日本新聞: 織田信長が敵に降伏促す文書見つかる“政治行動がわかる資料”

織田おだ信長のぶながが敵てきに降伏ごうぶく促うながす文書ぶんしょ見みつかる“政治せいじ行動こうどうがわかる資料しりょう”

Aug 14, 2024 06:08

Furigana

天下てんか統一とういつを目指めざし勢力せいりょくを拡大かくだいしていた織田おだ信長のぶながが京都きょうとに入はいってまもない時期じきに、敵対てきたいする武将ぶしょうに降伏ごうぶくを促うながす文書ぶんしょが見みつかりました。調査ちょうさした東京とうきょう大学だいがく史料しりょう編纂へんさん所しょの研究けんきゅう者しゃは高圧こうあつ的てきな態度たいどで降伏ごうぶくを迫せまる信長のぶながの政治せいじ行動こうどうがわかる貴重きちょうな資料しりょうだとしています。

この文書ぶんしょは、東京とうきょう町田まちだ市しにある泰たい巖いわお歴史れきし美術館びじゅつかんが購入こうにゅうし、東京とうきょう大学だいがく史料しりょう編纂へんさん所しょの村井むらい祐樹ゆうき准じゅん教授きょうじゅが調査ちょうさにあたりました。

その結果けっか、武力ぶりょくで天下てんかを治おさめるという意味いみの「天下てんか布ぬの武ぶ」という朱印しゅいんなどから1570年ねんに書かかれた文書ぶんしょで織田おだ信長のぶながが名門めいもん・細川ほそかわ家かの細川ほそかわ昭あきら元もとに宛あてたものと結論けつろんづけました。

当時とうじ、信長のぶながは天下てんか統一とういつを目指めざして勢力せいりょくを拡大かくだいするなかで将軍しょうぐん、足利あしかが義昭よしあきとともに上うえらくしてまもない時期じきで今いまの大阪おおさか・摂津せっつで昭あきら元もとが立たてこもる城しろに攻め込せめこんでいました。

文書ぶんしょでは、昭あきら元もとに対にたいして降伏ごうぶくするよう促うながし、その場合ばあいは播磨はりまなどの領地りょうちを与あたえることや、四国しこくについては影響えいきょう力りょくを持もっていた昭あきら元もとを特別とくべつに扱あつかうとしています。

昭あきら元もとがこうした条件じょうけんをのんだかはわかっていませんが、文書ぶんしょの翌年よくねんには、信長のぶながに降伏ごうぶくした記録きろくが残のこっています。

村井むらい准じゅん教授きょうじゅは、信長のぶながの当時とうじの政治せいじ行動こうどうが具体ぐたい的てきに分わかる資料しりょうは珍めずらしく、貴重きちょうだとして、「信長のぶながに勢いきおいがある時期じきで、敵対てきたいする勢力せいりょくに対にたいし高圧こうあつ的てきに降伏ごうぶくの条件じょうけんを示しめす様子ようすがうかがえる。実際じっさいに文書ぶんしょを出だして敵てきを降伏ごうぶくさせようと具体ぐたい的てきな行動こうどうをおこしていたことが初はじめて分わかった」と話はなしていました。