日本新聞: 小型旅客船対象に「隔壁」の設置義務づけへ 2年後めど国交省

小型こがた旅客船りょかくせん対象たいしょうに「隔壁かくへき」の設置せっち義務ぎむづけへ 2年ねん後ごめど国交こっこう省しょう

Apr 4, 2023 18:04 0

Furigana

北海道ほっかいどうの知床しれとこ半島はんとう沖おきの観光かんこう船せんの沈没ちんぼつ事故じこを受うけて、国土こくど交通こうつう省しょうは小型こがた旅客船りょかくせんを対象たいしょうに、浸水しんすいが全体ぜんたいに広ひろがらないよう船内せんないを仕切しきる「隔壁かくへき」の設置せっちを義務ぎむづけることを決きめました。

知床しれとこ半島はんとう沖おきの観光かんこう船せんの沈没ちんぼつ事故じこをめぐっては、去年きょねん12月つき、国くにの運輸うんゆ安全あんぜん委員いいん会かいが留とめ具ぐに不ふ具合ぐあいがあったハッチから海水かいすいが流入りゅうにゅうしたなどとする報告ほうこく書しょを公表こうひょうし、甲板かんぱん下かの空間くうかんを仕切しきる隔壁かくへきに穴あながなく、密閉みっぺいしていれば沈没ちんぼつを回避かいひできたと指摘してきしました。

これを受うけて、国土こくど交通こうつう省しょうは船ふねの密閉みっぺい構造こうぞうについて検討けんとう会かいを設置せっちし、このほど安全あんぜん対策たいさくをまとめました。

それによりますと、波なみの打ち込うちこみによる浸水しんすいに対にたいしては、ハッチを含ふくむ「甲板かんぱん部ぶの密閉みっぺい」が、座礁ざしょうや衝突しょうとつによる浸水しんすい・沈没ちんぼつに対にたいしては「隔壁かくへきによる密閉みっぺい」がそれぞれ最もっとも効果こうかが高たかいという検討けんとう結果けっかを踏ふまえ、2025年度ねんどをめどに、甲板かんぱん全体ぜんたいの水密すいみつ化かと1つの区画くかくが浸水しんすいしても沈没ちんぼつしないよう隔壁かくへきの設置せっちを義務ぎむづけることにしました。

対象たいしょうとなるのは、陸りくからおよそ37キロ、往復おうふく2時間じかん以内いないの「限定げんてい沿海えんかい」などを航行こうこうする新造しんぞの小型こがた旅客りょかく船せんで、既存きそんの船ふねについては、浸水しんすい警報けいほう装置そうちや排水はいすい設備せつびの設置せっちといった代替だいたい措置そちを義務ぎむづけるということです。

国土こくど交通こうつう省しょうは今後こんご、安全あんぜん対策たいさくの詳細しょうさいについて検討けんとうしたうえで、船舶せんぱく安全あんぜん法ほうの省令しょうれいを改正かいせいすることにしています。