更へんこうも必要ひつようになるということで、学会がっかいや行政ぎょうせい機関きかんと協力きょうりょくして変更へんこうを目指めざしたいとしています。