トランプ前大統領をヘイリー元国連大使が追う展開となっていて、投票日前日、双方が集会を開き、支持を訴えました。
11月のアメリカ大統領選挙に向けた共和党の候補者選びは4つ目の州となる南部サウスカロライナ州で日本時間の24日夜に投票が始まります。
投票日前日の23日、トランプ前大統領は集会を開き、ヘイリー元国連大使が与党・民主党の支持層から資金面で支援を受けていると主張した上で「共和党はヘイリー氏を支持しておらず、政策も好きではない。彼女は本質的に民主党員であり党を変えるべきだ。アメリカを第1に考える大統領を望むならば、ヘイリー氏を倒すために投票に行かなければならない」と述べて支持を訴えました。
これに対してヘイリー氏は「アメリカ人の70%はトランプ氏対バイデン氏というもっとも好かれていない政治家どうしの対決は望まないと言っている。トランプ氏では本選挙は勝てない」と述べて、支持を訴えました。
州内で行われた世論調査の平均では、トランプ氏がおよそ25ポイントの差をつけてリードしていて、トランプ氏が勝利して党の指名獲得に向けて大きく前進するかが焦点です。
一方、ヘイリー氏はみずからの地元で、かつて知事も務めたサウスカロライナ州に資金や要員を集中的に注いで選挙活動を進めてきただけに、正念場を迎えています。
サウスカロライナ州の予備選挙は日本時間の25日午前、投票が締め切られ、開票が始まります。
トランプ氏支持者「国民のために仕事を成し遂げる人物」
サウスカロライナ州北部、ロックヒルではトランプ前大統領の集会に参加しようと、会場の外に大勢の支持者が長い列を作っていました。
列の先頭の男性は集会の開始予定時刻の9時間以上前からならび始めたということです。
支持者の女性は「トランプ氏は一般のアメリカ国民のために仕事を成し遂げる人物だ。この国を愛し、それを訴えるために出てきたと信じている」と話していました。
また支持者の男性はヘイリー元国連大使について「ヘイリー氏は撤退してトランプ氏を支持すべきだ。この聴衆を見てほしい。途方もない多さだ。彼女は地元の州でも勝てない」と話していました。
ヘイリー氏支持者「アメリカは前に進む時だ」
サウスカロライナ州東部モンクスコーナーで23日に行われたヘイリー元国連大使の集会に訪れた支持者の女性は、「私は過去に2度、トランプ氏に投票した」としながらも「トランプ氏がもたらした混乱を通り越してアメリカは前に進む時だ。トランプ氏は起訴されており、もろい。ヘイリー氏こそがアメリカのために保守派の前向きな考えを体現してくれる」と話していました。
また、支持者の男性は「トランプ氏は混乱をもたらしたし、これからも混乱をもたらし続けるだろう。ヘイリー氏なら、自分の政策の実行に集中できるだろうし、新しい政策も実行してくれるはずだ」と話していました。