志賀しが原発げんぱつのトラブル 規制きせい委い“地震じしん対策たいさく見直みなおし必要ひつようか検討けんとうを”

変圧へんあつ器きトラブルで対策たいさく求もとめる

今月こんげつ1日にちに震度しんど7の揺ゆれを観測かんそくした石川いしかわ県けん志賀しか町まちにある志賀しか原発げんぱつでは、震度しんど5弱じゃく相当そうとうの揺ゆれを観測かんそくしましたが、外部がいぶから電気でんきを受うけるために使つかわれている変圧へんあつ器きで配管はいかんが壊こわれて絶縁ぜつえんや冷却れいきゃくのための油あぶらが漏もれるトラブルがあり、現在げんざいも、外部がいぶから電気でんきを受うける系統けいとうの一部いちぶが使つかえなくなっています。

北陸電力ほくりくでんりょくは、ほかの系統けいとうで電気でんきを受うけていることなどから、使用しよう済ずみ燃料ねんりょうプールの冷却れいきゃくなど安全あんぜん上じょう重要じゅうような機器ききの電源でんげんは確保かくほされているとしています。

これについて、10日にち開ひらかれた原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいの会合かいごうでは、委員いいんから「生き残いきのこった変圧へんあつ器きが今後こんごの余震よしんで壊こわれる可能かのう性せいについても考慮こうりょする必要ひつようがある。復旧ふっきゅうを急いそぐとともに原因げんいん究明きゅうめいをしっかり進すすめてほしい」とか「発電はつでん所内しょないの不具合ふぐあいで受電じゅでんできなくなることはおそらく想定そうていしていなかった。今回こんかいの対応たいおうで十分じゅうぶんと考かんがえるのか対応たいおうを強化きょうかした方ほうがいいのか検討けんとうする必要ひつようがある」といった意見いけんが出だされました。

地震じしんに関にかんする知見ちけん情報じょうほう収集しゅうしゅうを

また、地震じしんや津波つなみに関にかんする審査しんさを担当たんとうする委員いいんは「今回こんかいの地震じしんは余震よしんの震源しんげん域いきが150キロ以上いじょうにも達たっする非常ひじょうに大おおきな規模きぼのもので、すでに分わかっている活かつ断層だんそうが動うごいた訳わけではなくいくつかの断層だんそうが連動れんどうした可能かのう性せいがある」と指摘してきしたうえで、事務じむ局きょくの原子力げんしりょく規制きせい庁ちょうに対にたいし、今回こんかいの地震じしんで得えられた知見ちけんについて情報じょうほう収集しゅうしゅうを行おこない、今後こんごの審査しんさに生いかすよう求もとめました。

モニタリングポスト一部いちぶ欠けつ測はか

10日にちはこのほか、志賀しが原発げんぱつ周辺しゅうへんの半径はんけい15キロから30キロの範囲はんいで石川いしかわ県けんが設置せっちしている放射線ほうしゃせん量りょうを測定そくていするモニタリングポストの一部いちぶで、地震じしんから1週間しゅうかん以上いじょうがたった今たったいまもデータが届とどかない状況じょうきょうが続つづいていることが報告ほうこくされました。

データの送信そうしんに使つかう携帯けいたい電話でんわ回線かいせんと光ひかり回線かいせんの両方りょうほうが使つかえなくなったことが主おもな原因げんいんだということで、1月つき4日にちには最大さいだいで18か所かしょのデータが得えられなくなっていましたが、通信つうしん環境かんきょうの復旧ふっきゅうや代替だいたいの装置そうちを設置せっちしたことなどにより、10日にちの時点じてんでは、データが得えられないのは2か所かしょになっているということです。

委員いいんからは「リアルタイムの状況じょうきょうが把握はあくできなくなったのは大おおきな問題もんだいだ」といった意見いけんが出だされ、原子力げんしりょく規制きせい庁ちょうに対にたいし、原因げんいんの究明きゅうめいや対策たいさくを検討けんとうするよう求もとめました。

規制きせい庁ちょうは、これらの意見いけんを踏ふまえ、壊こわれた変圧へんあつ器きの復旧ふっきゅうや原因げんいん究明きゅうめいを進すすめるよう北陸電力ほくりくでんりょくに求もとめるとともに、ほかの原発げんぱつも含ふくめて、地震じしん対策たいさくの見直みなおしが必要ひつようかどうかや、モニタリングポストの地震じしん対策たいさくについても検討けんとうすることにしています。

地震じしんの揺ゆれ 一部いちぶ周期しゅうきで従来じゅうらいの想定そうてい上回うわまわる

10日にちの原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいの会合かいごうでは、地震じしんの揺ゆれについての解析かいせき結果けっかも報告ほうこくされ、それによりますと、志賀しが原子力げんしりょく発電はつでん所しょの基礎きそ部分ぶぶんでは、一部いちぶの周期しゅうきで従来じゅうらいの想定そうていを上回うわまわっていたということです。

地震じしんの揺ゆれは、周期しゅうきの長ながさによって影響えいきょうする機器ききや設備せつびが異ことなることから、原発げんぱつの審査しんさでは、揺ゆれの周期しゅうきごとに最大さいだいの値ねを想定そうていすることが求もとめられています。

志賀しが原発げんぱつは、東京とうきょう電力でんりょく福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの事故じこの後のちに作つくられた規制きせい基準きじゅんに基もとづく想定そうていは決きまっていませんが、10日にちの会合かいごうでは、原発げんぱつ事故じこ前まえの想定そうていと比較ひかくした解析かいせき結果けっかが報告ほうこくされました。

それによりますと、基礎きそ部分ぶぶんでの揺ゆれが想定そうていを上回うわまわったのは、1号機ごうき、2号機ごうきとも東西とうざい方向ほうこうの0.47秒びょうの周期しゅうきで、揺ゆれを大おおきさを示しめす加速度かそくどは、1号機ごうきが918ガルの想定そうていに対にたいし957ガル、2号機ごうきは846ガルの想定そうていに対にたいし871ガルでした。

0.47秒びょうという周期しゅうきは、原発げんぱつの安全あんぜん上じょう重要じゅうような機器ききや設備せつびが揺ゆれやすい周期しゅうきではないということで、安全あんぜん性せいへの影響えいきょうはないとみられるということです。

また、津波つなみの高たかさの分析ぶんせき結果けっかも報告ほうこくされ、最大さいだいおよそ3メートルの高たかさの津波つなみが到達とうたつし、引ひき波はについてもマイナス1メートルに達たっしたと報告ほうこくされました。

北陸ほくりく電力でんりょくによりますと、志賀しが原発げんぱつでは海抜かいばつ11メートルの敷地しきちに高たかさ4メートルの防潮ぼうちょう堤つつみが設置せっちされているほか、取水しゅすい口ぐちはマイナス6.5メートルに設置せっちされていることから、今回こんかいの津波つなみによる安全あんぜん性せいへの影響えいきょうはないとしています。