Japanese News: 陸自ヘリ事故緊急事態の電波受信されず急激なトラブルか

陸自りくじヘリ事故じこ緊急きんきゅう事態じたいの電波でんぱ受信じゅしんされず急激きゅうげきなトラブルか

Apr 9, 2023 18:04

Furigana

陸上りくじょう自衛隊じえいたいのヘリコプターが沖縄おきなわ県けん宮古みやふる島とうの周辺しゅうへんで消息しょうそくを絶たった事故じこで、この機体きたいには、緊急きんきゅう事態じたいが起おきた際さいに手動しゅどうで操作そうさすることによって異常いじょうを知しらせる電波でんぱを出だす装置そうちが設置せっちされていますが、当時とうじ、航空こうくう当局とうきょくなどではこの電波でんぱが受信じゅしんされていなかったことがわかりました。陸上りくじょう自衛隊じえいたいは、急激きゅうげきなトラブルが起おきたために装置そうちを操作そうさできなかった可能かのう性せいがあるとみて調しらべています。

6日にち、陸上りくじょう自衛隊じえいたいの第だい8師団しだん長ちょうなど10人にんが乗のったヘリコプターが沖縄おきなわ県けん宮古みやふる島とうの周辺しゅうへんを飛行ひこう中ちゅうに消息しょうそくを絶たってから、3日にちとなる9日にち、10人にんの行方ゆくえはいまも分わかっていません。

自衛隊じえいたいや海上かいじょう保安庁ほあんちょうなどが9日にちも捜索そうさくを行おこなった結果けっか、ヘリコプターの左右さゆうにある燃料ねんりょうタンクの一部いちぶとみられるものが回収かいしゅうされました。

これまでの捜索そうさくでは、陸上りくじょう自衛隊じえいたいと書かかれたドアや救命きゅうめいボート、回転かいてん翼つばさのブレードなどあわせて6つの部品ぶひんなどが回収かいしゅうされていますが、操縦そうじゅう席せきやエンジンなど機体きたいの大だい部分ぶぶんは見みつかっていません。

このため自衛隊じえいたいは、海底かいていに沈しずんでいる可能かのう性せいもあるとみて、海底かいていの捜索そうさくを行おこなうことができる潜水せんすい艦かん救難きゅうなん艦かんを新あらたに派遣はけんし、音波おんぱ探知たんち機きなどを使つかって捜索そうさくを続つづけています。

潜水せんすい艦かん救難きゅうなん艦かんには、遠隔えんかくで操作そうさできる無人むじんの潜水せんすい装置そうちが備そなえられていて、音波おんぱ探知たんち機きで機体きたいとみられるものの反応はんのうがあった場合ばあいなどには、装置そうちを使つかって詳くわしく確認かくにんし、状況じょうきょうに応おうじて潜水せんすい員いんによる捜索そうさくを行おこなうものとみられます。

一方いっぽう、事故じこが起おきたヘリコプターには、緊急きんきゅう事態じたいが起おきた際さいに異常いじょうを知しらせる電波でんぱを出だす装置そうちが設置せっちされていますが、当時とうじ、航空こうくう当局とうきょくなどではこの電波でんぱが受信じゅしんされていなかったことが、防衛ぼうえい省しょう関係かんけい者しゃへの取材しゅざいでわかりました。

「トランスポンダー」と呼よばれるこの装置そうちは、操縦そうじゅう席せきに設置せっちされていて、手動しゅどうで操作そうさすることによって機体きたいの情報じょうほうを伝つたえる電波でんぱを発信はっしんしますが、緊急きんきゅう事態じたいを知しらせる電波でんぱは受信じゅしんされていないということです。

陸上りくじょう自衛隊じえいたいは、飛行ひこう中ちゅうに急激きゅうげきなトラブルが起おきたために、装置そうちを操作そうさできなかった可能かのう性せいがあるとみて調しらべを進すすめるとともに、隊員たいいんや機体きたいの捜索そうさくを急いそいでいます。

異常いじょう知しらせる電波でんぱ出だす装置そうち「トランスポンダー」とは

「トランスポンダー」は、飛行ひこう中ちゅうの航空こうくう機きの情報じょうほうを航空こうくう当局とうきょくなどに電波でんぱで知しらせるための装置そうちで、操縦そうじゅう士しが4桁けたのコードを手動しゅどうで設定せっていすることで、発信はっしんされる内容ないようが変かわります。

消息しょうそくを絶たったヘリコプターは当時とうじ、目視もくしによる飛行ひこうを行おこなっていましたが、防衛ぼうえい省しょう関係かんけい者しゃによりますと、目視もくしによる飛行ひこうを行おこなう場合ばあい、通常つうじょうは「1200」の数字すうじに設定せっていします。

一方いっぽう、火災かさいや故障こしょうなどの緊急きんきゅう事態じたいが起おきた場合ばあいは、「7700」に変更へんこうして異常いじょうを知しらせるということです。

「7700」に変更へんこうされると、電波でんぱを受信じゅしんした管制かんせい塔とうなどでは警報けいほうが自動じどうで作動さどうして、異常いじょうが起おきたことに気付きづく仕組しくみだということです。

防衛ぼうえい省しょう関係かんけい者しゃによりますと、今回こんかい、消息しょうそくを絶たったヘリコプターからは「7700」に変更へんこうしたときの電波でんぱは受信じゅしんされていないということで、「機体きたいに急激きゅうげきな変化へんかが起おきた場合ばあいなどは、装置そうちを操作そうさできない可能かのう性せいは考かんがえられる」と話はなしています。