患者かんじゃ暴行ぼうこうか 身体しんたい拘束こうそく疑うたがいも? 高たかい死亡しぼう退院たいいん率りつ 精神せいしん科か病院びょういんで何なにが

患者かんじゃ:おーお-い。

職員しょくいん:何なに？「おい」ってなんだよ。「すみません」だよな。口くちの利きき方かたに気きをつけろよ。

患者かんじゃ:痛いたい、痛いたいよ。

病室びょうしつ内ないで黒くろっぽい服ふくを着きた医療いりょうスタッフとみられる人物じんぶつが、横よこたわる患者かんじゃの頭あたまを繰り返くりかえしベッドに押おさえつける様子ようすが。

「うるせえよ。みんな寝ねてんだろ？あ？静しずかにしろよ」

枕まくらで患者かんじゃの顔面がんめんを2回かいたたく様子ようすが確認かくにんできます。

看護かんご師しや准じゅん看護かんご師し4人にんが入院にゅういん患者かんじゃを暴行ぼうこうした疑うたがいでした。

このうち看護かんご師し1人にんは患者かんじゃの頭あたまを殴なぐったとして暴行ぼうこうの疑うたがいで逮捕たいほされています。

関係かんけい者しゃによりますと、15日にちに行おこなわれた1回かい目めの立ち入たちいり検査けんさは夕方ゆうがたを中心ちゅうしんに行おこないましたが、今回こんかいは、夜勤やきんの職員しょくいんらからも聞きき取とりを行おこなうのが目的もくてきで、都とは不適切ふてきせつな行為こういがなかったか病院びょういんの運営うんえい体制たいせいも含ふくめて調しらべています。

滝山たきやま病院びょういんの患者かんじゃ10人にんから虐待ぎゃくたいの相談そうだんを受うけており、映像えいぞうや音声おんせいから被害ひがいにあった患者かんじゃは20人にん前後ぜんごにのぼる可能かのう性せいがあると指摘してき。

患者かんじゃとみられる人物じんぶつと医療いりょうスタッフとみられる人物じんぶつのやりとりの音声おんせいの一部いちぶを公開こうかいしました。

［公開こうかいされた音声おんせい1］

「たん取とってくれ」

「『くれ』言いってるやつはだめだって言いってるだろ」

「何なん回かい言いったら覚おぼえるんだよ」

「…たん取とって下ください」

「嫌いやです！ギャハハ」

［公開こうかいされた音声おんせい2］

「本気ほんきで行いこうか、本気ほんきつっても痛いたくねえだろ、もっと行いくぞ！」（物音ものおと）

「いてぇか？本当ほんとうに？なぁいてぇか？本気ほんきで行いこうか？おい！」

「痛いたい…」

（相原あいはら弁護士べんごし）

「院内いんないでの映像えいぞうや音声おんせいから少すくなくとも10人にん以上いじょうの職員しょくいんが暴行ぼうこうや暴言ぼうげんなどの虐待ぎゃくたい行為こういを行おこなっていた可能かのう性せいがある。数すう人にんの職員しょくいんが偶然ぐうぜん暴行ぼうこうを行おこなったとは考かんがえられず、病院びょういん全体ぜんたいで日常にちじょう的てきに虐待ぎゃくたい行為こういが行おこなわれていた可能かのう性せいがある」

数すう年ねん前まえまで働はたらいていた元もと職員しょくいんも院内いんないで虐待ぎゃくたいが疑うたがわれる行為こういを目撃もくげきしたといいます。

「もうこれを言いった以上いじょう、戻もどれません。チクったと言いわれて殺ころされます」とおびえた様子ようすで話はなす姿すがたも記録きろくされていました。

この時ときのことについて相原あいはら弁護士べんごしは「悲惨ひさんな思おもいです。『連つれて帰かえってほしい、また殴なぐられる。連つれて帰かえれないなら一緒いっしょに残のこって欲ほしい』と泣なきながら言いっていたが、体からだが悪わるく、連つれて帰かえれなかった」と話はなしていました。

足あしも同様どうようにベッドに縛しばりつけられていました。

精神せいしん保健ほけん福祉ふくし法ほうでは、▼切迫せっぱく性せいがあり代替だいたい手段しゅだんがない場合ばあいに、やむを得やむをえず身体しんたい拘束こうそくを行おこなう際さいは医師いしの指示しじが必要ひつようで、▼拘束こうそくを行おこなった理由りゆうと日時にちじをカルテや台帳だいちょうに記しるす必要ひつようがあります。

相原あいはら弁護士べんごしが、この患者かんじゃのカルテを開示かいじ請求せいきゅうしたところ、本来ほんらいは必要ひつような医師いしの指示しじの記録きろくが確認かくにんできなかったということで、都とに調査ちょうさの徹底てっていを要請ようせいしました。

数すう年ねん前まえまで働はたらいていた元もと職員しょくいんは、病院びょういんでは医師いしの指示しじがあるのかわからないまま、患者かんじゃが拘束こうそくされることが多おおかったと証言しょうげんしています。

（元もと職員しょくいん）

「ほかの病院びょういんでは、患者かんじゃを拘束こうそくする場合ばあいはチェックシートがあり、カルテに何なん時じからどういう理由りゆうでと医師いしの指示しじが書かかれているが、指示しじがあったかどうかも確認かくにんせずに、先輩せんぱいから言いわれて拘束こうそくしていた。上司じょうしも患者かんじゃがうるさいからしかたがないと黙認もくにんしていた」

暴行ぼうこうや違法いほうな身体しんたい拘束こうそくの疑うたがいについて、病院びょういんはNHKの取材しゅざいに「事実じじつ関係かんけいについて現げん段階だんかいで答こたえることはできません。警察けいさつの捜査そうさには全面ぜんめん的てきに協力きょうりょくいたします。身体しんたい拘束こうそくについても都との調査ちょうさがあれば協力きょうりょくいたします」とコメントしています。

そうしたことが背景はいけいにあるのか病院びょういんに尋たずねましたが、「事実じじつ関係かんけいについて現げん段階だんかいで答こたえることはできません。警察けいさつの捜査そうさや都との調査ちょうさには全面ぜんめん的てきに協力きょうりょくいたします」というコメントで、現時点げんじてんではなぜなのかはわかりませんでした。