生活せいかつ保護ほご申請しんせい 去年きょねんは25万まん件けん超ちょうと最多さいた この10年ねん余あまりで

70代だい男性だんせい コロナ禍かで仕事しごと減少げんしょう 物価ぶっか高騰こうとうで生活せいかつ保護ほご受給じゅきゅう

コロナ禍かをきっかけに仕事しごとが減へり、その後そのごも回復かいふくしない状態じょうたいが続つづいたことから、生活せいかつ保護ほごの受給じゅきゅうを始はじめた男性だんせいがいます。

大阪おおさか府内ふないで1人にんで暮くらす70代だいの男性だんせいは、フリーランスのライターとして40年ねん近ちかくにわたって雑誌ざっしの企画きかくや取材しゅざいなどの仕事しごとを請け負うけおい、年とし300万まん円えんほどの収入しゅうにゅうで生計せいけいを立たてていました。

しかし、コロナ禍かをきっかけに2020年ねんごろから仕事しごとの発注はっちゅうが大幅おおはばに減へって年収ねんしゅうは100万まん円えんを切きり、いまも仕事しごとが回復かいふくしない状態じょうたいが続つづいているということです。

月つき3万まん円えんほどの年金ねんきんとコロナ禍かに国くにが行おこなった事業じぎょう者しゃ向むけの給付きゅうふ金きんや生活せいかつ費ひの貸し付かしつけなどでやりくりしていましたが、こうした支援しえんが去年きょねんまでに終了しゅうりょうしたことに加くわえ、物価ぶっか高騰こうとうの影響えいきょうで食費しょくひや光熱こうねつ費ひなどの支出ししゅつが増ふえ生活せいかつを維持いじできなくなったといいます。

このため、男性だんせいは去年きょねん5月つき、地元じもとの社会しゃかい福祉ふくし協議きょうぎ会かいに相談そうだんし、生活せいかつ保護ほごの受給じゅきゅうを始はじめました。

「年とし40万まん円えんほどの年金ねんきんだけでは食たべていけない」

男性だんせいは「コロナがなくて取引とりひき先さきの状況じょうきょうが変かわらなかったら仕事しごとを頑張がんばれたのかもしれませんが、年齢ねんれいもあるので、新あらたな取引とりひき先さきを開拓かいたくする意欲いよくがあっても結局けっきょく、実みを結むすびませんでした。年とし40万まん円えんほどの年金ねんきんだけでは食たべていけないですし、家賃やちんも払はらえずここでも暮くらせません」と話はなしていました。

去年きょねんの生活せいかつ保護ほご申請しんせい件数けんすう25万まん5079件けん 11年間ねんかんで最多さいた

厚生こうせい労働ろうどう省しょうによりますと、去年きょねん1年間ねんかんに全国ぜんこくで生活せいかつ保護ほごが申請しんせいされた件数けんすうは、速報そくほう値ちで25万まん5079件けんと、前まえの年としと比くらべて1万まん8123件けん、率りつにして7.6％増ふえました。

生活せいかつ保護ほごの申請しんせい件数けんすうは、現在げんざいの方法ほうほうで集計しゅうけいを始はじめ、比較ひかくが可能かのうな2013年ねん以降いこう、6年ねん連続れんぞくで減少げんしょうしていましたが、新型しんがたコロナが感染かんせん拡大かくだいした2020年ねんから4年ねん連続れんぞくで増加ぞうかしていて、この11年間ねんかんで最もっとも多おおくなりました。

前まえの年としからの増加ぞうか率りつも、全体ぜんたいが増加ぞうかに転てんじて以降いこう、この4年間ねんかんで最もっとも高たかくなりました。

去年きょねん12月つきの時点じてんで生活せいかつ保護ほごを受給じゅきゅうしている世帯せたいは全国ぜんこくで165万まん3778世帯せたいと、前まえの年としの同おなじ月つきと比くらべておよそ7092世帯せたい、率りつにして0.4％増加ぞうかしています。

特とくに単身たんしんの高齢こうれい者しゃ世帯せたいが多おおく、84万まん1307世帯せたいと、全体ぜんたいの51.1％を占しめています。

支援しえん団体だんたい “コロナ禍かで借かりた多重たじゅう債務さいむの相談そうだん目立めだつ”

生活せいかつ保護ほごの受給じゅきゅう申請しんせいが増ふえ続つづけている背景はいけいについて、受給じゅきゅう者しゃなどの支援しえんを続つづける団体だんたいはコロナ禍かの長期ちょうき化かの影響えいきょうや物価ぶっか高だかによる影響えいきょうを挙あげています。

大阪おおさかの豊中とよなか市し社会しゃかい福祉ふくし協議きょうぎ会かいではコロナ禍かの当時とうじ、生活せいかつが苦くるしくなって相談そうだんしてきた人ひとから、生活せいかつ再建さいけんがどこまで進すすんだかを継続けいぞくして聞き取ききとりながら就労しゅうろうなどの支援しえんを行おこない、必要ひつような人ひとには生活せいかつ保護ほごにつなげています。

最近さいきん、目立めだつのは、5類るい移行いこう後ごも不定ふてい期きの仕事しごとしか見みつからないという人ひとやコロナ禍かの最中さいちゅうに借かりた多重たじゅう債務さいむに苦くるしむ人ひと、それに物価ぶっかの高騰こうとうで食費しょくひや光熱こうねつ費ひなどが生活せいかつを圧迫あっぱくして家賃やちんが払はらえないといった相談そうだんだということです。

社会しゃかい福祉ふくし協議きょうぎ会かい「生活せいかつ改善かいぜんできるようフォロー続つづける」

豊中とよなか市し社会しゃかい福祉ふくし協議きょうぎ会かいの事務じむ局長きょくちょうで、厚生こうせい労働ろうどう省しょうの審議しんぎ会かいの委員いいんを務つとめる勝部かつべ麗子れいこさんは「コロナでつまずいた人ひとやそのときは何なんとか頑張がんばれた人ひとたちも、物価ぶっか高だかの影響えいきょうで今度こんどは食費しょくひとかが足たりなくなったりして、だんだん生活せいかつに苦くるしむ人ひとたちが増ふえているというふうに感かんじる。自分じぶんたちの生活せいかつが立ち行たちゆかくなったら、いったん生活せいかつ保護ほごを受うけて立て直たてなおしをしていくこともできますし、就労しゅうろう支援しえんを含ふくめて少すこしでも生活せいかつ改善かいぜんできるようフォローを続つづけていきたい」と話はなしていました。

厚生こうせい労働ろうどう省しょう「生活せいかつに困こまっている人ひとは自治体じちたい窓口まどぐちに相談そうだんを」

厚生こうせい労働ろうどう省しょうは「新型しんがたコロナの影響えいきょうが長期ちょうき化かしたことや、物価ぶっか高騰こうとうなどで貯蓄ちょちくが減少げんしょうしていることが影響えいきょうしていると考かんがえられる。生活せいかつに困こまっている人ひとはためらわずに、自治体じちたいの窓口まどぐちに相談そうだんしてほしい」としています。