松戸市の会社員、※ヌデ島優さんは(当時34)週末の休みを利用して念願だった知床半島の観光に訪れ、事故に巻き込まれました。
事故から1年となるのを前に12日、ヌデ島さんの両親が取材に応じました。
この中で父親(65)は「あの日から、時が止まったままで、涙を流さない日は1日もありません。特に、お風呂が一番つらいです。冷たい海に投げだされた息子がどんな気持ちだったか。自分だけ温まっていることに気づき、『ごめんな』と涙がとまらないのです」と話していました。
今回の事故では運航会社のずさんな安全管理と国のチェック体制の不備があきらかになり、対策が強化されることになりました。
これについて父親は「起きるべくして起きた事故だと思います。運航会社も、チェックする国も命を預かる仕事だという意識が欠如していたのではないか。二度と起こさないよう、安全を忘れず、取り組んでほしいです」と話していました。
また、母親(59)は「一番に命、安全以外にないと思います。国や運航会社には『自分が乗りたい、家族も乗せたい』そう信じることができる仕事をしていただきたいです」と訴えていました。
※ヌデは木偏に「勝」、勝は上の点が「八」。
当時、結婚を約束した女性もいて、両親は将来を楽しみにしていました。 両親は「名前の通り優しい親孝行の息子でした。この先、やりたいことや夢がたくさんあったはずです。本当にかわいそうでなりません」と話しています。 さらに、事故があった4月23日は優さんの父親の65歳の誕生日でした。 母親によりますと優さんは退職後の趣味として楽しんでもらおうと、プレゼントにドローンを買い求め、旅行から戻ってきた後、家族でお祝いする計画だったといいます。 父親は事故の後、優さんがプレゼントを用意していたことを知りますが、今も、その箱を開けることができないといいます。 父親は「あの日から1年が経とうとしていますが、まだ、気持ちの整理ができずにいます。今でも、『ただいま』と帰ってくるような気がして開けられないのです」と話しています。
父親 “プレゼント いまも開けられず”